ロイヤル顧客を発掘!Alteryx LTV予測 実践ガイド

ロイヤル顧客を発掘!Alteryx LTV予測 実践ガイド

Clock Icon2024.12.24

こんにちはゲームソリューション部のikumiです。
AlteryxにはStarter Kitsという、誰でもすぐに分析できる構築済みのサンプルワークフローが用意されています。今回はその中のMarketing Starter Kitに含まれる「Lifetime Value」というサンプルワークフローをベースに、ロイヤル顧客を発掘するためのステップについて解説します。

また本ワークフローでは予測分析ツールを使用しております。Alteryx Designerでの予測分析には予測ツールパッケージを追加でインストールする必要がありますので、実際にサンプルワークフローを確認する際は手順に沿ってパッケージのインストールを実施してください。

では早速確認していきましょう!

Lifetime Valueとは

そもそも、LTVとは何なのかをおさらいします。

Lifetime Value(LTV)とは、顧客が将来的にもたらすと予測される売上や利益の総額のことです。つまり、「対象顧客が今後自分のサービスにどのくらい投資してくれるのか(価値をもたらしてくれるか)」を表したものです。つまり、 投資額(価値)が高いユーザー=ロイヤル顧客と判断できるので、LTV分析をすることで自社にとってのロイヤル顧客の分析が可能 になります。

本記事の分析では、既存顧客のこれまでの合計売上を元に、新規顧客のLTVを予測して実際にロイヤル顧客になりそうなユーザーを発掘してみます。

サンプルワークフローの中身を確認

ワークフロー

alteryx-ltv-predictive-no1

入力データ

今回のワークフローの入力データは、既存顧客のデモグラフィック情報と売上高、新規顧客のデモグラフィック情報を含んだ2つのデータを使用します。

  • 既存顧客
Customer ID City Name MOSAIC HOUSHOLD TOTAL SPEND
*** *** *** ***
*** *** *** ***
  • 新規顧客
Customer ID City Name MOSAIC HOUSHOLD
*** *** ***
*** *** ***

※MOSAIC HOUSHOLD… 顧客セグメント名

この後の処理では、 既存顧客のデータをLTVの予測のための学習データに使用し、新規顧客に対してスコアリング を行っていきます。

ワークフローの処理ステップ

ワークフローで行っている処理の流れは以下の通りとなっています。ここでは処理内容を詳細に解説しませんので、実際にStarter kitsをダウンロードして確認してみることをお勧めします。

alteryx-ltv-predictive-no2

  1. データの前処理
    a. 新規既存フラグの追加
    b. データクレンジング
    c. 予測分析用のデータ整形
  2. 予測分析(ランダムフォレスト)の実行
    a. 既存顧客のデータを使用して予測モデルを作成
    b. 生成されたモデルを使用して、新規顧客データに予測したLTVを割り当てる
  3. Tableau用のデータ(hyper)で出力
    ※実際のワークフローでは、Tableauワークブックでの出力形式となっていましたが、hyperでの出力に置き換えています

結果を分析する

出力したファイルをTableauで読み込み、分析してみました。今回のケースではLTV予測金額の上位5%のユーザーをロイヤル顧客と仮定してその属性を確認します。

  • まずセグメントごとのロイヤル顧客比率では、「J」セグメントはロイヤル顧客の比率が高いようです。
    alteryx-ltv-predictive-no3
  • また、世帯収入が高いほどロイヤル顧客の比率が上がっています。
    alteryx-ltv-predictive-no4
  • 上位5%のユーザーで、予測売上の約11%を構成しています。
    alteryx-ltv-predictive-no5

このように、属性データと予測データを紐づけることでロイヤル顧客がどういった属性でどのくらいの売上が予測されるのか等を分析することができました。
どの様なデータを紐づけるかによって、幅広い分析ができそうですね。

最後に

今回はAlteryx Starter Kitsを使って、ロイヤル顧客を見つける方法を紹介しました。
Starter Kitsを活用することで、予測分析の経験が少なくても簡単にLTV分析を始めることができますので便利ですよね。また、予測結果をTableauで可視化することでより具体的な顧客像の把握も可能です。

ただし、予測結果はあくまで参考値である考えているので、重要なのはその結果からどのような示唆が得られるか、マーケティング施策にどう活かせるかを考えることが大事です。

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