【地元に若者を】上越市主催の懇談会でインターンシップのノウハウを聞いてきました

2019.05.22

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

はじめに

こんにちは植木和樹@上越オフィスです。2019年5月20日に地元上越市が主催する「上越市インターンシップ登録企業懇談会」に参加してきました。

という結果のように地方では人口が減少中です。どうにかして若者を地元に留めたい、地元で就職してほしいというのは、どの地方でも共通の悩み事ではないでしょうか。

懇談会は市の担当者が手続きとかを延々と話すだけかなーと思ってたのですがそんなことはなく、上越地域の企業担当者が集まって、悩みや知見をざっくばらんに話し合うまさに「懇談会」でした。

懇談会の内容

  1. プログラム作成について
  2. 社内の受け入れ体制について
  3. 学生への支援について

30人ほどの参加者を6人 x 5グループに分け、各グループで各項目について経験談や疑問を話し合いました。 その中で、インターンシップの準備について参考になる話を聞くことができたので、本日はブログにまとめてみたいと思います。

懇談会のまとめ

上越市や参加企業の公式見解でなく、担当者さんからお聞きした話で印象に残ったものを私の言葉でまとめたものになります。

インターンの時期は春・夏休み・冬休み

大学によっては2週間のインターンで単位がとれるところもあるそうです。

専門学校生や高校生が対象の場合、普段の授業もあるので夏休みや冬休みに企画するのが良さそうです。

インターンの期間は2〜3日が適切?

わたしの過去の経験だとインターン期間は1〜2週間だったのですが、最近は2〜3日、場合よっては学校側の指定でワンデイもあるとのこと。

1日だとインターンというより会社紹介にしかならないので、まず2〜3日で計画するのが良さそうです。期間については学校側と相談して決めるのが良いでしょう。

また市の助成金を受ける際にも、ワンデイだと対象にならないこともあります。

安全に配慮する

これは建築関係の方がお話されていたのですが、現場見学をするにあたっての安全教育はキッチリ行っているそうです。ヘルメット装着とか重機近くの行動とか。

まずは学生に事故がないように最優先で配慮しましょう。

また身体的な事故だけでなく、情報セキュリティでの安全も確認しましょう。加えて業務をインターン生が行う行為が法令に抵触しないようにしましょう。

インターン生にプライベートな話を聞いてはいけない

家族構成や親の職業を聞くのはアウトだそうです。学生も学校から指導されているそうです。

とはいえ、インターン生とのコミュケーションもあるので、ついつい聞きやすい身近な話をしてしまいがちです。その時は「いやなら答えなくていいけど・・・」というように高圧的(?)にならないよう配慮しましょう。

志望動機を聞く、業界に残ってもらう

参加者の多くから聞いたのが「例えウチを選ばなくても、この業界には残ってほしい」という思いです。どこも人手不足ですし、同じ業界ならもしかしたら数年後に転職してきてくれるかもしれないからです。

学生のインターン先が1社だった場合、その会社の印象が業界の印象になってしまうかもしれません。

「どうしてこの業界を選んだのか」を聞いて、その業界のおもしろさや働きがいを伝え、業界自体を好きになってもらいたいですね。

あと1社だけでなく複数社を経験することで偏った業界感が与えられないよう、学校側にもお願いしたいという意見も。

プログラムは1コマ2時間 x 1日4コマだと社員の負担も軽減

インターンが始まると、受け入れ担当は忙しい業務の合間で対応する必要があります。そこで1コマを2時間に区切って組み立てると「2時間くらいなら」ということで社内の協力を得られやすいそうです。

プログラムは詰め込みすぎない

仕事の先輩であり専門家として、良かれと思ってアレもコレもを教えたくなりますが、詰め込みすぎは控えましょう。

学生は慣れない職場、初めて会う人たちと1日を過ごすことになります。特に午後のプログラムは疲れがでています。先に書いた安全に配慮するためにも内容は程々に。

「体験型インターン」か「課題解決型インターン」か

インターンといえば「職場体験型(IT業界で言えば設計とプログラミング)」という印象がありましたが、最近は「課題解決型」も増えているそうです。

実際にある課題を学生に考えてもらい、企画と実行を経験してもらいます。若い人ならではの着眼点がありそうでおもしろいですね。

最終日の半日は「まとめ」の時間

最終日の半日は「まとめ・レポート」の時間に当てましょう。学生は学校に提出する必要があるので、その時間をとってあげると良いそうです。

その中で会社の宣伝スライドも入れてもらえると、学生は上手に企業アピールしてくれるそうですよ。

学生のクチコミを活用する

インターンが好評だと学校内でクミコミで広まり、次回から友人や後輩を呼んでくれることがあるそうです。

とある建設会社さんは、冬のイベントで雪像作りを体験してもらい、展示した作品と写真を撮影するという企画を行っているそうで評価は上々だそうです。

逆に内容に不満だと、悪いクチコミが広まっちゃうわけですね。気をつけましょう。

インターンシップを採用に繋げるためには

これは難しい課題です。インターンにはきてくれるけど、新卒採用の拡大に繋がらないという声を多く聞きました。

とてもうまく行っている会社でも、会社説明会で300人の学生にリーチして、インターンとしてきてくれたのが10名、実際に応募があったのが3名だそうです。

インターンシップ参加者の学生が応募してきてくれると嬉しいですが、そうではなくともこれをきっかけに広く業界に興味を持ってくれると嬉しいですね。

まとめ

わたしも過去2度インターンシップ生の担当としてプログラムに参加したことはありましたが、募集前の企画に参加するのは初めてでした。

少子化とあわせて、地方の若者達は都会に出ていくために高齢化が問題になっています。上越も例外ではありません。

インターンシップの話とあわせ、若者に地元に残ってほしい、業界の将来を担ってほしいという思いが聞けたのが個人的に参加して良かったです。

私もIT業界に身を置く1エンジニアとして、若い人たちとこれからも技術の話をしていきたいです。弊社も地元のITエンジニアの受け口として今後も積極的採用に取り組んでいきたいと思います。