ベトナムでFun/Done/Learnをやってみた
はじめに
こんにちは、DevOps導入支援担当の藤村です。
DevOps支援室ではベトナムのソフトウェア開発企業との協働プロジェクトにおけるアジャイル開発支援も実施しています。今回そのプロジェクトの一つが一段落したこともあり、ベトナムでFun/Done/Learnを使ったふりかえりを実施してきたので、その内容をご紹介したいと思います。
Fun/Done/Learnとは
Fun/Done/Learnとは、KPT(Keep, Problem, Try)やYWT(やったこと、わかったこと、次にやること)などと同じ、ふりかえりの手法の一つです。ホワイトボードや模造紙の上にFun、Done、Learnの領域を示す円を3つ、それぞれが交わるように描き、対象のプロジェクトで起きた事実、イベントなどを付箋紙に書き出して、該当する領域に貼り出していくような流れで進めていきます。
Fun/Done/Learnが生まれた経緯やオリジナルの進め方については、やっとむさんの記事(ファン・ダン・ラーン(FDL)ふりかえりボード)をご覧ください。
やったこと
準備したもの
- 皆が集まれる時間(1時間)
- 会議室
- 模造紙
- 付箋紙
- 水性ペン(黒、赤)
当日の流れ
- Fun/Done/Learnの説明
- Fun/Done/Learnの図を模造紙に描く
- プロジェクトで起きた事実、イベントなどを付箋紙に書き出す
- 付箋紙をFun/Done/Learnの図に貼る
- 結果を見ながら皆で議論
それでは順に説明していきます。
Fun/Done/Learnの図を模造紙に描く
以下のような図を模造紙に描いてみました。実際にやってみると分かりますが、きれいにバランス良く描くのは何気に難しいです。
プロジェクトで起きた事実、イベントなどを付箋紙に書き出す
次に、各メンバーごとにプロジェクトで起きた事実、イベントなどを付箋紙に書き出してもらいました。時間は15分、この時周りのメンバーと会話などはせず、個々が黙って書くことが重要です。
なお、このプロジェクトでのコミュニケーションは基本的には英語で行なっており、プロジェクトで起きた事実、イベントのことをFact, Eventという単語で説明しましたが、もっと適切な言い回しがあれば教えてもらえるとありがたいです。
付箋紙をFun/Done/Learnの図に貼る
前のステップで付箋紙に書き出したことを、そのまま書いた本人が図上の当てはまる領域に付箋を貼るのではなく、書いた本人以外が貼ることがFun/Done/Learnの肝だと個人的に考えています。
今回は模造紙の前に半円状に集まり、一人が一枚の付箋紙に書いた事実、イベントを読み上げ、その付箋紙を左の人に渡し、受け取った人が図上の当てはまる領域に貼る。次は貼った人が自分の付箋紙を読み上げ、さらに左隣の人に渡し、また受け取った人が貼るという流れで進めてみました。
読み上げて、
左の人に渡す!
受け取った人が貼る! ※写真撮り忘れた…
これを全員の付箋紙が無くなるまで続けます。
結果を見ながら皆で議論
全体のバランスを見て、やっぱり領域を変えたい付箋を自由に移動してもらいます。最終的な結果は、以下のようになりました。
最後にこの結果を見ながら、各メンバ一一人一人に、プロジェクト全体を通して感じたこと、考えたことを共有してもらいました。
まとめ
上の図を見てもらうと分かる通り、多くの付箋紙がLearnの領域に貼られたことが、プロジェクトを支援してきた私としても大変嬉しいことでした。具体的に上がったLearnの項目としては、以下のようなものがあります。
- スクラム
- 今回のプロジェクトは、ベトナム側でスクラムマスター、開発チーム、日本側でPOを担当し、POが頻繁にベトナムを訪問する体制で進めました
- GitHub使ったカンバン
- GitHub projects + 同僚が作ったChrome拡張を使ってデジタルカンバンを実現してました
- これとは別に、ベトナムの開発チームの横にもアナログカンバンを置いてました
- UnitTest
- サーバサイド(Ruby)、フロントエンド(Javascript)ともUnitTestを書くことを必須としてました
- AWS
- AWSの知識が豊富なクラメソエンジニアもベトナムに常駐しながらプロジェクトを進めました
- 英語を使ったコミュニケーション
何がベトナムのメンバーの心に学びとして残り、何が残らなかったのかが今回のFun/Done/Learnを通じて理解することができました。この学びを次のベトナム協働プロジェクトに活かしていきたいと考えています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。もしFun/Done/Learnに少しでもご興味を持って頂けたら、今回の記事を参考にまずはやってみることをお勧めします。手軽に多くの学びを得ることができると思いますよ!