Ubuntu20.04から古いNASにWindows共有でつながらない

Ubuntu 20.04 LTSで古いNASにつながらなくなりました。Samba 4.11では、SMB1がデフォルトで無効となったためです。SMB1を有効化し、Ubuntu 20.04から古いNASにアクセスする方法をご紹介します。
2020.10.20

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はじめに

データアナリティクス事業本部の藤川です。
Ubuntu 20.04 LTS (Focal Fossa)を入れたので、NASにつなごうとしましたが、つながりませんでした。

Buffalo LinkStasionシリーズ、IODATA LAN DISKシリーズ、Synology DiskStation、QNAP社製等、有名どころのNASがありますが、古いNASはSMB1を使用しているケースが多いと思います。 Ubuntu 20.04 LTSでは、デフォルトでインストールされるSambaが4.11.xとなり、デフォルト設定でSMB1が無効となったことが原因のようです。 本記事では、Ubuntu 20.04 LTSでSMB1を有効化し、古いNASのデータにアクセスする方法をご紹介します。

設定変更

Samba 4.11では、client min protocolパラメータとserver min protocolパラメータのデフォルト値がSMB2_02に変更されました。SMB1を有効化する場合、これらパラメータにnt1coreの値を指定します。

1.Sambaクライアントをインストールします。既にインストールされている場合は、この手順は不要です。

sudo apt install smbclient

2.Sambaクライアントの設定を変更します。

sudo vi /etc/samba/smb.conf

3.[global]セクションにclient min protocolを追記し、nt1coreの値を指定します。既に、他の設定が記述されていると思いますので、[global]セクションの末尾等に追記してください。

[global]
...
client min protocol = core
...

動作確認

Windows共有にアクセスしてみます。

1.Ubuntuのデスクトップでファイルを開きます。

2.+他の場所を開きます。

3.Windowsネットワークをクリックします。

4.WORKGROUPをクリックします。

Windows共有

5.ここまで来れば、NASが見えると思います。NASのサーバ名、フォルダ名を選びます。

6.ログイン画面が表示された場合は、ログインしてください。

Windowsログオン

さいごに

古いNASを使い続ける背景には、様々な事情があることでしょう。 一方で、脆弱性があるため、SMB1は使われなくなりつつあります。今回ご紹介した方法を、いつまでも使い続けることは大変危険です。あくまで、古いNASのデータ移行を目的とした延命期間中の暫定措置だとご理解ください。

やはり、早急に新しいNASへの買い替えを検討しましょう。