ACMのEメール検証証明書をARNを変えずにDNS検証へ切り替えてみた
はじめに
2026年8月13日、AWS Certificate Manager(ACM)で既存のパブリック証明書のドメイン検証方法を、EメールからDNSへ変更できるようになりました。
これまでEメール検証で発行した証明書をDNS検証へ移すには、証明書を新規発行して差し替えるしかありませんでした。この方法ではARNが変わるため、参照箇所の設定変更も必要でした。今回のアップデートでは、証明書を残したまま検証方法だけを切り替えられます。
あわせて、AWS Security Blog ではEメール検証の終了スケジュールも案内されています。
| 期限 | 内容 |
|---|---|
| 2027-01-01 | 新規AWSリージョンでのEメール検証の提供を終了 |
| 2027-03-31 | Eメール検証証明書の新規発行を停止 |
| 2027-09-30 | Eメール検証証明書の更新を停止 |
| 2028-03-15 | CA/B フォーラムが定めるパブリック証明書の Eメール検証廃止の期限 |
Eメール検証で発行済みの証明書をマネジメントコンソールからDNS検証へ切り替え、ARNや有効期限が維持されるかを確認しました。あわせてCloudTrailでどのAPIが呼ばれているかも確認しました。
検証内容
切替はコンソールから実行し、結果は describe-certificate・CloudTrail・dig で確認しました。
コンソールから検証方法を切り替える
切替操作の前に、証明書のリクエスト画面でEメール検証が「非推奨済み」と表示されることを確認しました。

発行済み証明書の詳細画面で「検証方法を更新」をクリックしました。

確認モーダルが表示されたので、更新を実行しました。

切替前後の証明書を比較する
「切替前」列は、操作前に取得した describe-certificate の実測値です。
| フィールド | 切替前 | 切替後 |
|---|---|---|
CertificateArn |
arn:aws:acm:us-east-1:111122223333:certificate/12345678-1234-1234-1234-123456789012 |
同一 |
Serial |
01:23:45:67:89:ab:cd:ef:01:23:45:67:89:ab:cd:ef |
同一 |
CreatedAt |
2026-08-14T10:08:19+09:00 |
同一 |
IssuedAt |
2026-08-14T10:09:21+09:00 |
同一 |
NotBefore / NotAfter |
2026-08-14T09:00:00+09:00 / 2027-02-28T08:59:59+09:00 |
同一 |
Status |
ISSUED |
同一 |
DomainValidationOptions[].ValidationMethod |
EMAIL |
DNS |
ValidationEmails |
5 アドレス | フィールドなし |
ValidationStatus |
SUCCESS |
SUCCESS |
変わったのは検証方法に関わるフィールドだけで、CertificateArn は切替前と同一でした。
切替後の describe-certificate には、更新処理の結果を示す UpdateSummary が追加されていました。
{
"UpdateSummary": {
"Status": "SUCCESS",
"Type": "DOMAIN_VALIDATION_METHOD",
"DomainValidationMethodUpdateSummary": {
"From": "EMAIL",
"To": "DNS"
},
"RequestedAt": "2026-08-14T10:18:25.640+09:00",
"UpdatedAt": "2026-08-14T10:18:38.680+09:00"
}
}
RequestedAt から UpdatedAt までは13秒でした。
CloudTrail で API を確認する
コンソールの更新操作は、公開 API の UpdateCertificateOptions として記録されていました。requestParameters には証明書の ARN と options が含まれていました。
{
"certificateArn": "arn:aws:acm:us-east-1:111122223333:certificate/12345678-1234-1234-1234-123456789012",
"options": {
"validationMethod": "DNS"
}
}
イベントの sessionCredentialFromConsole は true、responseElements は null でした。
DNS 検証用レコードの扱いを確認する
対象証明書では過去の運用で検証用 CNAME レコードが残っていたため、切替直後から ValidationStatus は SUCCESS でした。切替後に ACM が提示した検証用の ResourceRecord は次のとおりでした。
{
"ResourceRecord": {
"Name": "_1234567890abcdef1234567890abcdef.example.com.",
"Type": "CNAME",
"Value": "_abcdef1234567890abcdef1234567890.abcdefghij.acm-validations.aws."
}
}
提示された Name を dig で引きました。
$ dig _1234567890abcdef1234567890abcdef.example.com CNAME +short
_abcdef1234567890abcdef1234567890.abcdefghij.acm-validations.aws.
ResourceRecord の Value と一致しました。
AWS Security Blog によると、切替後に提示された CNAME レコードの追加には 72 時間の猶予があり、その間は証明書がEメール検証のまま通常どおり機能します。72 時間を過ぎた場合もEメール検証のまま有効で、あとからレコードを追加して再試行できます。
まとめ
Eメール検証証明書は 2027-09-30 に更新も停止するため、それまでに切り替えておく必要があります。今回のアップデートにより、ARN を維持したまま DNS 検証へ移行できます。余裕を持って移行を計画することをおすすめします。









