【レポート】セッション「How Auto Insights Accelerates Decision-Making with AI-Powered BI(Auto InsightsによるAI搭載BIで意思決定を加速する方法)」– Alteryx Inspire 2025 #AlteryxInspire

【レポート】セッション「How Auto Insights Accelerates Decision-Making with AI-Powered BI(Auto InsightsによるAI搭載BIで意思決定を加速する方法)」– Alteryx Inspire 2025 #AlteryxInspire

Clock Icon2025.06.09

こんにちは、まつおかです。

2025年5月12日(月)~5月15日(木)まで、アメリカ・ラスベガスで開催されたAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2025」に現地参加してきました。

https://dev.classmethod.jp/articles/alteryx-inspire-2025--report-introduction/

当エントリではイベント3日目に行われたセッション「How Auto Insights Accelerates Decision-Making with AI-Powered BI(Auto InsightsによるAI搭載BIで意思決定を加速する方法)」のレポートをお届けします。

セッション概要

当セッションの概要は以下のとおりです。

概要

Discover how Auto Insights surfaces data insights automatically, empowering everyone in the business to see trends, opportunities, and get to the root cause for better decision making.

Auto Insights がどのようにデータからインサイトを自動で導き出し、ビジネスに関わるすべての人がトレンドや機会を把握し、根本原因を特定して、より良い意思決定を行えるように支援するのかをご紹介します。

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登壇者

  • Peter Martinez 氏
    • Product Marketing at Alteryx
    • Alteryx入社前はGartnerでコンサルタントとして活躍、分析環境の最適化やプロジェクト実行に従事

セッションレポート

セッションの目的

  • 広告レポートへのアプローチのフレームワークを提供すること
  • Auto Insightsの実際の動作を体験してもらうこと

現状の課題

現在のBI・分析チームは、これまで以上に早く価値ある成果を出すことを求められていますが、以下のような課題があります(IDC調査)。

  • データの75%は数日以内に価値を失う
  • 33%の組織は受け取ったデータを使っていない
  • 70%の組織はデータが十分に活用されていないと感じている

これらの課題は特に「インサイトをアクションに変える最後の段階」が問題になっています。
ここでは多くの手作業が残っており、意思決定のスピード、ROIの最大化、洞察の発見などの改善余地があります。

アナリティクスファクトリー

分析業務を「工場」に見立てた「アナリティクスファクトリー」というフレームワークを紹介します。これはデータライフサイクルの図を簡略化したもので、原材料(=生データ)を最終成果物(=インサイト)へと変換するプロセスです。

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手作業の課題とAlteryx Designerの導入

  • データの理解と探索、準備、分析解釈、可視化を手作業で行っていたことで「キャパシティ(処理能力)」の問題が発生
    • Alteryx Designerの導入により、中間プロセスの多くを自動化できるように

ダッシュボードの課題とAIの可能性

従来のダッシュボード活用には次のような課題があります。

  • データ更新時にはすでに分析が遅れている
  • 数字の背景にあるストーリーを理解し次のアクションを決めるまでに時間がかかる
  • 使用されていない「ゾンビダッシュボード」の管理負担

目指すべきは効率的な「インサイトのトヨタ方式」です。
その実現には「Alteryx Designer」と「Auto Insights」を組み合わせた「半自動化されたインサイト工場」が有効であり、一部を自動化することでキャパシティを増やし、価値提供までの時間を短縮、ボトルネックを解消できます。

このモデルでは、次のような役割分担が行われます。

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  • 機械が得意な領域:繰り返し作業、パターン認識、根本原因分析
  • 人間が担うべき領域:意思決定、創造性、ソリューション設計

「拡張BI(Augmented BI)」というソリューション

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「何が起きたか」を可視化する従来のBIにAIによる自動化を加え、新たなインサイトを発見できるようなアプローチです。
Auto Insightsは以下の3つの要素を組み合わせることで、最大の勝ちを引き出し、データの無駄や放置を防ぎます。

  • 従来のBI:ダッシュボード、KPIなど
  • 定量的インサイト:相関、傾向、主要因
  • 定性的インサイト:生成AIによる翻訳、ユースケースの発想支援

デモ:3つのボトルネックをAuto Insightsで解消

  • シナリオ
    • ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)のアナリストがCMO(最高マーケティング責任者)を支援する
  • ボトルネック1
    • アナリストは最初から何が必要か理解しており、完璧に作れるという誤解

    • 現実は「ユーザーは間違ったものを見て初めて自分が欲しいものに気づく」

    • 解決策

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      • Auto InsightsのPlaybooks機能を使用することで、役割を伝えるだけで自動的に合成データとサンプルレポートを生成
      • プロトタイプやPoCで2週間かかっていた作業が、1時間、あるいは数分で完成
  • ボトルネック2
    • ダッシュボードを作れば全てが解決するという誤解

    • ひとつのインサイトが次の問を生み、フィードバックと開発の無限ループを引き起こす

    • 解決策

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      • CMOが次々と出すアドホックなリクエスト(広告予算の配分、ツアー開催地の決定など)に対し、Auto Insightsでセルフサービス分析を実現
      • CMO自身が数クリックと簡単な設定でリクエストに対応
  • ボトルネック3
    • ダッシュボードをプレゼン資料など別の形式に変換する手間

    • 解決策

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      • Magic Documents機能を使用し、データストーリーをPowerPointに変換
      • スピーカーノートも自動生成

セッション最後のQ&A

  • 会社独自のテンプレートを使用しスライドを出力することはできますか?
    • ダウンロード後に自社のテンプレートを適用可能です
  • 「因果関係と相関関係」の分析はどのようにしていますか?
    • 生成AIではなく、統計的な関係を分析する独自のモデルを使用しています
  • Auto Insightsで作成したページにフィルターやメジャーを追加するといったカスタマイズは可能ですか?
    • コード不要で、メジャーの選択、フィルター追加、ブレイクダウン追加など操作できます
  • 例えばSalesforceに埋め込んでアクセス制御するなど、ページへのパラメータ制御はできますか?
    • データセットやビューへのアクセス権限管理方法はありますが、ひとつのビューを複数人に共有し、個人に限定したデータを見るというマス・パーソナライゼーションについては現在検討段階にあります

さいごに

BIは便利ですが、「どう見せるか」「どこまで深掘るか」を考えながら作るには時間も手間もかかります。
Auto Insightsは、そうした課題をうまくアシストし、誰でも簡単にインサイトを得られるセルフサービス分析を実現してくれます。

新しいライセンス体系では、ほとんどのユーザーがAuto Insightsを利用できるようになっていますので、今後ますます活用の幅が広がりそうですね!

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