Jetson TX2 への JetPack のセットアップ手順(NVIDIA SDK Managerを使用)
1 はじめに
CX事業本部の平内(SIN)です。
re:Invent 2019で盛り上がっている所恐縮ですが、ひっそりと、アップします。見逃して下さい。m(.)m
今回、NVIDIA SDK Managerを使用してJetPackをセットアップする機会を頂いたのですが、色々な無知から、ちょっと手間取ったので、次回のため、できるだけ画像を入れて 手順を記録してみました。
Jetsonのセットアップでは、カーネルの書き換えが必要なため、UbuntuがインストールされてホストPCが必要です。VirtualBox(仮想環境)でも一応可能なのですが、安定して作業するためには、実機の準備が俄然おすすめです。 今回は、小型のデスクトップPCにUbuntuをインストールして使用しました。
作業した環境は、以下のとおりです。
- JetSON TX2
- JetPack 4.2.3
- Ubuntu 18.04.3 LTS
- ホストPC LIVAZ-4/64-W10(N3350)S
所要時間は、ダウンロード及びOSイメージ作成までが、約45分、OSイメージの書き換えが約10分、その後のインストールが、約1時間15分という感じでした。ホストPCの準備などを含めると、超スムーズに行っても2時間以上はかるくかかります。
2 ディスクスペース
実は、最初、ホストPCにUbuntuを何も考えずにインストールして作業していた所、Flush Jetson OSが、40%ぐらい進んだところでDiskFullで止まってしました。ホストPCに使用したPCのディスクが足りなかったようです。
SDK Managerでは、ダウンロードされたファイルは、ホストPCの ~/Downloads/nvidia/sdkm_downloads 配下に置かれ、約6GByteとなっていましたので、とりあえず、ここを別のHDをマウントして逃してやり直しました。
全部で35G位あれば大丈夫そうなので、ホストPCのディスクに余裕に注意して下さい。
参考:ダウンロード完了後の使用量
du -k ~/Downloads/nvidia/sdkm_downloads/ 6006256 /home/cm001/Downloads/nvidia/sdkm_downloads/
参考:~/Downloads/を別ディスクにマウントした
$ df -k Filesystem 1K-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/mapper/ubuntu--vg-root 28453804 5421200 21564188 21% / /dev/sda1 456417576 4587320 428575832 2% /home/cm001/Downloads ・・・略・・・
↑Doenloads以外の空きが、21G程度、一応完了できましたがギリギリでした。
3 SDK Managerのセットアップ
(1) ダウンロード
NVIDIA のデベロッパーページから、 NVIDIA SDK Managerをダウンロードします。(ダウンロードには、ログインが必要です。予めアカウントを作成しておいて下さい。) ダウンロードされるファイルは、sdkmanager_0.9.14-4964_amd64.deb 約63MByteです。
https://developer.nvidia.com/embedded/jetpack
(2) SDK Manager インストール
下記のコマンドで、SDK Managerをインストールします。
$ sudo apt install ./sdkmanager_0.9.14-4964_amd64.deb
(3) SDK Manager 起動・ログイン
下記のコマンドで起動し、NVIDIAへのログインを行います。
$ sdkmanager
4 Jetsonの起動及び、リカバリモードによる接続
(1) 接続
ホストPCとのUSB接続 及び、電源コード、USBマウス・USBキーボード・HDMI(ディスプレイ)の以下のとおりです。
(2) 起動
初めて使用する場合、POWERボタンを押すと、ターミナルのような初期画面が表示されます。ここで、下記のコマンドを打つことで、UbuntuのGUIが立ち上がります。
cd NVIDIA-INSTALLER sudo ./installer.sh sudo reboot
初期状態では、ユーザー・パスワードともにnvidiaでログインできます。
(3) リカバリモード
POWERボタンで起動した状態で、RECを押しながらRSを数秒押し、RSを離してから、RECを離すと、HDMIへの出力が止まり、リカバリーモードに移行します。
注:リカバリーモードで作業を開始すると、完了するまで、Jetson(Ubuntu OS)は起動することが出来ませんので、ご注意下さい。
JetsonとホストPCのUSB接続が有効で、Jetsonに電源が入っている場合、ホストPCでは、下記のように NVidia Corp. というデバイスが認識されます。
$ lsusb Bus 001 Device 006: ID 0955:7020 NVidia Corp.
5 インストール
(1) STEP 01
- Target Hardware で JrtSon TX2を選択して、CONTINUEをクリックします。
(2) STEP 02
セットアップする対象をチェックで選択します。なお、TARGET COMPONENTSのインストール時は、ポストPCとJstsonが、それそれ、下記の通り、接続されている必要があります。
- Flash Jetson OS USBケーブルで接続され、Jetsonがリカバリーモードになっていること。Flash Jetson OSのインストール中だけ、SDK Manager が、Jetsonのディスクをマウントしてイメージを書き込みます。
-
上記以外 USBケーブルで接続されている、若しくは、JetsonとホストPCがTCP/IPで通信可能であること。 Flash Jetson OSが完了すると、Jetsonが起動し、OSの初期設定が始まるので、その時点で、有線ネットワークやWi-Fiの設定で、ホストPCとのネットワーク接続が可能になればOKです。なお、USBケーブルで接続されている場合は、それだけでもネットワーク接続が可能になっているようです。
選択が完了したら、agreementsにチェックして、CONTINUEをクリックします。
(3) STEP 03 (Flash Jetson OSまで)
ホストPCにインストールするための管理者権限のパスワードを入力が求められた後、ダウンロード及び、インストールが順次開始されます。
途中、下記のような警告ダイアログが表示された場合は、気にせずOKを押して下さい。
STEP 03 開始から、Flash Jetson OSが、始まるまで、手元の環境で、約45分、そして Flash Jetson OS 自体が10分位でした。
Flash Jetson OSが完了すると、Jetsonが起動し、Ubuntuの初期化が始まります。
言語、キーボート、タイムゾーン・アカウントの設定が完了すると、一旦、再起動し、Jetson OSが起動します。
(4) STEP 03 (Flash Jetson OS以降)
ここからは、Jetson OSが起動した状態で、ネットワーク経由で、淡々と書き込んでいく感じです。
この時点で表示されるダイアログにJetsonへの接続情報(Jetsonに設定したアカウント)を入力し、installを押します。(USB接続されている場合は、ネットワークが無くても192.168.55.1で繋がります)
ここからのインストールは、だいたい、1時間15分ぐらいでした。
(5) STEP 04
全てのインストールが完了すると、STEP 04となります。FINNISHを押して、SDK Managerを修了して下さい。
6 最後に
今回は、SDK ManagerによるJetPackのインストールの手順を纏めてみました。非常に時間のかかる作業ですので、手戻りがないように慎重に進めたいものです。