Alteryx 2020.1 新機能:Excelファイルの入出力がより便利に!セルの範囲指定での出力時に既存の書式をそのまま利用可能になりました

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こんにちは、小澤です。

現地時間2020/03/05にAlteryxの新バージョンである2020.1がリリースされました。 今回は、その新機能のうちExcelに出力する際の話をしたいと思います。

Excelに出力する際のセル範囲指定

Alteryxでは通常、Output Dataツールを使ってExcelファイルに出力する際には、指定されたシートのA1セルが開始位置なります。 それ以外のセルを開始位置とする方法は以前からあったのですが、出力先のパスに直接記述する必要があり、あまり知られている機能とは言えませんでした。

Alteryx Desginer 2020.1からは出力時の設定で簡単に指定することが可能になっています。 Excelファイルへ出力する際はこれまでファイルの設定後、シート名の入力を行っていましたが、その際にセルの範囲を指定する項目が追加されています。

「Specify a range」に範囲を指定することで、出力の左上と右下が選択できます。

これらはどちらも必須入力となっています。 そのため、データ件数がどれくらいあるかは実行しないと決まらないし...と困る場合もあるかと思います。 Alteryxで処理する際には、列数はデータによって決まっているが、行数は処理対象のデータに依存するというケースが多いかと思います。 そんな時は以下のように開始位置と、列方向の終了位置のみを指定することも可能です。

なお、範囲を指定する際には以下のような動きに注意してください。

  • Alteryxが出力するデータ件数や列数 < 指定した範囲 : 正常に出力される
  • Alteryxが出力するデータ件数や列数 > 指定した範囲 : エラーとなる

前者は、範囲を大き目にとっておくなどの使い方も可能です。 エラーにならないという性質上、処理内容が間違っていて本来必要な列が含まれてないといった状況でも正常に処理が完了する点にはご注意ください。

既存の書式を残して既存のファイルに出力する

さて、特定のセル範囲に出力する理由として最も大きなものは「既存のフォーマットの特定の位置に出力する」だと思われます。 そんな時に便利なのが今回登場の新機能です。

以下のようなテンプレートのファイルがあるとします。

集計結果はこのファイルに書き込んでいきたいとします。 Alteryx側で用意したデータは以下のようになります。

このデータをOutput Dataツールで出力するに際して、対象範囲をB4からI8として以下の設定で出力を行います。

Output Optionで「Overwrite Sheet or Range」を指定します。 これによって「既存ファイル」の「指定した範囲」という指定になります。

それとセットで「Preserve Formatting on Overwrite」にチェック入れます。 この指定は、文字色や背景色, 書式, 罫線などのセルに設定されている項目はそのまま流用するというものになります。

この設定でワークフローを実行して、出力されたExcelファイルを開くと以下のようになります。

背景色は先ほどの空のファイルのものがそのまま利用されています。 書式で設定された数値の3桁区切りや末尾に"月"の追加や条件付き書式もExcel側で設定しなおすことなくそのまま表示されます。

また、AlteryxというよりはExcelの機能ですが、下側のグラフも実際のデータに合わせて出力されているのが確認できます。

おわりに

今回はAlteryx2020.1の新機能のうち、Excelへの出力関連のものを紹介しました。

Excel側のこのような使い方はやりすぎると「エクセル方眼紙」や「ネ申エクセル」など、 あまりいイメージではない利用方法を彷彿させますが、 今回の新機能を活用してAlteryxと組み合わせることで、"再利用可能な元データ", "再現可能な処理フロー", "見た目を整えた出力"を意識した使い方が可能になります。

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