アジャイル札幌に教えてもらったコミュニティ運営の魅力
こんにちは、かみとです。
この記事は、クラスメソッドグループのコミュニティ活動 Advent Calendar 2024 - Adventar の16日目の記事です。
私が運営として携わっているアジャイル札幌のコミュニティ活動について紹介してみたいと思います。
アジャイル札幌について
とはいえ、私も運営メンバーとして参加してから5年ほどです。アジャイル札幌自体は2011年6月29日に「第一回アジャイル札幌勉強会」というイベントが最初のようです。その歴史からすると私は半分以下なので、私がアジャイル札幌について語るのはおこがましい気もしますが、知っている範囲で書きたいと思います。
まず、アジャイル札幌発足当初に掲げられた「アジャイル札幌宣言」がこちらです。
- アジャイルについてアツく話し合い、
- 実際に手を動かして体験しながら学び、
- 現場をよりよくするためのヒントをみんなで見つけ続けます!
アジャイル宣言インスパイアな雰囲気を感じますね。
この宣言通り、ただセッションを聞くだけではなく参加者が実際に手を動かしていろいろやってみる系のイベントが多かったと思います。
後述しますが、2020年のスクラムフェス札幌でも「いい話だったで終わらない」という標語を掲げていました。10年以上続くアジャイル札幌のDNAですね。
まずはざっと今までのイベントを辿ってみたいと思います。
**2011年**
- 2011-06-29 第1回 アジャイル札幌勉強会
- 2011-08-26 わたしのチームのレトロスペクティブ
- 2011-11-17 平鍋さんを囲む会
**2012年**
- 2012-03-16 アジャイルジャパン2012 札幌サテライト
- 2012-08-24 アジャイル札幌 お悩み相談室
- 2012-12-01 Scrum Boot Camp in 札幌
**2013年**
- 2013-04-07 アジャイル札幌 勉強会「平鍋さんを囲んで」
- 2013-05-24 アジャイルジャパン2013 札幌サテライト
- 2013-10-14 Scrum Boot Camp Premium in 札幌
- 2013-10-24 アジャイル札幌×TEF道プレゼンツ「アジャイルとテスト」勉強会 ~ JaSST’13 Hokkaido 前夜祭 ~
- 2013-11-20 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌
- 2013-12-11 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 #2
- 2013-12-18 カンバン・リーン・スタートダッシュ!
**2014年**
- 2014-01-15 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 3
- 2014-02-12 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 4
- 2014-02-21 JaSST’13 Hokkaidoフォローアップ featuring アジャイル札幌「もっと、大人チャレンジ!」
- 2014-03-19 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 5
- 2014-04-16 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 4/16
- 2014-05-21 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 5/21
- 2014-05-28 アジャイル札幌「アジャイルな開発の現場」
- 2014-06-25 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 6/25
- 2014-06-27 Agile Japan 2014 サテライト<札幌>
- 2014-07-16 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 7/16
- 2014-08-27 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 8/27
- 2014-09-24 Scrum Boot Camp The Book 読書会 in 札幌 9/24 最終回!
- 2014-10-05 『「納品」をなくせばうまくいく』出版記念イベント ~倉貫さんと語る会~
- 2014-10-26 Scrum Reboot Camp
**2015年**
- 2015-04-18 Agile Japan 2015 サテライト<札幌>
- 2015-08-01 アジャイル札幌 勉強会「札幌のアジャイルな開発の現場」
**2016年**
- 2016-01-23 アジャイル札幌勉強会
- 2016-03-18 ドメイン駆動設計の基本 勉強会
- 2016-06-26 Agile Japan 2016 サテライト<札幌>
- 2016-10-01 リレーションシップ駆動要件分析 × ドメイン駆動設計 × アジャイル開発
- 2016-12-03 『RDRAによる要件定義&モデリングワークショップ』
**2017年**
- 2017-02-24 FearlessChangeの事例紹介
- 2017-05-06 ビジネスキャンバスからRDRA for DDDワークショップ
- 2017-07-22 Agile Japan 2017 サテライト<札幌>
- 2017-08-25 『現場で役立つシステム設計の原則』出版記念
**2018年**
- 2018-02-28 札幌のアジャイルな開発の現場@2018
- 2018-04-19 第1回アジャイル読書会@札幌
- 2018-05-12 サッポロ・ジャーニー ~カイゼン・ジャーニー出版記念~
- 2018-05-31 第2回アジャイルサムライ読書会
- 2018-06-20 第3回アジャイルサムライ読書会
- 2018-07-19 第4回アジャイルサムライ読書会
- 2018-08-23 第5回アジャイルサムライ読書会
- 2018-09-20 第6回アジャイルサムライ読書会(角谷 信太郎さんご講演)
**2019年**
- 2019-03-01 スクラムギャザリング東京の報告会
- 2019-03-08 第2回『エンジニアリング組織論への招待』読書会
- 2019-03-15 プロダクトオーナーについて詳しく知りたい!
- 2019-03-16 Agile Japan 2018(年度) サテライト<札幌>
- 2019-03-28 第6回『進化的アーキテクチャ』読書会
- 2019-04-05 第3回『エンジニアリング組織論への招待』読書会
- 2019-04-25 『管理ゼロで成果はあがる』アクティブ・ブック・ダイアローグ® 読書会
- 2019-05-23 第7回『進化的アーキテクチャ』読書会
- 2019-06-15 TDDBC札幌2019
- 2019-06-20 第8回『進化的アーキテクチャ』読書会
- 2019-06-27 第4回『エンジニアリング組織論への招待』読書会
- 2019-08-24 正しいものを正しくつくる 出版記念 ~基調講演&ABD読書会~
- 2019-09-06 心理的安全性ゲームを楽しむフライデーナイト
- 2019-10-25 カンバンゲーム -カンバンをもっと上手く使おう-
- 2019-10-26 『ザッソウ 結果を出すチームの習慣』- ABD&著者講演
- 2019-11-22 札幌スクラムナイト
- 2019-12-21 紙粘土スクラム 2019
**2020年**
- 2020-01-16 やさしいスクラムの話(初心者向け)
- 2020-01-23 第1回『Design It!』読書会
- 2020-02-12 RSGTの参加報告会【札幌スクラムナイト】
- 2020-02-20 第2回『Design It!』読書会
- 2020-03-07 【中止】Agile Japan 2019(年度) サテライト<札幌>
- 2020-04-17 【オンライン開催】札幌スクラムナイト
- 2020-08-06 チームを上手く回すプラクティス【ふくおかスクラム × アジャイル札幌合同イベント】
- 2020-10-31 やさしいスクラム(初心者向け)
- 2020-11-05 スクラムフェス札幌 2020
**2021年**
- 2021-01-15 RSGT2021オンライン鑑賞会 #1
- 2021-01-22 RSGT2021オンライン鑑賞会 #2
- 2021-01-28 RSGT2021オンライン鑑賞会 #3 テストナイト①
- 2021-01-29 RSGT2021オンライン鑑賞会 #4 テストナイト②
- 2021-03-06 Agile Japan 2020(年度) サテライト<札幌>
- 2021-04-17 プロダクトマネジメントのすべての全て
- 2021-11-04 スクラムフェス札幌 2021
- 2021-11-06 スクラムフェス札幌 2021 懇親会
**2022年**
- 2022-02-24 アジャイル札幌のイベントがきっかけでチームに品質の文化が根付き始めた話
- 2022-03-05 アジャイルジャパン2021-札幌サテライト
- 2022-03-15 やさしいテスト(初心者向け)
- 2022-07-07 JaSST東北 x アジャイル札幌コラボイベント「テスト自動化の成功を支えるためのチームと仕組み」(ビデオ再演)
- 2022-09-10 チーム全体でテストの知を積み上げる ーやってみようVSTePー
- 2022-11-03 スクラムフェス札幌 2022
**2023年**
- 2023-04-22 アジャイルジャパン2022-札幌サテライト
- 2023-06-20 第1回『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』読書会
- 2023-07-11 第2回『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』読書会
- 2023-08-23 第1回『これまでの仕事これからの仕事』読書会
- 2023-09-02 和室でゆったりABD&著者講演 - 『人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~』
- 2023-09-28 第2回『これまでの仕事これからの仕事』読書会
- 2023-10-24 第3回『これまでの仕事これからの仕事』読書会
- 2023-11-02 スクラムフェスニセコ 2023
- 2023-11-22 第4回『これまでの仕事これからの仕事』読書会
**2024年**
- 2024-01-27 『これまでの仕事これからの仕事』著者講演
- 2024-04-20 アジャイルジャパン2023-札幌サテライト
- 2024-06-25 第1回『組織を変える5つの対話』読書会
- 2024-08-01 第2回『組織を変える5つの対話』読書会
- 2024-08-28 第3回『組織を変える5つの対話』読書会
- 2024-09-21 『これまでの仕事これからの仕事』『アジャイルなプロダクトづくり 価値探索型のプロダクト開発のはじめかた』著者講演
- 2024-10-01 第4回『組織を変える5つの対話』読書会
- 2024-11-01 スクラムフェスニセコ 2024
- 2024-11-21 第1回『スタッフエンジニアの道』読書会
ゼェハァ(lll゚Д゚)ノ
これで全部ですかね。
ちなみに私が一番最初にアジャイル札幌のイベントに参加したのは、2014年10月5日にソニックガーデンの倉貫義人さんが来札したイベント『「納品」をなくせばうまくいく 出版記念イベント ~倉貫さんと語る会~』だったので、もうかれこれ10年前ですね。10年ですか……感慨深いです。
アジャイル札幌と私
当時はまだアジャイル開発を本格的にやっているプロジェクトは札幌でも限りなく少なかったのではないかと思います。私も当時はガチガチのウォーターフォール型開発を行っていましたが、そんな中でXPやアジャイルのプラクティスを現場に何とか取り入れられないかと、当時の職場でいろいろ試行錯誤しつつ、TDDやテストの自動化を試していたのがちょうどこの時期だったと思います。
その後アジャイル札幌のイベントにたまに参加させていただきながら、運営の方や参加者の方たちと、それぞれの現場の話を聞き、共感をしたりされたり、ああ、みんなそれぞれ大変な状況の中で頑張っているのだなと、勇気づけられたものでした。
私がコミュニティで最初に登壇させてもらったのもアジャイル札幌のイベントでした。
2015年8月1日の『アジャイル札幌 勉強会「札幌のアジャイルな開発の現場」』というイベントです。
参加回数でいうと、アジャイル札幌のイベントに2〜3回くらい参加した頃だったと記憶しています。「えっ、本当に私でいいんですか?」みたいな感じでしたし、めちゃくちゃ緊張しましたが、あの経験は本当にやってよかったと今しみじみ思います。そっか、もう40歳になっていたので、今考えるとだいぶ遅めですね。
アジャイル札幌運営に参加のきっかけ
そんな私が運営に参加するきっかけになったのは、アジャイル札幌現代表の根本さんにRSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo)に誘ってもらったのがきっかけです。
2019年でした。
ずっと札幌にいたので、そもそも東京のテックカンファレンスに参加するという発想があまりなかったのですが、根本さんの熱い誘いに夫婦でテンションが上がり、子供を実家に預かってもらいながら夫婦で参加しました。(ちなみに妻もITエンジニアです)
何もわからない中、根本さんにセッション登壇者や著名なアジャイル実践者たちを紹介していただきました。
RSGTのセッション内容ももちろんですが、あらゆるところで対話を促すようなオープンマインドな場づくりにカルチャーショックを受けました。いたるところにテーブルが配置されていて、コーヒーを飲みながら参加者同士がセッションについての話や、現場とのギャップについての相談など、何か自分たちの現場に持ち帰ろうという熱量がありました。
その後、根本さんと恵比寿のYONAYONA BEER WORKSに行きました。ビールを飲みながら、
「これを札幌でやりたい!一緒にやろう!」と誘ってもらったのがきっかけです。
そうだよな、あの時だよな、んー、思い出すと今でも熱いものが込み上げてきます。
そんなこんなで、札幌でRSGT的なイベントをやろうということで運営に参加することになり、いろんなイベントを通して、2020年のスクラムフェス札幌開催へとつながっていきました。
運営に参加するということ
アジャイル札幌の運営に参加してみて、コミュニティの運営に関わることで得られるものがいろいろあるなというのが見えてきました。
運営に参加するってどういう感じなのか、私が感じたことを整理してみます。
自分が何者なのか?の解像度を上げる
自分を誰かに説明するときに、どんな人なのかを表す方法はいくつかあると思います。それぞれ会社に所属していたり、フリーランスで屋号を持っていたり、自分の得意領域の技術スタックとかもあるかと思います。
「〇〇株式会社の〇〇です。」とか、「〇〇ソリューションアーキテクトの〇〇です。」とか、「〇〇のプロダクト開発でバックエンド全般担当しています」とか「アジャイルコーチをしています」とか。
コミュニティの運営をしているということは、それに一つ別の角度の情報を加えることができる、というのを感じます。それだけアンテナもあるし、情報のインプット先があるなど、その人のコンテキストを知る上で有効な情報だと感じます。
同じような人たちと繋がれる
コミュニティを通して同じ課題感を持つ人だったり、興味のある技術領域だったり、またコミュニティの活動が別のコミュニティとのつながりになったり、いろんな人とのつながりを持てるようになるのは、単にイベントに参加するだけの時よりも運営メンバーになってからの方が格段に増えた気がします。人に認知されやすくなったということなのかも知れません。
こうやって知り合うことのできた方たちとの関係性は、今はほんとうに財産だと感じています。
自分がやりたいイベントを企画できる
運営の一番の特権はこれだと思っています。
自分たちが楽しいと思えるイベントを企画して、それを最前列で楽しめるというのは役得かなと。イベントで本当に最前列に座ってるわけではないですが、気持ちはそんな感じです。本の著者や訳者の方に来ていただけることも多く、そういった方たちと近い距離で接することができ、夜な夜なソフトウェアについて語ることができるというのは、考えてみるととてもありがたいことです。
これから
いま私は3年ほど前からニセコに居を移しており、アジャイル札幌のイベントへの参加は以前ほどではなくなりましたが、予定さえ合えば今後も極力続けていきたいと思っています。
2023年と2024年は、スクラムフェスニセコのオーガナイザーとして関わっています。スクラムフェスニセコについてはこちらの記事に書きましたのでこちらもぜひ。
(ちなみにスクラムフェスニセコ2024はクラスメソッドもスポンサーしてます。)
参加者の方たちに楽しんでもらいつつ、自分たちも楽しいと思えるイベントをこれからも続けていきたいと思っています。
さいごに
ということで、クラスメソッドグループのコミュニティ活動 Advent Calendar 2024 - Adventar の16日目の記事でした。
明日12/17(火)は植木和樹さんの予定です。お楽しみに!