【レポート】セッション「Alteryx Product Roadmap Highlights(Alteryx 製品ロードマップの注目ポイント)」– Alteryx Inspire 2025 #AlteryxInspire

【レポート】セッション「Alteryx Product Roadmap Highlights(Alteryx 製品ロードマップの注目ポイント)」– Alteryx Inspire 2025 #AlteryxInspire

Clock Icon2025.05.20

こんにちは、まつおかです。

2025年5月12日(月)~5月15日(木)まで、アメリカ・ラスベガスで開催されたAlteryxの年次カンファレンスイベント「Inspire 2025」に現地参加してきました。

https://dev.classmethod.jp/articles/alteryx-inspire-2025--report-introduction/

当エントリではイベント4日目に行われたセッション「Alteryx Product Roadmap Highlights(Alteryx 製品ロードマップの注目ポイント)」のレポートをお届けします。

セッション概要

当セッションの概要は以下のとおりです。

概要

Get an exclusive look at the Alteryx product roadmap. We'll cover the high-level direction for the product portfolio and highlights from upcoming releases.

Alteryxの製品ロードマップを特別にご紹介します。
製品ポートフォリオの全体的な方向性や、今後のリリースにおける注目ポイントについてお伝えします。

登壇者

  • Scott Anderson 氏
    • Lead Product Strategist at Alteryx
  • Bryce Laird 氏
    • Principal Product Manager, Product Strategy at Alteryx

セッションレポート

今後の製品開発を支える主要投資領域

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  • Alteryx One:統合されたプラットフォーム体験
    • 組織にとって最適な形でAlteryxの機能にアクセスできる柔軟性を提供
  • 接続性の強化:クラウドデータプラットフォームとの連携
    • Databricks、Google、Snowflakeなどのベンダーとのパートナーシップを強化
    • 技術スタックと連携できることで必要なデータにアクセス可能
  • ビジネス価値の証明支援:AIと自動化による価値創出
    • 生成AIへの期待に対し現場業務への活用がイメージしにくい
    • AlteryxがAI機能を実際の業務に役立つ形で提供

Alteryx One:すべてを一つに統合する新たな体験

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Alteryx One は、Alteryx のすべての製品と機能を統合し、単一の体験として提供する新しいプラットフォーム構想です。

  • 新しい価格体系とパッケージモデル
    • Designer、Server、Designer Cloud、Auto Insights、Plans、App Builderなどすべてのアプリに一括アクセス可能
  • 一元的な管理機能
    • ユーザーライセンス、アクセス権限、資産管理、通知、アラートを1か所で管理
  • 将来的には統合ランディングページの提供を予定
    • すべてのワークフローやアプリケーションを一画面で確認可能

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  • Alteryx全機能への一元アクセス
    • クラウド、デスクトップ、AI、自動化など、Alteryxのすべての機能をひとつに統合
    • 分断をなくし、ひとつのプラットフォーム、ひとつの入り口からアクセス可能に
  • チームでの共同分析
    • ワークフロー、インサイト、アセットはデフォルトで共同作業が可能に
    • チーム間での共有、再利用、スケールが簡単に行え、どこからでも、どのようにアクセスしても一貫した体験が可能
  • ガイド機能
    • 初心者でも上級者でも、Alteryx Oneは次に進むべき道を示し、スムーズなスタートを支援
    • ソリューションファーストのガイド、状況に応じたアドバイス、価値を高めるAIにより、インサイトまでの時間を短縮し、分析力を引き出す
  • シンプルな管理
    • 柔軟な導入と強力な管理機能を両立。オプションはそのままに、運用負荷を大幅に軽減
  • わかりやすい料金体系
    • 統一されたエディションベースのモデル
    • スケーラブルでニーズに即した設計
  • 作業効率を高める統合アプリ
    • 新しいアプリで作業の中断・再開が簡単
    • すべての分析作業を1つの場所で完結

Alteryx One Platformの主なマイルストーン

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主要クラウドに対応し、セキュリティやユーザー管理機能も充実。
今後は、場所を問わずデータに柔軟に接続・処理できるよう、Bridge ClientやGit連携、メタデータ管理などの機能強化を進めていきます。

  • ローンチ
    • AWS、Azure、GCP に対応
    • グローバルで利用可能
    • ISO-27001 & SOC2 Type II 準拠
    • セルフサービスによる SAML および OIDC SSO 設定
    • 依存関係の有無にかかわらずワークフローを共有可能
    • アプリ内フィードバックとオンボーディングの支援
    • イベントトリガー(ファイル & データベース)
    • アカウント内に複数ワークスペースを作成可能
  • 2025年上半期
    • 自動ユーザー管理(SCIM)
    • ユーザーグループ機能
    • アセットフォルダー & フォルダーAPI
    • ワークフローのバージョン比較と履歴管理
    • ワークフローやアセットのインポート・エクスポート用パブリックエンドポイント
    • 監査ログのエクスポート
    • IPベースのアクセス制限
    • セルフサービスによるワークスペースのプロビジョニング
    • 自動データ/メタデータ削除
  • 計画中・検討中
    • PCI準拠
    • Bridge Client(送信専用ネットワーキング)
    • DCM-as-a-Service
    • 複数ワークスペース:データ処理プレーン
    • ワークフローのラベル付けとメタデータの詳細
    • カスタムユーザーロール(閲覧者含む)
    • アセット所有権の移譲改善
    • シームレスなSDLC / 環境移行
    • Gitとの統合
    • アプリ内通知
    • 統合請求システム ****

Alteryx Designer / Server の進化

バージョン2024.2の主な改善点

  • 複数行・複数フィールドツールの式エディターの改善
  • UI強化
    • コンテナタイトルの改行、ツール間接続線の色分け
    • ツールごとのデフォルト設定保存
  • Server機能の強化
    • スタジオ間でのユーザー移動・資産所有権移譲
    • 手動実行ジョブのタイムアウト設定

バージョン2025.1の新機能

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  • 統合ライセンス管理
    • すべてのAlteryx製品に1回のログインでアクセス
    • セキュリティの強化
    • オンプレミスとクラウドのライセンスを一元表示
    • 高パフォーマンスなライセンスビューの提供
  • ワークフローの部分実行
    • 特定のツールまでワークフローを部分的に実行可能
    • 複雑で大規模なワークフローの構築・テスト・編集が容易に
  • In-DBツールでのPre/Post-SQL対応
    • データベースやクラウドデータ基盤上で、より高度なデータ処理が可能に
    • データの書き込み、ストリームイン/ストリームアウトに対応
  • データリネージ(プライベートプレビュー)
    • ワークフロー単位でのリネージ機能:すべての入力と出力を可視化
    • 実行時にサーバーから送信
    • Collibra または Atlan との統合
    • さらなるカタログ対応やカラム単位のリネージ機能も近日公開予定
  • その他の機能
    • ユーザー管理ツールの機能強化
    • サーバーの監査設定機能
    • プロキシ認証対応
    • ワークフローのデフォルトタイムゾーン設定
    • APIによるジョブのキャンセル機能
    • メールおよび出力ファイルへのMicrosoft Sensitivity Label付与
    • Data Cleanse Proツールの追加
    • 「集計ツール」と「クロスタブツール」の改善 などなど・・・

Cloudの進化

クラウドでのマクロ対応(Q2 プライベートプレビュー)

  • 再利用可能なロジックの標準化
  • ワークフローの簡素化とモジュール化
  • 繰り返し作業の大規模自動化

Designer Cloudの主なマイルストーン

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  • ローンチ
    • Designer Cloud キャンバス、ワークフロー、主要な準備・結合・変換ツールの提供
    • 共有、スケジューリング、自動化、計画のオーケストレーション
    • 結果グリッドでのプレビューと編集候補の表示
    • データプロファイリング、変換、ブラッシング、提案などに対応したインタラクティブな結果グリッド機能
    • エンジンの最適化と選択機能
    • ワークフロー全体の実行におけるエラーメッセージの改善
  • 2024年
    • コメント機能、コンテナ機能
    • Tableau & Power BI への出力対応
    • ワークフローバージョン管理
    • データ型の自動推論
    • コンシューマーロールの追加
    • CDW ライブクエリモード:Databricks、Snowflake、BigQuery(2025年下半期予定)
    • CDW SQL ツール
  • 検討中・計画中
    • CDW GenAI 関数ツール
    • パラメータ化対応(動的入力・出力)
    • 標準マクロ対応
    • ワークフローバージョンの比較と履歴管理
    • ワークフローイベントの監査統合
    • Copilot(2025年下半期)
    • 反復 & バッチマクロ(2025年下半期以降)
    • GenAIツール(2025年下半期以降)

Cloud Execution for Desktop

  • デスクトップで作成したワークフローをクラウドで実行
  • サーバー同等のエンジンで動作、管理不要
  • カスタムイメージ、VPCデプロイ、API実行、ファイアウォール越えの接続にも対応予定

Cloud Execution for Desktopの主なマイルストーン

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  • Now
    • AWS、Azure、GCPでのプライベートデプロイ対応
    • 分析アプリのサポート
    • オートスケーリング対応
    • アドホック実行ボタンの追加
  • Next
    • ユーザーによるドライバーおよびコネクタのインストール対応
    • マルチテナントデプロイメントの対応
    • スタンバイモード(より高速なスケーリング)
    • プラットフォームデータセットのサポート
  • 検討中・計画中
    • データブリッジ(送信専用ネットワーク構成)
    • ジョブ詳細ページの改善
    • ジョブ実行用APIの提供
    • Designerからのワークフロースケジューリング機能

Alteryx Oneへの移行

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Alteryx Oneへの移行は「強制」ではなく「選択肢の拡大」がテーマ。
目的に応じて最適なソリューションを選択できることが目的です。

  • フェーズ1:サーバー上での実行を継続
    • バージョン23.2以降へのアップグレードとDCM導入
    • Designer Desktopでの開発を継続し、CEfD(Cloud Execution for Desktop)へデプロイ
    • 新規ユーザーをDesigner Cloudおよびプラットフォームアプリへオンボーディング
  • フェーズ2:サーバーの使用を縮小
    • Cloud Execution for Desktop の導入とサーバーワークフローの移行
    • バージョン25.1へのアップグレードと、ライセンス管理・データリネージ・AIなどのプラットフォームサービスの導入
  • フェーズ3:必要に応じオンプレミスでの接続と実行実施
    • プラットフォーム上ですべてのワークフローをスケジュール、管理、オーケストレーション
    • ユーザー、アセット、コネクタの一元管理

2025年以降の Alteryx One の重点分野

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チームで取り組むアナリティクス

  • 承認とガバナンス機能を備えた、中央管理による共有とアセット管理
  • 既存のデータ、インサイト、ワークフローなどへのアクセス性と検索性の向上

エンドツーエンド体験におけるユーザー支援

  • ユースケースに合わせた、ソリューション重視のAIガイド付き体験の提供
  • 統合されたナビゲーションと機能を備えた Alteryx One のランチパッドおよびアプリ

アップグレードとアクティベーションの効率化

  • 常に最新バージョンを利用できるようDesignerの更新プロセスを近代化し、IT部門の負担を軽減
  • DesignerとServerのバージョン管理が切り離され、頻繁に小規模なアップデートが可能
  • プラットフォームに重点を置いた、スムーズなオンボーディングと実行オプション(スケジューリング、オーケストレーション、実行の統合)

Live Query(ライブクエリー)

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  • Snowflake、BigQuery、Databricksなどとの強力なパートナーシップを継続的に強化し、今後SnapLogic、Redshiftなど新しいデータ基盤対応
    • ユーザーインターフェースとしての価値を提供
    • コード不要で様々なデータ基盤を活用、投資対効果(ROI)を最大化

Designer Cloud におけるライブクエリ

  • データをAlteryxに取り込むことなく、クラウドデータプラットフォーム上で直接データを表示・操作
  • 全データセットを対象に、100%クラウド側でのプッシュダウン処理を実行
  • クラウドデータ、外部ソース、ファイルを1つのインターフェースで動的に統合

AIへの取り組み

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  • 分析をもっと使いやすく:AI機能によって分析を簡単に

    • Workflow Summary:複雑なワークフローをワンクリックで要約
    • Magic Documents:選択したツールに対して自然言語で説明を付加
    • PlayBooks:データの構造に基づいて可視化や分析の提案を自動実施
    • Magic Reports:AIが自動で要約や注釈を付加、共有可能なレポートを生成
    • Alteryx Copilot(パブリックプレビュー):Designer内で自然言語で質問しワークフロー作成をアシスト
  • カスタマイズされた分析ソリューションの構築:LLM(大規模言語モデル)、エージェント、アプリの統合によるオーケストレーション

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    • GenAI Tools(プライベートプレビュー)
      • UNIVERSAL ACCESS:組織で承認されたLLM(大規模言語モデル)への接続
        • Microsoft、Google、DatabricksなどのLLMへのコネクタを提供
        • IT管理者による接続設定、ユーザーアクセス権の割当、利用状況の監視など実施可能
      • AI BUILDING BLOCKS:高品質なデータプロダクトを迅速に構築するために必要AIツール群
      • AI ASSISTED TOOLS:分析作業を加速するためのあらかじめ構築されたAI活用例
        • Schema Fit:ソースとターゲットのスキーマを指定することで、データ変換や整形を自動で実行
        • Persistent Match:テキストフィールド内の値をAIが標準化
        • Grammar & Translate:テキストの感情分析、分類、要約、翻訳などを実行
  • AIアプリケーションに最適なデータを提供:データ準備、統合、分析ワークフローによるAI対応データの活用

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    • Gartner調査によるAIプロジェクトの60%が成果未達という実態で、失敗の主因は「データの質」
      • 社内データへのアクセス制限
      • データの非統一性
      • 品質不良
      • 機密情報の混在
    • データ収集・統合・ガバナンスの自動化により信頼性を向上し、AIにとって信頼できるデータを提供する体制の確立が必要 → これを実現できるのがAlteryx
    • エンタープライズ対応のセルフサービス型データ準備ツールとしてのAlteryxの強み
      • ビジネスユーザーによる高品質データの整備
      • AIに提供すべきでない情報を除外するセキュリティ機能の搭載
      • 安全かつ効果的にAIを活用

さいごに

以上、Alteryxが描く製品のロードマップでした。

従来のオンプレミス環境とクラウド環境を目的に応じて選択でき、今後AIを活用していくための機能が順次搭載されていくとのこと、非常に楽しみです。
新機能については今後随時ご紹介していければと思っています。

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