
「Kiro Powers入門」というテーマでAWS re:Invent 2025 新機能やってみた報告会に登壇しました
「Kiro Powers入門」というテーマでAWS re:Invent 2025 新機能やってみた報告会に登壇しました。
イベント概要
AWS re:Invent 2025 新機能「やってみた」報告会 ~生成AI編~ というウェビナーで登壇しました。
登壇資料
発表内容
MCPは便利ですが、ツール接続だけでは解決できない課題があります。エージェントはツールの「正しい使い方」を知らないことや、知識を大量に読み込ませるとコンテキストが肥大化する問題です。
Kiro Powersはこれらの課題に対し、ベストプラクティス(知識)とMCPツール(道具)を1つにパッケージ化するアプローチで解決を図ります。
発表では以下の内容を扱いました。
MCPの課題
MCPでツール接続はできても、エージェントは「いつ・どう使うか」を知りません。例えばTerraform MCP Serverを繋いだだけでは、コード生成前にレジストリを確認せず、Providerバージョンもモデルの学習データのままです。
また、知識を与えようと情報を大量に読み込ませると、コンテキストが肥大化してエージェントが遅くなり混乱します。5つのMCPサーバー接続で50,000以上のトークンを消費するというデータもあります。
Kiro Powersの仕組み
Kiro Powersは3つの要素で構成されています。
- POWER.md: エージェントへの指示書(キーワード定義、ベストプラクティス、ワークフロー)
- mcp.json: MCPサーバーの接続情報(オプション)
- steering/: ワークフロー固有の詳細指示ファイル群(オプション)
会話中のキーワードに反応して必要なPowerだけを動的に読み込み、不要になったら自動で非アクティブ化します。これによりコンテキスト肥大化を回避しています。
Terraform Powerの検証
HashiCorp提供のTerraform Powerを使い、Power有効/無効で生成コードを比較しました。同じプロンプト「AWS VPCを作成するterraformコードを作って」で試しています。
Power無効の場合、エージェントはいきなりコード生成を開始しました。一方Power有効の場合は、まずTerraform Registryから最新のリソース情報を確認してからコード生成に移りました。POWER.mdのWorkflowとsteering/mcp-usage.mdの「コード生成前に必ずMCPサーバーに問い合わせる」という指示が効いています。
Providerバージョンにも差が出ました。Power無効では ~> 5.0 と古いバージョンでしたが、Power有効では ~> 6.36 とMCPサーバー経由で最新版を自動取得していました。
Steering / Agent Skills / Powersの違い
Kiroにはエージェントに知識を与える仕組みが3つあります。
Steeringは常時コンテキストに読み込まれる小規模ファイルです。Agent Skillsはagentskills.ioのオープン標準に基づき、エージェントが必要と判断したときだけドキュメントを読み込みます。Powersはベストプラクティスの知識とMCPツールをキーワード駆動で動的に起動・停止する仕組みです。Agent SkillsとPowersは似た課題を解決しますが、アプローチが異なる別の仕組みです。
Agent Skills + MCPを別々にセットアップすれば似たことはできますが、Powersはワンクリックでまとめて使えるのが利点です。
おわりに
Kiro Powersは正直なところ、Agent Skills + MCPの組み合わせでもカバーできる部分は多いです。ただ、Kiro IDEからワンクリックで有効化できる手軽さは良いと感じました。
登壇で紹介したTerraform Powerの詳細な検証結果は、以前書いた記事も参考にしてください。










