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内製化支援からたどり着いた2on1というアプローチ

2on1というクライアント側の2人とファシリテーター1人が組む3人体制で、クライアントの抱える課題やテーマを中心に、効果的かつ効率的に内製化を進めていくサービスについて説明しています。2on1の生まれてきた背景、効果、適用領域など2on1のイメージを掴んでもらうための内容になります。
2023.09.19

業務支援グループ内製化支援チームで内製化支援コーチをしているガオリュウです。内製化支援のサービスを立ち上げてから2年が経過し、私たちの実践のノウハウが蓄積されてきました。お客様の状況に応じて提供内容を変えて、サービスを展開してきました。「2on1」は、クライアント側の2名とクラスメソッド側のファシリテーター1名が組む3人体制で、クライアントの抱える課題やテーマを中心に、効果的かつ効率的に内製化を進めていくサービスです。ファシリテーターの専門的なスキルを活かし、2人のクライアントが最大のアウトプットを得られるようサポートするものです。新任マネージャーやリーダーの育成、業務の引き継ぎや、チームの方向性の決定、技術トランスファーなど内製化の枠を超えた部分でも効果を発揮してきてました。今回は「2on1」についてどうやって出来上がってきたかと、その概要的なメリットを説明していきます。今後のブログでは、シチュエーション、課題別の切り口や、2on1自体の具体的なメリットなど、いろんな角度の話をして皆さんのイメージが湧くようにお伝えしていこうと思います。

日々の業務の中での内製化

内製化支援は、多くの場面でチームに深く関わる特性を持ちます。それぞれのチームや組織、プロジェクトにおける内製化の内容は異なるものの、チーム自身が考え、選択し、自分たちで実践する「自分たちでハンドリングする」という姿勢は共通していました。自分たちでハンドリングできるように改善を実践する際、多くの組織が直面する課題は、日々の忙しい業務の中での取り組みの難しさです。新しい挑戦をする前に業務を最適化して、新しいことを行う余裕を作るというアプローチも可能ですが、日々の忙しい業務に対して最小限の影響で改善していくアプローチが無理のない継続性のあるやり方だと考えました。そもそも課題や問題があって我々に依頼があるので忙しくて大変な状態が基本状態ということが多いです。そこに対して週に1時間、または隔週1時間だけのコミットを求めるやり方を提供してきました。こちらからの事前準備の依頼などもなく、この1時間は集中してもらうというやり方です。

1時間の価値を高める

内製化はチーム全体に関わることなので、我々のアプローチとしてもチーム全員参加が望ましいとしていましたが、チーム全員の日程調整コストはかなり高く、リスケも多く発生しました。またチームの人数が多い場合、提供時間内の一人ひとりの発言の時間も短いものとなり、十分な情報のやり取りができないこともありました。ファシリテーションによって補える部分もありましたが、一回あたりの時間を伸ばすか、回数を増やすとすると、持続できなくなったり、調整コストがさらに高まり、日々の業務への影響が大きくなってしまいます。対応策として全員でなくても進められる仕組みにもしましたが、そもそもこの全員集めた場でどんな価値を提供していこうとしているのかを再度考えを煮詰めていった結果、質の良い、有意義に語り合うことの価値を再認識して2人だけのセッションも提供する流れになりました。具体的にはそのチームのキーマンとなる2名とファシリテーターを加えた「2on1」という形式で、マネージャーとリーダーや、リーダーとサブリーダーという組み合わせになります。

2on1にファシリテーターが介在する利点

2名で話し合うなら1on1を自分たちでやれば良いのでは?となりますが、2名の内どちらかが話しを進行するためのファシリテーションをしなければならないので、公平な対話にならないことも多いはずです。さらにチーム内で話し合える関係性、いわゆる心理的安全性の高い状態で話すのが良いという話もありますが、どうやれば心理的安全性の高い関係性になるのかは「場合による」要因が多くて、一般的な解はなく、当事者である二人だけで関係性を良くしていくことは大きな挑戦です。しかし、ファシリテーターという第三者が介在することで、心理的安全性のある関係性を構築しやすくなります。ファシリテーターが2人の間を繋ぐジェネレーターになって視野の拡大や意見の深掘りや納得感のある共有が可能になります。言いづらい状況に対して代弁を行ったり、具体的かつ建設的なフィードバックを受け取るプロセスをスムーズに進行することができます。そしてそもそもの話ですが、1on1はチームメンバー個人の課題や成長を重視した方法として使われており、チーム事を扱う場として設定されていないことが多いです。チームの話なら全員の会議で行えばよいとなりますし、メンバーがいる場所で話しづらい場合は「ちょっと時間もらっていいか…」的な非公式で短い時間で一方的な内容の場合が多くなり、チーム事を扱う定期的な2人の時間というのはほぼないのではないでしょうか。

内製化の2on1はコーチングとファシリテーションの融合

自分たちで変わっていきたい方向に気づいて進んでいくという自走型のやり方には、コーチングやファシリテーションといったアプローチが向いています。コーチングは「答えはクライアントの中にある」という考え方を基本にもっているので、自分たちで考えるという考え方に合っています。質問を基本としているので、クライアントの2名は質問に対して「答えるために考え」て「伝えるために言語化する」ということを行います。そしてコーチングではなく2on1なので、その言語化したものを「相手が受け取る」という部分もあり、理解できたかどうか?、その発言に対してのリアクションはどうか?などはファシリテーションが活きます。ファシリテーションも思考の流れが切れないように意識したり、自分たちで考える部分を奪わないようにしています。例えば議題の合意方法についても2名で決めてもらったりします。そうすることで、いずれは二人だけで話し合えるようになります。ファシリテーションは実感できると再現は可能で、自分たちなりの話し合いの仕方が分かっていく感じです。内容によってはファシリテーターによる整理やプロセスの短縮化なんかもしますが、内製化支援の考え方は自分たちでできるようになるというものなので、やりすぎないようにしています。持続可能というのはそのあたりにも表れています。

2on1の流用

この当事者2名とファシリテーターという形はシンプルで、2名の間の情報伝達の質があがり、時間を効果的に使いたい時に有効です。つまり忙しくて、相手が何をしているか、何を考えているかがわからなくて、ちょっとした相談が溜まって物事の進みが鈍化してしまうというような場合に有効です。何より「心理的安全性の高い関係性になる」つまり話し合える関係になるので、プロジェクトやチーム課題への対応がやりやすくなります。最初はマネージャーとリーダーへの提供としていましたが、新任マネージャーと先輩マネージャーの2名や、プロダクトオーナーと開発チームのマネージャーの2名、プロジェクトの引き継ぎ元と引き継ぎ先の2名といった組み合わせへも提供させてもらいました。内製化という文脈以外でも、育成や引き継ぎ、チームビルディングとしても効果がありそうだと感じています。各シチュエーションについては今後のブログで書いていきますのでお楽しみに。

2on1のお試しをしてみませんか?

ここまで2on1について書いてみましたが、いかがだったでしょうか?まだシチュエーション別の話は書けていないので、具体的なイメージが湧きづらいかもしれませんが、今抱えている課題に使えそうかもしれないと思った方はお気軽にご相談ください。少し言葉だけでは伝わりにくいところもありますので、打ち合わせの中に体感できるデモも入れさせていただきます。相談したい、またはご興味を持たれた方がいらしたら、以下のサービスページをご覧ください。

>>> クラスメソッド:内製化支援