ベルリンのマクドナルドとスターバックスに行って複数税率の処理方法を調べてみた

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消費税の増税と軽減税率の導入に沸く日本ですが、いかがお過ごしでしょうか。ベルリンのしがひです。

ドイツは19%の付加価値税(Mehrwertsteuer: MwSt / VAT)があり、生活必需品には7%の軽減税率が適用されています。消費税と付加価値税は若干の違いはあるものの最終消費者の税負担を事業者が預かって納付するという点では同じで、米国の売上税に比べるとその処理方法の違いはほぼ無視できます。

EUの付加価値税の仕組みは各国共通で、例えばEU内で国境を超えた事業者間取引ではVAT番号を交換することで付加価値税額を記載しないインボイスを発行することができます。しかし税率と軽減税率は各国の経済的、政治的、文化的、歴史的な背景により大きく異なります。今回はドイツでこのような複数税率がどのように処理されているのか、実際に店舗に行ってみて調べてみました。

マクドナルド・チェックポイントチャーリー

クラスメソッドのベルリンオフィスは東西分裂時代の東ベルリン地域にあり、フリードリッヒ通りを南に200m弱歩くとベルリンの壁にあたり、検問所・チェックポイントチャーリーを抜けて西ベルリンに入ります。その直後にマクドナルド・チェックポイントチャーリー店はあります。

こちら東側。 こちら西側の店内。

ドイツのマクドナルドはほとんどの店舗でオーダー端末が導入されていて、キャッシュレスの場合はオーダーカウンターに並ばず、端末で注文、決済し、受け取りカウンターで受け取ります。

手前がオーダー端末、奥左手がオーダーカウンター(現金が扱える)、右が受け取りカウンター。 日本以上の現金社会のドイツですが、最近はクレジットカードやデビットカードで25ユーロ以下はコンタクトレス、サインレスで決済できるようになり、キャッシュレス化が進んできています。

さて、マクドナルドでの調査のポイントは、店内で食べる場合と持ち帰りでどのように税率が変わって処理がされるかです。

最初に言語の選択とともにEat inとTake awayの選択をしいられます。 ビッグマックセット: ポテト(ソースなし)、スプライト = 税込6.99ユーロ。

1日目はEat in、2日目はTake awayで同じセットを注文しました。

Eat in Take away

店で支払った額(6.99ユーロ)は同じですが、支払った付加価値税額とその内訳が違います。

Eat inの場合、これはレストランでの食事なので生活必需品ではありません。つまり全ての品代にシンプルに19%が課されます。一方Take awayの場合、ビッグマックとポテトは食料品ということで軽減税率7%が適用されています。スプライトは飲料扱いで19%です。セットメニューなので単品の品代で飲料の比率をはじき、按分額の1.02ユーロに課税されています。

単純明快ですね。

このEat inかTake awayかについては申告と実際の行動が異なる場合があり、消費者はどちらでも支払う総額は同じですが、事業者はTake awayを多くした方が利益が多くなります。そのため世界一怖いドイツの税務署は定期的に店舗の実態調査を行なっています。

コーヒーにまつわる税金

コーヒーの税制はやや複雑です。コーヒーが生活必需品であることは疑いの余地もないですが、同時に飲料でもあります。飲料はミネラルウォーターを含めて原則として軽減税率が適用されませんが、水道代と牛乳は例外です。全てのパターンをまとめると以下のようになります。

  •  コーヒー豆、コーヒー豆を挽いたもの  -->  7%
  •  Nespressoなどのコーヒーカプセル、パッド  -->  7%
  •  コーヒー味の食品(Eat inを除く)  -->  7%
  •  インスタントコーヒー  -->  19%
  •  水道水を挽いたコーヒー豆に通して抽出したもの(つまりコーヒー)が商品になっているもの  -->  19%
  •  コーヒー味の飲料  -->  19%
  •  牛乳が75%以上含まれているコーヒー味の飲料  -->  7%

つまり家で水道水とコーヒー豆を使って淹れたコーヒーは軽減税率で飲むことができるということです。

ちなみにコーヒーには付加価値税以外に、コーヒー税(Kaffeesteuer)という売上税(仕入税)が豆1kgあたり2.19ユーロ、インスタントコーヒーは乾燥重量1kgあたり4.78ユーロが事業者に課されています。これは隣国のオランダにはない税金なので、国境沿いのスーパーマーケットではドイツ人がこぞってコーヒー豆を買っています。

ではスターバックスでコーヒーを売っているのか牛乳を売っているのかをTake awayして調べてみましょう。

To Go (持ち帰り)

  •  チャイラテ
  •  キャラメルホットチョコレート
  •  カフェアメリカーノ
  •  フラットホワイト
  •  カフェラテ
  •  カフェモカ

以上の飲み物の中で牛乳と区分されて軽減税率が適用されているのはカフェラテのみです。意外にもチャイラテやフラットホワイトは牛乳が75%以下です。諸々調べるとカプチーノは牛乳で、エクストラショットを入れるとコーヒーになるとのことです。

レジとその裏側の勘定システムについて、ポイントは内税方式が徹底されているところでしょうか。消費者を混乱させず、複数税率をスムーズにハンドリングするには、日本でも移行期間に甘えずいち早く内税方式を実装することが大切だと思います。