[アップデート] Amazon Redshift Serverless が3年間の Serverless Reservations を導入し、最大45%のコスト削減が可能になりました

[アップデート] Amazon Redshift Serverless が3年間の Serverless Reservations を導入し、最大45%のコスト削減が可能になりました

2026.02.24

クラウド事業本部の石川です。Amazon Redshift Serverless が、新たに3年間の Serverless Reservations を導入しました。従来の1年間のリザベーションに加え、より長期のコミットメントによって最大45%のコスト削減が可能になります。Redshift Serverless をすでに本番運用されている方にとって、コスト最適化の有力な選択肢となるアップデートです。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2026/02/amazon-redshift-serverless-three-year-reservations/

Serverless Reservations とは

Serverless Reservations は、Amazon Redshift Serverless の割引料金オプションです。一定数の Redshift Processing Units(RPU)を期間(1年間または3年間)でコミットすることで、オンデマンド料金と比較してコンピューティングコストを削減できます。

Serverless Reservations の主な特徴は以下のとおりです。

  • AWS 支払者(Payer)アカウントレベルで管理される
  • 同じ支払者アカウント配下の複数の AWS アカウント間で共有可能
  • 1時間単位で課金され、秒単位で計測される(24時間365日の一貫した課金モデル)
  • 予約した RPU レベルを超える使用分は、標準のオンデマンド料金で課金される

今回のアップデート内容

従来、Serverless Reservations は1年間のみでしたが、今回のアップデートにより 3年間の Serverless Reservations が新たに利用可能になりました。

これまでの1年間のリザベーションでは、前払いなし(No Upfront)で最大20%、全額前払い(All Upfront)で最大24%の割引でしたが、3年間のリザベーションでは 前払いなし(No Upfront)で最大45% の割引が適用されます。

期間 支払いオプション 最大割引率
1年間 前払いなし(No Upfront) 最大20%
1年間 全額前払い(All Upfront) 最大24%
3年間 前払いなし(No Upfront) 最大45%

3年間という長期のコミットメントが必要になりますが、割引率の差は非常に大きいです。

購入方法

Serverless Reservations は、Amazon Redshift コンソールまたは AWS CLI / API から購入できます。

コンソールから購入する場合

  1. Amazon Redshift コンソールを開く
  2. 左メニュー「Serverless」から「Serverless reservations」を選択
  3. 「Purchase serverless reservations」を選択
  4. 予約する RPU レベルを入力
  5. 支払いタイプを選択
  6. 確認して購入

20260224-redshift-serverless-3year-reservations-1

Serverless Reservations の効果的な導入

利用状況の把握

適切なリザベーションレベルを決定するには、現在の RPU 使用量を分析する必要があります。分析方法は2つあります。

Redshift Serverless ダッシュボード(7日間の表示)

Redshift Serverless コンソールのダッシュボードから、ワークグループを選択すると、直近1時間から1週間の RPU 使用量を確認できます。

AWS Cost Explorer(長期分析)

Cost Explorer を使用して、より長期間の使用量傾向を分析できます。粒度を「時間単位」に設定し、使用タイプで Redshift:ServerlessUsage をフィルタリングすることで、時間ごとの Serverless 使用量を確認できます。

効果的な導入のためのポイント

1. まず利用パターンを把握する

リザベーションの購入前に、現在の RPU 使用量を分析することが最も重要です。

  • Redshift Serverless ダッシュボードで直近7日間の RPU 使用量を確認する
  • AWS Cost Explorer で長期間の使用傾向を分析する
  • SYS_SERVERLESS_USAGE システムテーブルで詳細な使用履歴を取得する

2. 「24時間使い続けている RPU」をリザベーション対象にする

常にクエリが走っている部分(ベースライン)をリザベーションの対象にし、ピーク時のみ発生する追加分はオンデマンドで処理するのがベストプラクティスです。

3. 稼働率55%を目安にする(3年前払いなしの場合)

3年前払いなしのリザベーションでは、稼働率55%(1日あたり約13.2時間)が損益分岐点です。これを下回る利用パターンの場合、リザベーションは逆にコスト増になります。

4. 控えめな RPU 数から始める

一度購入したリザベーションは変更も削除もできません。数カ月間の運用してRPU数を把握したり、控えめな RPU 数から始めて、必要に応じて追加購入(積み上げ)する方が安全です。

シミュレーション1: 利用パターン別の年間コスト比較(32 RPU の場合)

よくあるワークロードパターンを想定して、32 RPU で年間コストを比較します。

計算方法

  • オンデマンド: RPU単価 × RPU数 × 1日の利用時間 × 365日
  • リザベーション: 割引後RPU単価 × RPU数 × 24時間 × 365日
利用パターン 1日の利用時間 稼働率 オンデマンド 1年前払いなし 1年全額前払い 3年前払いなし
営業時間のみ 8時間 33% $46,159 $110,782 $105,243 $76,163
拡張営業時間 12時間 50% $69,239 $110,782 $105,243 $76,163
ほぼ終日利用 18時間 75% $103,859 $110,782 $105,243 $76,163
24時間フル稼働 24時間 100% $138,478 $110,782 $105,243 $76,163

棒グラフ: オンデマンド(利用時間に比例して増加)/ 上の線: 1年リザベーション前払いなし(定額)/ 下の線: 3年リザベーション前払いなし(定額)

3年リザベーション前払いなし(定額)

  • 営業時間のみ(8時間/日・稼働率33%): オンデマンドが最安。リザベーションはいずれも割高です。3年リザベーションでもオンデマンドの約1.65倍のコストになります。
  • 拡張営業時間(12時間/日・稼働率50%): オンデマンドがまだ安いですが、3年リザベーションとの差が縮まります。
  • ほぼ終日利用(18時間/日・稼働率75%): 3年リザベーションが最安(オンデマンド比 27%削減)。1年リザベーションはオンデマンドとほぼ同等です。
  • 24時間フル稼働(100%): 3年リザベーションが最安(オンデマンド比 45%削減)。1年リザベーションでも20〜24%の削減効果があります。

シミュレーション2: ベースライン + ピーク の組み合わせ戦略(推奨)

シミュレーション1から「すべてをリザベーションでまかなう」か「すべてをオンデマンドで使う」のどちらか一択ではなく、ベースラインの安定利用分をリザベーションで、ピーク時のスパイク分をオンデマンドで という組み合わせ戦略が最もコスト効率が良いことがわかります。

ワークロード例:

  • 常時稼働のベースライン: 32 RPU(24時間365日)
  • ピーク時(営業時間)の追加: +32 RPU(平日8時間)
戦略 年間コスト 削減額
すべてオンデマンド $105,120(ベース)+ $24,960(ピーク)= $130,080
すべて64RPUリザベーション(3年) $0.20625 × 64 × 24 × 365 = $115,632 $14,448(11%削減)
ベース32RPUのみリザベーション(3年)+ ピーク32RPUオンデマンド $57,816(リザベーション)+ $24,960(オンデマンド)= $82,776 $47,304(36%削減

利用上の注意

Serverless Reservations を利用する際の注意点です。

  • 一度購入したリザベーションは変更・削除ができません。追加のリザベーションを作成することでカバレッジを拡大できます
  • 予約した RPU を超える使用分は、Redshift Serverless のオンデマンド料金が適用されます
  • Amazon Redshift Serverless の無料クレジットは、Serverless Reservations には適用されず、オンデマンドで課金される RPU にのみ適用されます
  • リザベーションを複数購入した場合、RPU は累積されます(例:100 RPU × 2 = 合計200 RPU が割引対象)

最後に

Amazon Redshift Serverless に3年間の Serverless Reservations が導入されました。最大45%のコスト削減は、1年間のリザベーション(最大24%)と比較して大幅な改善です。

Redshift Serverless は「使った分だけ課金」というオンデマンドの柔軟性が魅力ですが、本番環境で継続的に利用しているワークロードに対しては、ベースラインの RPU 使用量をリザベーションでカバーし、ピーク時のスパイク分だけオンデマンドで処理するという組み合わせが、コスト最適化の観点で有効です。同じ支払者アカウント配下の複数の AWS アカウント間で共有可能であるという点も見逃せません。

3年間のコミットメントは長く感じるかもしれませんが、すでに Redshift Serverless でデータウェアハウスを安定運用されている方にとっては、コスト削減効果は非常に大きいと思います。まずは Cost Explorer や Redshift Serverless ダッシュボードで現在の RPU 使用量を分析し、リザベーションの適用を検討してみてはいかがでしょうか。

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https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-redshift-serverless-serverless-reservations/

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