ITSM プラットフォームを選定しよう #サービスマネジメント

システムオペレーションからサービスマネジメントへ。実例を織り交ぜながらサブスク / DX 時代に求められる「Ops」のあり方について考えます。
2023.03.14

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prismatix事業部 の菊地です。

みなさま、日々の運用、お疲れさまです。

前回は「サービスマネジメント」の実現に向けて、「サービスマネジメントシステム」を構築する上で必要となる、「サービスカタログ」を作成する方法についてご紹介しました。

サービスカタログを作成しよう #サービスマネジメント

今回は「サービスマネジメント」を容易に実現をするため、「ベストプラクティス」に基づく優れたプロダクトの活用についてご紹介したいと思います。

ITSM プラットフォームを選定しよう

「サービスマネジメント」を実現するためには「ベストプラクティス」を活用する必要がありますが、それを1から学習した上で具体化するといったアプローチでは、非常に多くの時間と労力を要してしまうため、現代においてそのような選択肢はあまり採用されていません。

一方で現在「ベストプラクティス」に基づく優れたプロダクトが各社から提供され、それらの多くは「ITSM プラットフォーム」として All in One パッケージでシングルプラットフォームとして提供されています。

ITIL では複数のプラクティスを関連させながら IT サービスのライフサイクル全体を管理しますが、シングルプラットフォームでそれらを一元的に管理することで、チームの生産性を飛躍的に向上させることが可能となり、結果として「サービスの品質向上」ならびに「お客さまの満足度向上」に大きく貢献します。

そういった意味あいにおいても、現代においては「ITSM プラットフォーム」の採用は無くてはならないものと考えています。

上記を踏まえまして、次に具体的な「ITSM プラットフォーム」について、いくつか見ていきたいと思います。

ITSM プラットフォームのご紹介

ServiceNow

ServiceNow(サービスナウ) は 2003 年にアメリカで設立された、企業向けにサービスマネジメント関連のソフトウェアを提供するメーカーです。

同社の製品は国内外を問わず多くの企業に導入されており、同社の製品はガートナー「マジック・クアドラント」において9年連続で「リーダー」に選出されています。

【参考情報】ガートナー「マジック・クアドラント」 https://www.gartner.co.jp/ja/research/methodologies/magic-quadrants-research

また 2013 年には日本法人も設立され、例えば国内大手通信キャリアにおいて運用代行サービス (Managed Service) のプラットフォームとして採用された実績があり、比較的大規模かつ複雑なサービスにも対応していると言えそうです。

さらに ServiceNow のプロダクトは IT サービスに限らず、例えば人事から法務に至るまで、ESM (Enterprise Service Management) として企業内の各種業務に関する DX (Digital Transformation) を推し進めるための統合ソリューションとして適用範囲を拡大しています。

しかしその一方で ServiceNow は統合ソリューションであるためにライセンス費は高めとなっており、またプラットフォームの導入に必要となる期間や学習コストも高めとなる傾向があるようです。

ServiceNow ITSM 紹介ページ
https://www.servicenow.com/jp/products/itsm.html

Atlassian Jira Service Management

Atlassian(アトラシアン)は 2002 年にオーストラリアで設立された、企業向けに各種ソフトウエアを提供するメーカーです。アジャイル開発を支援する Jira(ジラ)やナレッジ管理をする Confluence(コンフルエンス)などが有名です。

その Jira を「ITSM プラットフォーム」として進化させたのが Jira Service Management (JSM) です。JSM にはオンプレ版とクラウド版の両方が存在します。

同社の JSM も 2022 年のガートナー「マジック・クアドラント」で「リーダー」に選出されましたが、後発であることもあってか ServiceNow と比較するとそれに次ぐポジションとして位置付けられています。

ただし ServiceNow とは異なり、Atlassian は JSM をはじめとする複数の製品を組み合わせて「ITSM プラットフォーム」を構築する形式をとっているため、必要な機能だけを導入するといったミニマムスタートが可能であり、その効果もあってライセンス費を安く抑えることが可能です。さらに JSM は比較的容易にプラットホームの導入を図れる傾向があるようです。

Atlassian Jira Service Management 紹介ページ
https://www.atlassian.com/ja/software/jira/service-management

Zendesk

ITSM プラットフォームではありませんが、有名なプロダクトということで、あえてご紹介させていただきます。

Zendesk は 2007 年にデンマークで設立され、現在はアメリカに本社を置く、企業向けにカスタマーサービス関連のソフトウェアを提供するメーカーです。

Zendesk は非常に優れたカスタマーサービス用のプラットフォームであり、またナレッジベース (FAQ) などの機能を備えており、国内外を問わず多くの企業に導入されています。

一方で「ITSM プラットフォーム」としての機能を全て持ち合わせていないため、例えばワークフローによる社内承認を必要とする「変更管理」プラクティスや、既知エラーデータベースを用いた「問題管理」プラクティス、構成管理データベースを用いた「構成管理」プラクティスを実現したいといった場合には、Zendesk だけではどうしても機能上の限界が見えてきてしまいます (個人的に Zendesk は用途次第ではとても大好きなプロダクトなのですが。。。)

Zendesk 紹介ページ
https://www.zendesk.co.jp/

弊社が採用した ITSM プラットフォーム

他にも数多くの「ITSM プラットフォーム」が提供されておりますが、今回は比較的メジャーなプロダクト+αについてご紹介しました。

その中で、弊社では自社サービス 「prismatix」 における「ITSM プラットフォーム」として、様々な観点から総合的に検討を行った結果、

Atlassian Jira Service Management

を「ITSM プラットフォーム」として選定いたしました!

選定の理由

「ITSM プラットフォーム」として Atlassian Jira Service Management (JSM) を選定した理由としては、下記の5点が挙げられます。

  • サービスライフサイクル全般を管理出来ること
  • リーズナブルなライセンス費で利用出来ること
  • 短期間にプラットフォームが構築出来ること
  • アプリの追加導入により拡張性が高いこと
  • 同社製品の導入実績や外部評価が高いこと

弊社の場合には上記のような理由により JSM を選定しましたが、みなさまの置かれた環境によっては、異なる選定結果となることが十分に予想されます。

よってあくまでも一例として参考にしていただきつつ、みなさまの置かれた環境ではどの「ITSM プラットフォーム」が最適であるか、追加で情報収集なども行っていただきながら、それぞれご検討いただけるとよろしいかと思います。

次回の予告

このブログでは、実例を織り交ぜながらサブスク / DX 時代に求められる「Ops」のあり方について、複数回にわたって考えていきたいと思います。

今回は「サービスマネジメント」を容易に実現をするため、「ベストプラクティス」に基づく優れたプロダクトの活用についてご紹介しました。

次回は「サービスマネジメントシステム」を構築する方法について、より具体的に見ていきたいと思います。

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