ACMのEメール検証証明書をARNを変えずにDNS検証へ切り替えてみた

ACMのEメール検証証明書をARNを変えずにDNS検証へ切り替えてみた

AWS Certificate Manager(ACM)では、既存のパブリック証明書のドメイン検証方法をEメール検証からDNS検証へ変更できるようになりました。再発行は不要で、ARNも変わりません。Eメール検証は2027年に段階的に終了します。本記事ではマネジメントコンソールから切り替え、ARNや有効期限が維持されることを確認しました。
2026.08.14

はじめに

2026年8月13日、AWS Certificate Manager(ACM)で既存のパブリック証明書のドメイン検証方法を、EメールからDNSへ変更できるようになりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2026/08/AWS-Certificate-Manager-Email-DNS-Switch/

これまでEメール検証で発行した証明書をDNS検証へ移すには、証明書を新規発行して差し替えるしかありませんでした。この方法ではARNが変わるため、参照箇所の設定変更も必要でした。今回のアップデートでは、証明書を残したまま検証方法だけを切り替えられます。

あわせて、AWS Security Blog ではEメール検証の終了スケジュールも案内されています。

期限 内容
2027-01-01 新規AWSリージョンでのEメール検証の提供を終了
2027-03-31 Eメール検証証明書の新規発行を停止
2027-09-30 Eメール検証証明書の更新を停止
2028-03-15 CA/B フォーラムが定めるパブリック証明書の Eメール検証廃止の期限

Eメール検証で発行済みの証明書をマネジメントコンソールからDNS検証へ切り替え、ARNや有効期限が維持されるかを確認しました。あわせてCloudTrailでどのAPIが呼ばれているかも確認しました。

検証内容

切替はコンソールから実行し、結果は describe-certificate・CloudTrail・dig で確認しました。

コンソールから検証方法を切り替える

切替操作の前に、証明書のリクエスト画面でEメール検証が「非推奨済み」と表示されることを確認しました。

証明書リクエスト画面

発行済み証明書の詳細画面で「検証方法を更新」をクリックしました。

証明書詳細画面

確認モーダルが表示されたので、更新を実行しました。

検証方法を更新モーダル

切替前後の証明書を比較する

「切替前」列は、操作前に取得した describe-certificate の実測値です。

フィールド 切替前 切替後
CertificateArn arn:aws:acm:us-east-1:111122223333:certificate/12345678-1234-1234-1234-123456789012 同一
Serial 01:23:45:67:89:ab:cd:ef:01:23:45:67:89:ab:cd:ef 同一
CreatedAt 2026-08-14T10:08:19+09:00 同一
IssuedAt 2026-08-14T10:09:21+09:00 同一
NotBefore / NotAfter 2026-08-14T09:00:00+09:00 / 2027-02-28T08:59:59+09:00 同一
Status ISSUED 同一
DomainValidationOptions[].ValidationMethod EMAIL DNS
ValidationEmails 5 アドレス フィールドなし
ValidationStatus SUCCESS SUCCESS

変わったのは検証方法に関わるフィールドだけで、CertificateArn は切替前と同一でした。

切替後の describe-certificate には、更新処理の結果を示す UpdateSummary が追加されていました。

{
  "UpdateSummary": {
    "Status": "SUCCESS",
    "Type": "DOMAIN_VALIDATION_METHOD",
    "DomainValidationMethodUpdateSummary": {
      "From": "EMAIL",
      "To": "DNS"
    },
    "RequestedAt": "2026-08-14T10:18:25.640+09:00",
    "UpdatedAt": "2026-08-14T10:18:38.680+09:00"
  }
}

RequestedAt から UpdatedAt までは13秒でした。

CloudTrail で API を確認する

コンソールの更新操作は、公開 API の UpdateCertificateOptions として記録されていました。requestParameters には証明書の ARN と options が含まれていました。

{
  "certificateArn": "arn:aws:acm:us-east-1:111122223333:certificate/12345678-1234-1234-1234-123456789012",
  "options": {
    "validationMethod": "DNS"
  }
}

イベントの sessionCredentialFromConsoletrueresponseElementsnull でした。

https://docs.aws.amazon.com/acm/latest/APIReference/API_UpdateCertificateOptions.html

DNS 検証用レコードの扱いを確認する

対象証明書では過去の運用で検証用 CNAME レコードが残っていたため、切替直後から ValidationStatusSUCCESS でした。切替後に ACM が提示した検証用の ResourceRecord は次のとおりでした。

{
  "ResourceRecord": {
    "Name": "_1234567890abcdef1234567890abcdef.example.com.",
    "Type": "CNAME",
    "Value": "_abcdef1234567890abcdef1234567890.abcdefghij.acm-validations.aws."
  }
}

提示された Namedig で引きました。

$ dig _1234567890abcdef1234567890abcdef.example.com CNAME +short
_abcdef1234567890abcdef1234567890.abcdefghij.acm-validations.aws.

ResourceRecordValue と一致しました。

AWS Security Blog によると、切替後に提示された CNAME レコードの追加には 72 時間の猶予があり、その間は証明書がEメール検証のまま通常どおり機能します。72 時間を過ぎた場合もEメール検証のまま有効で、あとからレコードを追加して再試行できます。

まとめ

Eメール検証証明書は 2027-09-30 に更新も停止するため、それまでに切り替えておく必要があります。今回のアップデートにより、ARN を維持したまま DNS 検証へ移行できます。余裕を持って移行を計画することをおすすめします。

参考リンク

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