ちょっと話題の記事

Agile Vietnam Conference 2019に参加してきた

2019.12.11

この記事は公開されてから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

はじめに

シンチャオ! CX事業本部グローバルチーム担当兼アジャイルコーチの藤村です。

2019年12月8日にベトナムのハノイで開催されたAgile Vietnam Conference 2019 Hanoiに参加してきました。このAgile Vietnam Conferenceは、12月7日にホーチミンで開催、翌8日にハノイで開催と、1,100キロ以上離れた都市をまたいで連日開催される、なかなかチャレンジングなカンファレンスです。

私個人としては、 Regional Scrum Gathering Vietnam 2015 以来4年ぶりの、ベトナムでのカンファレンス参加となりました。

会場

場所はベトナム国家大学ハノイ校。日本での東大のような位置づけの、ベトナム最高学術機関です。

会場の建物もおしゃれ。

校内には多数のカフェがあり、とても良い雰囲気の学校でした。

スピーカーの皆さん

なお、日本からのスピーカーの皆さんは当日の朝のホーチミンからの移動だったため、お昼前に到着されてました。

印象に残ったセッション

Key Note: The Edge of Agility - Shane Hastie

Shane Hastie 氏によるキーノートは、タイトル通りAgilityの最先端についてBusiness AGILITYをキーワードとしてお話しされてました。

Joy, Inc.で有名なメンローイノベーションズのお話し。良い仕事するためにはJOYが必要!

みんな大好きな Spotify Model ですが、「Your Company is not Spotify」という厳しいお言葉が…。その後のティータイムでShane氏に、「最初の一歩として真似しやすいSpotify Modelを模倣してはダメなのか?」と質問したところ、「最初の数カ月(12ヶ月?)真似するのは問題ない。その後リフレクションして、状況に合わせて適用していくことが重要だ」と言ってもらい、納得感が増しました。模倣からはじめよ!

Negative Mindset Transformation - Dao Lam Giang

続いてはGiangさんによる、ネガティブ思考に陥らないための方法。

A-B-C Model("Actual Event"[実際の出来事] - "Beliefs"[真実だと思う考え] - "Consequence"[結果])の考えを中心に、実際の出来事は見方によって色々な誤解を生むから、「Don't judge too quickly.(早急に判断するな)」ということを、面白い動画を使って楽しく話してくれました。

The 4 Pillars of Agile Leadership - Marco Passuello & Chris Kruppa

はじめにアジャイルリーダーシップの4本柱について説明があり、その後参加者同士でディスカッションしていくスタイルのセッションでした。

The 4 Pillars of Agile Leadership

ワークショップの課題はこちらで、近くに座っていたベトナム人の方々とグループを作ってディスカッションした結果、我々のソリューションは「Manager/CEOのレイオフ」でした…。

Key Note: Agile Transformation - Pham Anh Doi

午後の1つ目のセッションは、Doiさんによる今日2つ目のキーノート。セッションが始まるまでの間は、守破離の"守"のメタファーとして、「ベスト・キッド」の修行シーンが流れており、守破離もベスト・キッドも好きな私としてはアゲアゲな気持ちになりました!

Agile is popular now in Vietnam! ベトナムでのアジャイルの普及に何年も注力してきたDoiさんにとって、感慨深い気持ちなのではと思います。

ここでも"Business Agility"について取り上げてました。私自身、このキーワードについて追えていなかったので、今後ウォッチしていきたいと思います。

アジャイルのコピペはうまくいかないよって話からの守破離の話。個人的にはコピペと"守"の違いについてDoiさんとお話したかった。Doiさんは日本のカンファレンスにも参加されてたりするので、次お会いした時にぜひ聞いてみたいと思います。

Fun! Done! Learn! - Masashi Arino, Yasui Tsutomu, Jean-Baptiste Vasseur

続いては、日本生まれのポジティブレトロスペクティブ手法であるFun! Done! Learn!のセッション。

Fun! Done! Learn!については、弊社のベトナムとのプロジェクトでも以前に実施してました。詳しくはこちらの記事を参照ください。

ベトナムでFun/Done/Learnをやってみた

簡単な説明があった後はベトナム人6〜7人と一緒にチームを作り、早速Fun! Done! Learn!ワークショップ。異文化交流はとても楽しい!我々のチームのアウトプットは、上の写真のような結果になりました。

Demystifying Estimates

最後のセッションは、見積もりについて。絶対見積もりと比較した相対見積もりのメリットについてや、相対見積もりの結果からリリースプランニングする方法、また最後にはそもそも見積もり自体を行わない noestimates についての紹介がありました。

スコープ固定のリリースプランニング

期日固定のリリースプランニング

セッション終了後、スピーカーの方に、「フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアとでストーリーポイントの見積もり基準が異なる(どうしてもフィーチャーの画面数やAPI数で考えてしまう)ようなケースでは、どのようにアドバイスするか?」と質問してみたところ、「フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアを合わせて一つのエンジニアにしろ」との回答を頂きました。ですよね…。

カンファレンス後

カンファレンス後の夜は、 Fun! Done! Learn!登壇チーム(Masashi Arino, Yasui Tsutomu, Jean-Baptiste Vasseur) 、Introduction to TDDyyx登壇チーム(Miho Nagase, Yosuke Ota)やアトラクタ社のスカラシップ参加者の方々と合流し、ハノイ大教会やホアンキエム湖などのハノイ旧市街を散策。

最後は永瀬さんオススメのBun Cha屋さんで締めました。

今回のAgile Vietnam Conference 2019には、ホーチミン、ハノイ合わせて数十人の日本人が参加していたそうです。これも、長年ベトナムと日本のアジャイルコミュニティの架け橋として尽力されてきた永瀬さんや、アトラクタ社の皆様の努力の賜物でしょう。今後は私も微力ながら、ベトナムのアジャイルコミュニティに貢献していきたいと考えています。

さいごに

今回のカンファレンスはスピーカーと参加者の距離が非常に近く、稚拙な英語でも勇気出してスピーカーに話しかけると快く会話に応じてくれたのがとても嬉しかったです。

また、「The 4 Pillars of Agile Leadership」や「Fun! Done! Learn!」のセッションでは、ベトナム人参加者の方々とグループを作ってディスカッションしたのですが、多くの人達は英語使った多国籍なディスカッションに全く抵抗感が無く、シンプルな英語でとても楽しくグループディスカッションできました。これが海外のカンファレンスに参加する醍醐味だなと思います。ありがとう、レアジョブ!

日頃ベトナムのエンジニアと弊社のエンジニアとで当たり前にアジャイル開発を実践してきているので、ベトナムでもアジャイル開発の導入は進んできている肌感覚はありましたが、その熱量は想像以上に高いと感じました。今後はより「ベトナムのエンジニアとのチーム開発を拡大していきたい!」「その中でアジャイルなマインドセットを積極的に導入していきたい!」と考えていた私にとって、このタイミングで改めてベトナムのアジャイルカンファレンスに参加できたのはとても良かったです。

目指している方向は間違っていないことを再確認できたので、アクセルベタ踏みでクラスメソッド×ベトナム×アジャイルの方向に突き進んでいきたいと思います!