【注意】 2026年1月31日で ElastiCache for Redis OSS の 4 系と 5 系の標準サポートが終了して延長サポートが開始されます
ウィスキー、シガー、パイプをこよなく愛する大栗です。
ElastiCache for Redis OSS についてバージョン 4 系と 5 系の延長サポートが提供されると発表がありました。
Amazon announces Extended Support for ElastiCache version 4 and version 5 for Redis OSS
ElastiCache for Redis OSS の延長サポート
OSS の Redis のバージョン 4 と 5 は 2020 年と 2022 年にコミュニティサポートが終了となり、アップデートやバグフィックス、セキュリティパッチの提供はされなくなりました。それに伴い 2026 年 1 月 31 日に標準サポートは終了となります。今回のアップデートにより、標準サポートが終了となっても最大 3 年間延長サポートを受けることが可能になります。
標準サポート終了前に、Redis OSS v4 および v5 キャッシュを ElastiCache for Valkey または Redis OSS v6 以降にアップグレードすることを強くお勧めします。ただし Redis OSS v6 は 2027 年 1 月 31 日で標準サポートが終了するのでご注意ください。
延長サポートの内容
延長サポートでは以下の更新とテクニカルサポートが提供されます。
- キャッシュとキャッシュ エンジンの Critical(緊急)と High(重要)レベルの CVE に対するセキュリティアップデート
- 重大な問題に対するバグ修正とパッチ
- 標準の ElastiCache サービスレベル契約の範囲内でサポートケースを開き、トラブルシューティングの支援を受けることができる
延長サポートの期間
Redis OSS の v4 と v5 は 2026 年 1 月 31 日に標準サポートが終了し、v6 は 2027 年 1 月 31 日に標準サポートが終了します。標準サポート終了後 3 年間延長サポートが提供されます。以下に現時点で発表されているスケジュールをまとめます。
エンジンバージョン | 標準サポート終了 | 延長サポート 1 年目開始 | 延長サポート 2 年目開始 | 延長サポート 3 年目開始 | 延長サポート終了 |
---|---|---|---|---|---|
Redis OSS v4 | 2026 年 1 月 31 日 | 2026 年 2 月 1 日 | 2027 年 2 月 1 日 | 2028 年 2 月 1 日 | 2029 年 1 月 31 日 |
Redis OSS v5 | 2026 年 1 月 31 日 | 2026 年 2 月 1 日 | 2027 年 2 月 1 日 | 2028 年 2 月 1 日 | 2029 年 1 月 31 日 |
Redis OSS v6 | 2027 年 1 月 31 日 | 2027 年 2 月 1 日 | 2028 年 2 月 1 日 | 2029 年 2 月 1 日 | 2030 年 1 月 31 日 |
延長サポートの料金
ElastiCache for Redis OSS でプロビジョニングされたインスタンスは、延長サポート料金は 1 年目と 2 年目は 80% の追加料金、3 年目は 160% の追加料金となります。
ElastiCache コンソールからキャッシュを作成する場合にプリセットされているキャッシュノードタイプである本番稼働用(cache.r7g.xlarge)、開発/テスト(cache.r7g.large)、デモ(cache.t4g.micro)について、東京リージョンの料金を例として記載します。
キャッシュノードタイプ | オンデマンド 時間あたりの料金 | 1年目と2年目 時間あたりの料金 | 3年目 時間あたりの料金 |
---|---|---|---|
本番稼働用(cache.r7g.xlarge) | $0.524 | $0.4192 | $0.8384 |
開発/テスト(cache.r7g.large) | $0.263 | $0.2104 | $0.4208 |
デモ(cache.t4g.micro) | $0.025 | $0.02 | $0.04 |
延長サポートにおける責任
ElastiCache の延長サポートについて、Amazon ElastiCache とユーザーへの責任についても定義されています。
ElastiCache and customer responsibilities with ElastiCache Extended Support
Amazon ElastiCache の責任
Amazon ElastiCache は延長サポートに登録されているエンジンに対して、パッチ、バグフィックス、アップグレードを提供します。最大 3 年間か延長サポート対象のエンジンの使用を停止するまで提供されます。
ユーザーの責任
ElastiCache 拡張サポートで提供されるパッチ、バグフィックス、アップグレードの適用はユーザーの責任です。Amazon ElastiCache はこれらのパッチ、バグフィックス、アップグレードをいつでも変更、置換、撤回する権利を保留します。セキュリティまたは重大な安定性の問題のためにパッチが必要な場合、Amazon ElastiCache はパッチを適用してキャッシュを更新するかパッチのインストールを要求する権利を保留します。
ElastiCache 拡張サポート終了日までにエンジンを新しいバージョンへアップグレードする責任もユーザーにあります。ElastiCache の拡張サポート終了日は通常標準サポートの終了から3年です。
エンジンをアップグレードしない場合、ElastiCache 拡張サポート終了日以降 Amazon ElastiCache は ElastiCache 標準サポートでサポートされている新しいエンジンバージョンへのアップグレードを試みます。アップグレードが失敗した場合、Amazon ElastiCache は、ElastiCache の標準サポート終了日以降にエンジンを実行しているキャッシュを削除する権利を留保します。ただし、削除前に、Amazon ElastiCache はそのエンジンのデータを保存します。
さいごに
Redis のコミュニティサポートが終了しても ElastiCache for Redis OSS で標準サポートを終了しても数年間にわたりサポートを継続していました。その AWS 独自のサポートも更に継続するために延長サポート料金が必要となっています。
延長サポート料金は金額的な負担が大きいので、現在 4 系や 5 系を利用されている方は新しいバージョンが出ている ElastiCache for Valkey へ計画的にアップグレードしていきましょう。