業務改善のツボを徹底解説! 〜プロセス化〜
こんにちは。Marvelとゲームをこよなく愛す品質管理担当のかめです。 スクウェア・エニックスグループとMarvel Entertainmentの「The Avengers Project」が今から楽しみな今日この頃です。
今回は品質管理担当っぽく、架空の会社かめた生命保険の社内ヘルプデスクにおける問い合わせ対応業務を例に「改善」をする上で大切な「プロセス化」をご紹介します。
「改善」というとばくっとしていますが、「日々の業務を今より良くする」という意味でお考え下さい。
シナリオ
- かめた生命保険の社内ヘルプデスクでは、社員が利用しているPC、タブレット端末、社内ネットワーク、社内システムの利用方法の説明や不調に関する問い合わせ対応、要望の受付をしている
- PC、タブレット端末、社内ネットワークの問い合わせは、まずは社内ヘルプデスクが確認し、解決できない場合、メーカに修理/調査を依頼している
- 社内システムの問い合わせは、まずは社内ヘルプデスクが確認し、解決できない場合、アプリ開発部門に調査/対応を依頼している
- 今までは、ベテランの青山さんと赤井さんの2人で対応していたが、青山さんが産休に入るため、新人の緑川さんが配属された
- 青山さんと赤井さんは、長年の経験と勘で対応をしてきたため、問い合わせ対応手順などはほとんど文書化されていない
…ツッコミどころ満載なシナリオですが、今回は以下を達成するための「改善」について考えていきます。
社内ヘルプデスクの問い合わせ対応業務がベテラン・新人問わず、一貫した対応になる仕組みを作る(標準化)
業務改善のツボ
日々の業務/仕事と、それを管理するための仕組み(活動)について、プロセスを定義(プロセス化)することが今回の改善のツボです。
プロセスとは?
「プロセス」とは以下のようなものです。
- 「特定の目的を達成する」ように設計された一連の活動のこと(≒業務/仕事)
- 顧客やパートナーなどの「利害関係者」が存在する
- 「特定のトリガー」によって開始される
- 活動の状況が「定量的に測定」できる
これだけだとちょっとわかりにくいですね。 かめた生命保険の例で考えてみましょう。
問い合わせ対応業務の目的 |
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利害関係者 |
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問い合わせ対応業務のトリガー |
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問い合わせ対応業務がベテラン・新人問わず、一貫した対応になっているかの測定 |
(補足)問い合わせの中身にもよりますが、ベテラン2人と新人の対応している件数や平均対応時間を月次などで測定し、同じくらいの数をこなしているのであれば、標準化が進んでいるかの1つの指標になります。 |
「受付」や「調査」などのやるべきことを少し大きなくくりにしたものが「プロセス」です。
「社内ネットワーク調査手順」など、各プロセスでやるべきことを更に詳細化したものが「手順」です。
- 青山さんと赤井さんは、長年の経験と勘で対応をしてきたため、問い合わせ対応手順などはほとんど文書化されていない
今回のケースでは、一子相伝みたいになっているので、「プロセス化」と「手順化」の両方が必要そうですね。
なぜ、「プロセス化」なの?「手順化」だけじゃダメ?
単純に誰もが同じ業務をできるようにするのであれば、手順書をたくさん作れば良さそうですよね?
なぜ、「プロセス化」が大切なのかというと…
- 業務の全体像がわかる(「特定の目的を達成する」ように設計された一連の活動)
- 誰がどのように関係するのか(顧客やパートナーなどの「利害関係者」が存在する)
- 何をきっかけに始まるのか(「特定のトリガー」によって開始される)
- 改善の効果がわかる(活動の状況が「定量的に測定」できる)
手順書をたくさん作ると、いつどの手順書を見たらいいかに困るなんてこともあります。 そんな時に全体像がわかるプロセスと手順書がマッピングされているとスムーズに対応しやすくなります。
そして何よりも、
「改善の効果が(数字で)わかる」
これが重要です。
日々の業務(プロセス)を定義する際に、「目的」を明確にし、目的を達成できているかの「測定基準」を決めておくことで、手順の見直しなどをした時にその「改善」がどのくらい効果があったのかがわかるようになります。
効果があったかを確認するまでが「改善」です。校長先生の話は以上です。
次回は、プロセスの「測定」についてもう少し詳しく解説してみようかなーなんて思っています。