【速報】Amazon Bedrockに複数AIエージェントの協調機能「multi-agent collaboration」が追加 〜複雑なタスクを分担して効率的に処理可能に〜

【速報】Amazon Bedrockに複数AIエージェントの協調機能「multi-agent collaboration」が追加 〜複雑なタスクを分担して効率的に処理可能に〜

Clock Icon2024.12.04

こんにちは、せーのです。
現地時間2024年12月3日、ラスベガスで開催中のAWS re:Invent 2024において、AWSはAmazon Bedrockの新機能「multi-agent collaboration capability」を発表しました。会場の熱気そのままに、本機能の詳細についてお伝えします。

bedrock_ma1

AI/ML分野は明日専用のキーノートがあるのですが、その前段としてBedrock系のアップデートが大量に出ていますね。この詳細は明日解説される、ということでしょうか。

bedrock_ma2

Amazon Bedrockエージェントとは

Amazon Bedrockのエージェントは、特定のタスクを実行するためのAIアシスタントです。Claude 3 Sonnetなどの大規模言語モデルをベースに、ビジネス特有の要件に合わせてカスタマイズできる機能を提供してきました。
しかし、これまでは単一のエージェントが全てのタスクを処理する必要があり、以下のような課題が存在していました:

複数の専門知識が必要なタスクの処理が困難

エージェントの再利用性が限定的

エージェントというのはスピードを保って処理を行うために、基本的には専門のタスクに専用のエージェントを作成します。なんでもかんでも詰め込んでしまうと遅くなってしまうんですね。その代償として、複雑なタスクを行う際に同じエージェントは使いにくい、という課題がありました。特にエラー処理や監視などが煩雑になる傾向がありました。

Multi-agent Collaborationによる革新

新しく追加されたmulti-agent collaboration機能は、これらの課題を解決します。
具体的には「スーパーバイザーエージェント」という調整役のエージェントが作成され、その指揮のもとに様々な専門性をもつエージェントが細かいタスクをこなし、スーパーバイザーエージェントと情報を交換しながら最終的なレスポンスに統合されます。

AWSのブログにソーシャルメディアキャンペーン管理での具体例が載っていました。

bedrock_ma3

活用例

キャンペーンマネージャーエージェント(スーパーバイザー)

全体戦略の立案と進行管理
タスクの分解と割り当て
最終成果物の品質確認

コンテンツ戦略エージェント

ターゲット層の分析
クリエイティブの企画立案
投稿内容の最適化

エンゲージメント予測エージェント

過去データの分析
最適な投稿タイミングの予測
パフォーマンス指標の予測

つまり、SNSに何か商品を投稿したい、と考えたときに「どういう内容で投稿するか」「いつ投稿するか」「どれくらいバズれば成功か」という観点でそれぞれのエージェントが考え、その結果をスーパーバイザーがまとめて処理をする、という形ですね!

セットアップと利用の簡便性

本機能の特筆すべき点は、その導入のしやすさです:

エージェントの作成

Amazon Bedrockコンソールから数クリックで作成
既存エージェントの再利用が可能
柔軟な設定オプション

協調設定

GUIベースの直感的な設定
エージェント間の関係性を視覚的に管理
動作確認用の統合デバッグ環境

モニタリング

リアルタイムのトレース機能
エージェント間のコミュニケーション可視化
パフォーマンス分析ツール

スーパーバイザーエージェントの導入

  • 複雑なタスクを適切なサブタスクに分解
  • 各専門エージェントへの作業割り当て
  • 結果の統合と品質管理を一元管理

専門エージェントの役割分担

各エージェントが得意分野に特化
既存エージェントの再利用が可能
エージェント間での効率的な情報共有

  1. 2つの協調モード

スーパーバイザーモード

全てのやり取りをスーパーバイザーが管理
複雑なタスクの段階的な処理に最適
品質管理とエラー処理を確実に実施

ルーティングモード

単純なタスクは直接サブエージェントが処理
処理速度の向上
必要に応じてスーパーバイザーモードに切り替え

提供時期・リージョン・制限事項

提供開始: 本日よりプレビュー版として提供開始
対応リージョン: Amazon Bedrock対応の全リージョン(米国GovCloud US-Westを除く)
現在の制限:

プレビュー期間中は同期的な処理のみサポート
最大3階層までのエージェント階層構造
リアルタイムチャットアシスタントのユースケースに対応

今後の展望

本機能は、以下のような分野での活用が期待されます:

カスタマーサービスの自動化
複雑なデータ分析と可視化
マーケティング施策の最適化
製品開発プロセスの効率化

料金

料金体系については、正式リリース時に詳細が発表される予定です。

まとめ

multi-agent collaboration capabilityは、Amazon Bedrockのエージェント機能を大きく進化させる革新的な機能です。複雑なビジネスタスクを効率的に処理できる本機能は、今後のAI活用の新しい可能性を切り開くものと期待されます。
引き続き、AWS re:Invent 2024からの最新情報をお届けしてまいります。本機能の詳細仕様や料金体系など、新しい情報が入り次第、本ブログを更新させていただきます。

参照リンク

https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/introducing-multi-agent-collaboration-capability-for-amazon-bedrock/

Share this article

facebook logohatena logotwitter logo

© Classmethod, Inc. All rights reserved.