
プロジェクト成功率を3倍に引き上げるテク30 ~4th
どうも、たてやんです。
プロジェクト成功率3倍テクシリーズ、第4弾です。
前回はコミュニケーション設計(後編)として、「タスクの明確化」と「報告ルール」の2つの鉄則をお伝えしました。
仕組みを整えても、実行する「人」の心が動かなければ、プロジェクトはガス欠を起こします。
今回は、メンバーが「やりたい!」と自走するための仕掛け、「モチベーション設計」の4つの鉄則をお伝えします。
ではどうぞ。
鉄則10: インセンティブを設計する
なぜ必要か:「頑張っても報われない」と感じると、人は動かなくなるから。
「どうせやっても評価されないし…」という雰囲気は、プロジェクトの停滞に直結します。
悪い例:
「今月も目標達成よろしく!」
「(…達成しても、別に何も変わらないんだよな)」
「Aさん、すごいね!以上!」
→ 頑張る意欲が湧きません。
良い例:
メンバーの「承認欲求」や「達成感」を満たす仕掛けを作りましょう。
「月間MVPには、豪華ランチ券を贈呈!」
「目標達成チームには、特別報奨金を支給」
「全社朝礼で、Aさんの貢献を表彰する」
→ 「金銭」だけでなく、「表彰」「休暇」「学びの機会(研修参加権)」など、
メンバーが本当に喜ぶものを見極めるのがポイントです。
ちなみに私が実践してた時は「好きなだけ肉券」で買収してました
チェックリスト
- □ 努力や成果が報われる仕組みがあるか?
- □ インセンティブの内容はメンバーにとって魅力的か?
- □ 評価基準は公平で、全員に公開されているか?
鉄則11: ランキングを作成・共有する
なぜ必要か:「健全な競争意識」と「一体感」が、全体のパフォーマンスを引き上げるから。
自分がチームの中でどの位置にいるか、チーム全体が目標に対してどこにいるか分からないと不安になります。
悪い例:
「みんな、各自の持ち場で頑張って」
(…隣の人がどれだけやってるか、全然知らない)
(チームが勝ってるのか負けてるのか、分からない)
→ 孤独な戦いになり、士気が下がります。
良い例:
ゲーム感覚で楽しめる「ランキング」や「進捗グラフ」を共有しましょう。
【営業チームの進捗ボード】
場所: Slackの「#proj-progress」チャンネルに毎日18時更新
内容:
- チーム達成率: 85%(目標まであと15%!)
- 今週の獲得件数ランキング:
- 1位: 佐藤さん (10件) 🔥
- 2位: 鈴木チーム (8件)
- ナイスプレー共有:
- 田中さんがXXの大型契約を獲得!
→ 「競わせる」のが目的ではなく、「お互いに刺激し合う」「チーム全体で盛り上がる」のが目的です。
チェックリスト
- □ チームの成果や個人の貢献を可視化する仕組みがあるか?
- □ リアルタイムで(あるいは定期的に)共有されているか?
- □ 個人だけでなく、チーム単位での競争や称賛もあるか?
鉄則12: TOPメッセージを発信する
なぜ必要か:「プロジェクトの大義」を忘れると、日々の作業に忙殺されるから。
リーダーの「熱」は伝染します。逆に、リーダーの無関心も伝染します。
悪い例:
プロジェクト開始時以降、経営層やリーダーからの発信が一切ない。
「(上司は、このプロジェクトのこと覚えてるのかな…)」
→ メンバーは「自分たちは放置されている」「重要じゃない仕事をさせられている」と感じてしまいます。
良い例:
リーダーが「自分の言葉」で、プロジェクトの重要性やメンバーへの感謝を定期的に伝えましょう。
月初の全体朝礼で、「このプロジェクトが会社の未来にとってどれだけ重要か」を熱く語る。
週報メールの冒頭で、「今週のAさんの〇〇な動きは、まさにお客様のためになる素晴らしい行動だった」と具体的に称賛する。
→ たった一言でも、「社長が見てくれている」「部長が期待してくれている」と感じるだけで、メンバーの動きは変わります。
チェックリスト
- □ リーダーは定期的にビジョンや重要性を発信しているか?
- □ メンバーの頑張りや成果を、公の場で称賛しているか?
- □ メッセージは具体的で、心に響くものか?
鉄則13: 成功事例を可視化する
なぜ必要か:「何をすれば成功か」の具体的なイメージが、次の行動を生むから。
優秀な個人のノウハウが、その人だけの「暗黙知」になっていては、組織は強くなりません。
悪い例:
「Aさんはいつもすごいな。どうやってるんだろう?」
(Aさんが忙しそうで、聞くに聞けない…)
(Aさんが異動したら、途端に業績が落ちた)
→ 属人化が進み、組織全体のレベルが上がりません。
良い例:
「小さな成功」や「うまいやり方」を即座に収集し、全員の「共有財産」にしましょう。
「Aさんの神対応メールテンプレ」
「Bチームの業務効率化テクニック集」
「今週のベストプラクティス」
これらをWikiやTeams、Slackの専用チャンネルに蓄積し、誰でも見られるようにします。
→ 「なぜ成功したのか」というプロセスや「再現可能なコツ」もセットで共有することで、
「Aさんだからできた」が「自分にもできるかも」に変わります。
チェックリスト
- □ 成功事例(小さな成功でもOK)を収集する仕組みがあるか?
- □ 収集した事例を全員が簡単に閲覧・検索できる状態か?
- □ 成功事例を共有してくれた人を称賛する文化があるか?
まとめ
今回のポイント
- インセンティブで「報われる」仕組みを作る。
- ランキングで「健全な競争」と「一体感」を生む。
- TOPメッセージで「大義」と「熱量」を共有する。
- 成功事例の共有で「次の成功」を育てる。
今日からできること
- □ チームメンバーが今一番喜ぶ「小さなインセンティブ」を考えてみる(例:スタバカード、半休、ランチ会など)
- □ 今週一番の「グッドプレー」や「成功事例」を一つ見つけ、Slackやメールで全員に共有してみる
「仕組み」はプロジェクトの「骨格」ですが、「モチベーション」は「血液」です。
血液が滞りなく流れ続けてこそ、チームは生き生きと活動できます。
人を「管理」するのではなく、__人の「意欲」をデザイン__しましょう。
◆次回予告
第5回: ツール・マテリアル編(前編)
いよいよ具体的な「武器」の話です。戦場(プロジェクト)に出るのに丸腰では勝てません。
メンバーの戦闘力を最大化する活動資料やツールの整備法について解説します。
◆連載スケジュール(再掲)
- 第1回: 運用の4か条 ✓
- 第2回: コミュニケーション設計(前編) ✓
- 第3回: コミュニケーション設計(後編) ✓
- 第4回: モチベーション設計 ← 今回
- 第5回: ツール・マテリアル編(前編)
- 第6回: ツール・マテリアル編(後編)
- 第7回: 実働段階+総括






