[レポート]Amazonは半導体を設計、製造してどのように活かしているのか #reinvent
こんにちは。ゲームソリューション部の出村です。
re:Invent 2022のブレイクアウトセッション「Accelerating semiconductor design, simulation and verification」に参加してきたので、その内容をご紹介します。
セッションの概要
Amazonはさまざまデバイスを開発しており、その内部で使われているCPUなどの半導体はAmazonが自社開発しています。このような半導体をなぜ開発するのか、どのように開発しているのかについて語られていました。またAWSを使って半導体設計を行うメリットについても説明がありました。
このエントリーでは、その中でも印象深かった説明について書いてみます。
Amazonは半導体製造会社でもある
Amazonはファブレス半導体製造会社でもあります。ファブレスというのは、自社で半導体製造の工場を持たない半導体メーカーを指します(Appleも同様にファブレス企業です)。
製造された半導体は、データセンター、アレクサなどさまざまなデバイスに搭載されています。
製造しているチップにはNitro、Graviton、Inferentinaがあります。これらのチップの詳細は以下のリンクにあります。
で、なぜAmazonが半導体設計、製造までやっているかというと、理由はこちらとなります。Amazonほど巨大な会社となると半導体製造した方が割に合うことが多いようですね。
Gravitonプロセッサはすごい
GravitonプロセッサはARMプロセッサをベースに開発されています。ARMプロセッサは、みなさんが持っているスマートフォンに搭載されているCPUとベースは同じモノです。世界でいちばん普及しているCPUとも言えます。
そんなGravitonプロセッサは、EC2のC6g、R6g、C6gn、X2gdインスタンスのCPUでもあります。
そんなGravitonプロセッサは、Graviton2、Graviton3と改良されるにつれてドンドン性能が向上しました。
EDA Tools(半導体製造で利用するソフトウェア)をIntelのCPUが搭載されているC6iインスタンスと、Gravitonプロセッサを採用しているC7gインスタンスで動作させた場合を比較すると、C7gインスタンスを使った方がよりコスパの良い結果となりました。
これらARMのプロセッサでも動作しているサービスはEC2の他にも多数あります。みんな大好きAWS Lambdaもそのうちのひとつとなります。今後も増えていくんでしょうね。
まとめ
Amazonの隠れた一面を見ているようで面白いセッションでした。今後はサービスのみならず、このような半導体といった視点からAWSをみていくのもよいかもしれません。