[アップデート] Amazon Bedrock Agents の利用状況を CloudWatch で可視化できるようになりました。

[アップデート] Amazon Bedrock Agents の利用状況を CloudWatch で可視化できるようになりました。

Clock Icon2025.05.21

こんにちは!クラウド事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)です。

Amazon Bedrock Agents の利用状況を CloudWatch で可視化できるようになりました。

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/05/amazon-bedrock-agents-metrics-cloudwatch/

Amazon Bedrock Agents Metrics

今回のアップデートはタイトルの通り、Amazon Bedrock Agents のメトリクスを Amazon CloudWatch で可視化できるようになりました。というものです。

今まで Amazon Bedrock Agents の監視といえば、各モデルごとのトークン数や、 Amazon Bedrock から出力される、トレース情報で賄うようなアプローチが考えられます。

https://docs.aws.amazon.com/bedrock/latest/userguide/trace-events.html

ただし、以下のハードルが考えられます。

  • 各モデルごとのトークン数
    • ディメンションはあくまでモデル単位のためエージェント単位でのトークン数は取得できない
  • トレース情報
    • トレース情報を自身でフィルターし、カスタムメトリクスの発行(作り込み)が必要

このあたりの課題を解決できそうなアップデートですね。

メトリクスの種類

今回のアップデートで、以下のメトリクスが発行されるようになりました。

Metric name 単位 説明
InvocationCount SampleCount APIオペレーションへのリクエスト数
TotalTime Milliseconds エージェントがリクエストを処理するのにかかった時間
TTFT Milliseconds Time-to-first-token(最初のトークンまでの時間)。Streaming構成が有効な場合に発生します
InvocationThrottles SampleCount システムによってスロットルされた呼び出しの数。スロットルされたリクエストや他のエラーはカウントされません
InvocationServerErrors SampleCount AWSサーバー側エラーとなった呼び出しの数
InvocationClientErrors SampleCount クライアント側エラーとなった呼び出しの数
ModelLatency Milliseconds モデルのレイテンシ(応答遅延時間)
ModelInvocationCount SampleCount エージェントがモデルに行ったリクエスト数
ModelInvocationThrottles SampleCount Amazon Bedrockコアによってスロットルされたモデル呼び出しの数。スロットルや他のエラーはカウントされません
ModelInvocationClientErrors SampleCount クライアント側エラーとなったモデル呼び出しの数
ModelInvocationServerErrors SampleCount AWSサーバー側エラーとなったモデル呼び出しの数
InputTokenCount SampleCount モデルへの入力トークン数
OutputTokenCount SampleCount モデルからの出力トークン数

https://docs.aws.amazon.com/bedrock/latest/userguide/monitoring-agents-cw-metrics.html

TTFT

調べてる中で TTFT ってなんだろう?と思い、調べてみました。

TTFT とは、Time-to-first-token の略称で、エージェントに問い合わせてから、最初の応答までの時間のようです。ユーザーからみての待ち時間になるため、評価観点で非常に有用なメトリクスですね。

やってみる

それでは Amazon Bedrock Agents のメトリクス発行を試してみます。リージョンはバージニア北部を利用します。

IAM ロールの作成

Amazon Bedrock Agents 用に IAM ロールを先に作成します。

信頼ポリシー.json
{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": [
        {
            "Sid": "AmazonBedrockAgentBedrockFoundationModelPolicyProd",
            "Effect": "Allow",
            "Principal": {
                "Service": "bedrock.amazonaws.com"
            },
            "Action": "sts:AssumeRole",
            "Condition": {
                "StringEquals": {
                    "aws:SourceAccount": "123456789012"
                },
                "ArnLike": {
                    "aws:SourceArn": "arn:aws:bedrock:*:123456789012:agent/*"
                }
            }
        }
    ]
}

検証のため IAM ロールには AmazonBedrockFullAccess を付与しました。

CloudWatch Metrics の発行

メトリクスを発行するには Amazon Bedrock Agents 側に CloudWatch の権限付与が必要になります。

別途 IAM ポリシーを作成し、付与しておきましょう。

{
    "Version": "2012-10-17",
    "Statement": {
        "Effect": "Allow",
        "Resource": "*",
        "Action": "cloudwatch:PutMetricData",
        "Condition": {
            "StringEquals": {
                "cloudwatch:namespace": "AWS/Bedrock/Agents"
            }
        }
    }
}

エージェントの作成

エージェントの作成に移ります。先ほど作成したエージェントリソースロールに IAM ロールを指定しましょう。

エージェント向けの指示は以下を指定しました。

あなたは優秀なエージェントです。ユーザーからの指示に親切に誠実に回答してください。

2025-05-21 at 13.38.21-エージェントビルダー  エージェント  Amazon Bedrock  ap-northeast-1@2x.png

いくつか質問をしてみました。

2025-05-21 at 13.50.09-エージェントの詳細  エージェント  Amazon Bedrock  us-east-1@2x.png

CloudWatch Metrics が Bedrock/Agents で発行されています。

2025-05-21 at 14.01.14-メトリクス  CloudWatch  us-east-1@2x.png

自動ダッシュボードも表示できるようです。

2025-05-21 at 14.02.16-CloudWatch  us-east-1@2x.png

ディメンションは By Operation, AgentAliasArn, ModelId, By Operation, ModelId, By Operation の3つの軸で発行されていました。

2025-05-21 at 14.00.32-メトリクス  CloudWatch  us-east-1@2x.png

先ほど取り上げた TTFT も表示されてますね。

2025-05-21 at 14.03.32-メトリクス  CloudWatch  us-east-1@2x.png

AI サービスのオプトアウトポリシーについて

ドキュメントに記載されている通りデフォルトの場合、CloudWatch が収集したデータを CloudWatch のサービス改善のために使用される可能性があるようです。必要に応じて AI サービスのオプトアウトを適用しましょう。

If you don’t want CloudWatch to use collected data for CloudWatch service improvement, you can create an opt out policy. For more information, AI services opt-out policies.

https://docs.aws.amazon.com/bedrock/latest/userguide/monitoring-agents-cw-metrics.html

https://dev.classmethod.jp/articles/attach-ai-service-opt-out-policy-to-organizational-unit/

まとめ

以上、「Amazon Bedrock Agents の利用状況を CloudWatch で可視化できるようになりました。」でした。

組み込みでメトリクスを作り込まず、監視できるようになったのは、非常にありがたいですね。

クラウド事業本部コンサルティング部のたかくに(@takakuni_)でした!

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