
【レポート】 Alteryx Analytics Summit 基調講演 「データが導く未来の競争力」 「Alteryx Oneについてのご紹介」 #alteryx
2025年7月9日、赤坂インターシティコンファレンスにて 『Alteryx Analytics Summit Japan 2025』 が開催されました。
本記事では、イベントのGeneral Sessionで発表された内容についてレポートいたします。
セッション概要
意思決定の進化:データが導く未来の競争力
デジタル変革が加速する中、企業が競争力を維持し、成長を続けるためには、データをいかに活用できるかが鍵となります。
本基調講演では、データ主導の意思決定がどのようにビジネスの成長を促進しているのか、また、それを支える最新の Alteryx ソリューションの概要をご紹介します。
スピーカー
- Steven Birdsall 氏(Alteryx, Inc. Chief Revenue Officer)
- 宇野 林之 氏(アルテリックス・ジャパン合同会社 カントリーマネージャー)
Alteryx Oneについてのご紹介
本セッションでは、5月に米国で開催されたグローバル年次イベント Inspire 2025 にて発表された Alteryx One について、デモを交えながらご紹介いたします。
スピーカー
- Scott Anderson 氏(Alteryx, Inc. Lead, Product & Strategy)
- 山田 一也 氏(アルテリックス・ジャパン合同会社 ソリューションエンジニアリング リードセールスエンジニア)
「意思決定の進化:データが導く未来の競争力」セッションレポート
冒頭あいさつ
アルテリックス・ジャパン合同会社のカントリーマネージャー、宇野 林之 氏 より、イベント開催にあたってのご挨拶がありました。今回のイベントには、なんと900名ものお客様にご登録いただいたとのことで、ご参加いただいた皆さまや事例協力企業さま、スポンサー企業さまへの感謝の言葉が述べられました。
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事例協力企業の紹介
- 本イベントでは、以下の企業による事例講演が行われました。
- 本イベントでは、以下の企業による事例講演が行われました。
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スポンサー企業の紹介
- 弊社クラスメソッドを含む、以下の企業のご協賛により開催されました。
- 弊社クラスメソッドを含む、以下の企業のご協賛により開催されました。
日本企業が抱える課題について
- 日本企業が抱える課題は、以下の3つ
- 人材確保の難しさ:現役世代の人材やリソースの確保が課題
- 収益性(生産性)の向上:人材不足の問題もあるが、日本人の生産性の低さは世界的にも課題視されている状況
- 売上の拡大:大前提として、企業としては売上拡大がミッションになっている
AIの投資について
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AIやデータ活用の重要性が日々高まっているとされており、そのための投資が積極的に行われている
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AIへの投資により、収益性・生産性の向上が期待できると考えられている
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実際にAIを導入する場合の障壁について
- ツール:スプレッドシートが多いものの、大容量データになると拡張性が担保できない、ブラックボックス化するなどの課題がある
- スキル:事業部門のスキル不足によって、ITにリソースが偏っている
- サイロ化:データガバナンス・マネジメントが行われず、データの信頼性が担保されていない
ここまで説明してきたような課題を解決できる、「Alteryx One」 であり、セッションを通して強みを理解してもらいたいと述べられました。
Alteryxで実現するAI時代の最適なデータ活用
ここからは、Alteryx, Inc. Chief Revenue Officer、Steven Birdsall 氏 により講演が行われました。
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AIの活用段階においては、まだ初期段階にあり、多くの企業が効率化を目的に導入し始めている状況
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今後数年かけて、第2波・第3波へと進み、サービスの創出や企業成長へ直結させる波へと進んでいく
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一方で、企業データを利用したAI活用はまだあまり進んでおらず、価値が発揮しきれていないという調査結果も出ている
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AI活用において最も重要なのは「ガバナンスされたデータ」である
AI活用に向けたガバナンス
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実際現場では、複数のプラットフォームからのデータが利用されており、一元管理が行われていない
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データの価値を発揮するためには、信頼性の高いデータが必要となり、ビジネスユーザーとITの部門が一緒に取り組む必要がある
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AlteryxはビジネスユーザーをターゲットにしたAI主導の分析プラットフォームとなっている
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IT部門はデータ基盤を整備し、ビジネス部門がユースケースを創出するのが理想の動き
AIを活用した具体的なユースケース
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CSチャットボットのユースケース
- 従来は、顧客調査のための情報収集や分析に数十時間~数週間かかっていた
- Alteryx + Generative AIでWeb・CRMツール・LinkedInなどから情報を自動収集し、パーソナライズされたメールを自動生成
- これにより、作業時間が数分へと短縮され、営業効率と精度が飛躍的に向上した
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AIのユースケースは営業・マーケティングに限らず、HR・財務・オペレーション・サプライチェーンなど、あらゆる部門で活用可能
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特に銀行での活用事例も多いので、こういったナレッジ共有も今後積極的に行っていきたい
「Alteryx Oneについてのご紹介」セッションレポート
ここからは、Alteryx, Inc. Lead, Product & Strategy Scott Anderson 氏 による、Alteryx Oneの紹介が行われました。また、途中のデモについては、アルテリックス・ジャパン合同会社 ソリューションエンジニアリング リードセールスエンジニアの 山田 一也 氏 に実演いただきました。
Alteryx Oneについて
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Alteryxはこれまで、機械学習ツールやAuto Insightsなど、強力な分析ツールを提供してきた
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しかし実際には、オンプレとクラウド間の連携ができなかったりと使いづらい点もあった
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そこで、今年の5月に発表された 「Alteryx One」 では、プラットフォームを統合してシームレスに分析できる環境を実現
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さらに、生成AIとの連携を強化し、Copilotや任意のLLMをワークフロー内に統合可能にした
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AIデータクリアリングハウスのプラットフォームにもどんどん投資を行っていく
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また、多くのユーザーがSnowflake、BigQuery、Databricksなどのクラウドデータプラットフォームに移行している状況
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Alteryxは、クラウドの力をユーザーが存分に利用してもらうための架け橋として機能する
Alteryx Designer の新機能
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Designer 25.1の主要な新機能
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Designer 25.1の新機能:ワークフローの部分実行
- 必要なツールだけを実行できる新機能が追加され、複雑なワークフローの構築や検証が効率的に実行可能に
- 必要なツールだけを実行できる新機能が追加され、複雑なワークフローの構築や検証が効率的に実行可能に
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Designer 25.1の新機能:クラウドライセンス
- クラウドライセンスの導入により、Alteryx Oneすべての機能とプラットフォームとシームレスに接続可能
- クラウドライセンスの導入により、Alteryx Oneすべての機能とプラットフォームとシームレスに接続可能
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Designer 25.1の新機能:Copilot
- 会話ベースでワークフローを構築できるCopilot機能がリリース予定(現在はパブリックプレビュー)
- 会話ベースでワークフローを構築できるCopilot機能がリリース予定(現在はパブリックプレビュー)
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Copilotデモ
- 取引データと顧客データを結合して集計するシナリオで実演
- 日本語での指示により、製品カテゴリー列を分割するフローがAIにより追加されました
- さらに、列名の変換やデータ型の変更も可能
- これにより、「やりたいことはあるけど、どのツールが適切か分からない」といった状況にも非常に強力なサポート が得られる
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Designer 25.1の新機能:GenAIツール
- 今年の夏に、GenAIツールのプレビューが提供予定
- Designerワークフロー内にLLMを直接組み込むことで、ツールキットの一部として自然に統合されるように設計されたツール
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テストデータの生成や翻訳など、AIが得意とする機能をワークフローキャンバス上で利用可能に
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GenAIデモ
- これまでDesignerのファジーマッチツールでやっていた名寄せのユースケースをGenAIを使って実演
- 表記ゆれの発生したリストを用意
- LLM接続ツールにて、LLMのプラットフォームを選択
- LLMのマッチツールに流すと、表記ゆれが正しく直っていることが確認できる
Alteryx Designer Cloud の特長
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Designer Cloudは、クラウドベースで高速・直感的にデータの前処理ができるツール
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直感的に操作できる提案機能など、より使いやすいよう強化されている
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Alteryx Oneで発表された新しいライセンス体系において、基本的なデータ準備・ブレンドだけに特化した「Basicユーザーロール」が提供された
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DesignerとDesigner Cloud両方で利用可能で、役割やスキルレベルに応じた活用が可能に
Live Query
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大規模データをクラウドデータウェアハウスのプラットフォーム上で直接処理できる「Live Query」機能
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データウェアハウスレベルのパフォーマンスで、即時にデータ処理が可能になるだけでなく、クラウド完結のためガバナンスも担保される
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Live Queryデモ
- Live Queryを有効にし、Snowflakeの接続を作成
- Live Queryを有効にすると、クラウドデータウェアハウスで処理が行われるため、ワークフローのアイコンも変化
- ワークフロー上で設定した条件は、ライブクエリとしてSnowflakeに送られる。つまり、見慣れたDesignerの画面で結果画面で処理の途中経過を見ながら、Snowflakeの画面を操作している状況
- Live Queryを有効にし、Snowflakeの接続を作成
Auto Insights
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Auto Insightsは、新ライセンス形態により一定のエディション以上で使えるようになった、データの傾向や課題の深掘りができる機能
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新機能「Magic Reports」は、AIを活用した動的なレポートを自動生成してくれる機能で、重要な要点を素早く把握できる点が特徴
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また、AI Assist機能により送付先のユーザーに沿ったレポートの要約をその場で生成することも可能
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Magic Reportsデモ
- Magic Reports を開くと、あらかじめAuto InsightsのMission画面(分析画面)で作成した結果をもとに、サマリーとデータをレポート形式で作成されている
- 編集画面に遷移し、編集したい部分をクリックすると、アイコンが出てくるため、ここでプロンプトを入力可能
- 「文章を端的にし、日本語の後に英文を差し込む」という指示通りの結果が得られた
- また、レポートのダウンロードやメール送信も可能
- Magic Reports を開くと、あらかじめAuto InsightsのMission画面(分析画面)で作成した結果をもとに、サマリーとデータをレポート形式で作成されている
Alteryx Oneの全体像とアップデート
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ここまでに紹介した、Copilot、Designer Cloud、Live Query、Magic Reports、Auto Insights などの機能は、単なる新機能ではなく、Alteryx Oneという統合プラットフォームの一部
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分析の第一歩としては「データの接続」となるため、過去1年でコネクタに大規模な投資を実施
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統合ライセンスモデルにより、ユーザーは1回のログインで全製品・資産にアクセス可能に
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自分が作成したものや共有されたもの含めて一元管理ができる
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Cloud Execution機能
- Desktopで作成したワークフローをAlteryx One上で実行・スケジューリング可能に
- また、Plans機能 によって複数のアクションやワークフローを一連の自動プロセスとして繋げることができる
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Plansデモ
- Designer Desktopで作成したワークフローを、クラウドプラットフォームにアップロードし、Plans上で実行するユースケースを紹介
- Desktopからワークフローを開き、Cloud上に保存
- Plansを開くと、Designerのアイコンから先ほどアップロードしたワークフローが追加できる
- 事前にDesigner Cloudで作成したワークフローを接続し、Desktopで作成したデータをSnowflakeに格納するシナリオも作れる
- また、その結果をAuto Insightsに連携し分析をすることも可能
さいごに
以上、General Sessionの発表内容のレポートでした!
2025年5月に発表されたAlteryx Oneの登場から、クラウドとの連携やAI機能にかなり力を入れていることが伺えますね。特にAI搭載の機能は、今後必ず企業の役に立つと感じますので、今から色々試してみたいですね!今後のアップデートも楽しみです。