Amazon Connect AIエージェントタイプごとに利用可能な変数をまとめてみた

Amazon Connect AIエージェントタイプごとに利用可能な変数をまとめてみた

2026.02.05

はじめに

Amazon Connect のAIエージェントのAIプロンプトをカスタマイズする際、「どの変数が利用可能なのか?」という疑問に思うことがありました。

AWS公式ドキュメントの「サポートされている変数」を確認しても、記載されているのは transcriptquery など一部のみです。
しかし、実際のコンソール画面でデフォルトのプロンプトを確認すると、ドキュメントには載っていない変数が多数使用されています。

そこで本記事では、実際のコンソール上で確認できるデフォルトの各AIプロンプトの内容をもとに、各AIエージェントタイプで利用可能な変数を整理しました。

結論

検証の結果、変数の利用可否については以下のルールがあることがわかりました。

  1. デフォルトプロンプトにある変数は利用可能
    ドキュメントに記載がなくても、コンソール上のデフォルトプロンプトに記述されている変数は利用できます。
  2. デフォルトプロンプトにない変数は利用不可
    デフォルトプロンプトで使用されていない変数は、利用できません。「実は使える未公開の変数」のようなものは存在しない仕様となっていました。

AIエージェントタイプ別 利用可能変数一覧

以下に、各AIエージェントタイプおよびAIプロンプト機能ごとの利用可能な変数を記載します。

なお、表内の「ドキュメント」列は、公式ドキュメントへの記載有無を示しています。

1. オーケストレーション系 (Orchestrator)

以下の3つのAIエージェントは、いずれもオーケストレーションタイプとして分類され、共通の変数が利用可能です。

  • AgentAssistanceOrchestrator
  • SalesAgent
  • SelfServiceOrchestrator

このタイプは、ドキュメント未記載の変数が最も多く含まれています。

変数名 説明 ドキュメント
{{$.toolConfigurationList}} ツールの設定リスト ×
{{$.contactId}} コンタクトID ×
{{$.instanceId}} インスタンスID ×
{{$.sessionId}} セッションID ×
{{$.assistantId}} アシスタントID ×
{{$.dateTime}} 現在の日時 ×
{{$.conversationHistory}} 会話履歴 ×

2. セルフサービス (SelfService)

自動応答チャットボットなどで利用されるエージェントです。

ANSWER_GENERATION (回答生成)

変数名 説明 ドキュメント
{{$.contentExcerpt}} ナレッジベースの検索結果からの抜粋
{{$.query}} ユーザーのクエリ(質問内容)
{{$.locale}} 言語ロケール (例: ja_JP)

PRE_PROCESSING (前処理)

変数名 説明 ドキュメント
{{$.transcript}} 会話のトランスクリプト

3. メモ作成 (NoteTaking)

通話後の要約やメモを生成するエージェントです。

変数名 説明 ドキュメント
{{$.latestNotes}} 直前のメモ内容(更新時などに利用) ×
{{$.transcript}} 会話のトランスクリプト
{{$.locale}} 言語ロケール

4. マニュアル検索 (ManualSearch)

エージェントが手動で検索を行った際の回答生成を行うエージェントです。

ANSWER_GENERATION (回答生成)

変数名 説明 ドキュメント
{{$.contentExcerpt}} ナレッジベースの検索結果からの抜粋
{{$.query}} 検索クエリ
{{$.locale}} 言語ロケール

5. Eメール応答系

Eメールチャネルに関連するエージェントは機能ごとに分かれています。

EmailResponse (返信生成)

メールの返信案を作成するエージェントです。

  • EMAIL_QUERY_REFORMULATION (クエリ再構成)
    • {{$.transcript}}, {{$.locale}}
  • EMAIL_RESPONSE (返信生成)
    • {{$.transcript}}, {{$.contentExcerpt}}, {{$.locale}}

EmailOverview (概要生成)

メールスレッドの概要を生成するエージェントです。

  • EMAIL_OVERVIEW
    • {{$.transcript}}, {{$.locale}}

EmailGenerativeAnswer (生成AI回答)

メール内容に対する回答を生成するエージェントです。

  • EMAIL_QUERY_REFORMULATION (クエリ再構成)
    • {{$.transcript}}, {{$.locale}}
  • EMAIL_GENERATIVE_ANSWER (回答生成)
    • {{$.transcript}}, {{$.contentExcerpt}}, {{$.locale}}

6. ケースの要約 (CaseSummarization)

Customer Profiles のケース情報を要約するエージェントです。

変数名 説明 ドキュメント
{{$.caseData}} ケースに関連するデータ(XML形式で渡される) ×
{{$.locale}} 言語ロケール

7. 回答の推奨 (AnswerRecommendation)

リアルタイムでエージェントに回答候補を提示するエージェントです。

ANSWER_GENERATION (回答生成)

変数名 説明 ドキュメント
{{$.contentExcerpt}} ナレッジベースの検索結果からの抜粋
{{$.query}} クエリ
{{$.locale}} 言語ロケール

INTENT_LABELING_GENERATION (インテントラベル生成)

変数名 説明 ドキュメント
{{$.transcript}} 会話のトランスクリプト
{{$.previousIntents}} 以前に検出されたインテント ×
{{$.locale}} 言語ロケール

QUERY_REFORMULATION (クエリ再構成)

変数名 説明 ドキュメント
{{$.transcript}} 会話のトランスクリプト
{{$.locale}} 言語ロケール

一覧にない変数を利用したい場合

上記に含まれない情報(例:発信元の電話番号、顧客の会員ランクなど)をプロンプト内で利用したい場合は、カスタムデータを利用します。

UpdateSessionData API を使用して Amazon Q in Connect のセッションにデータを追加することで、AIプロンプト側でその変数を参照できるようになります。

手順は以下の記事やドキュメントを参照してください。

https://docs.aws.amazon.com/connect/latest/adminguide/custom-data-q.html

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-q-connect-custom-session-data-advanced-ai-agent/

おわりに

Amazon Connect AIエージェントのAIプロンプトをカスタマイズする際、利用可能な変数がドキュメントに網羅されていない部分があります。

現時点の仕様では「デフォルトプロンプトに含まれている変数のみ使える」と考え、それ以外はカスタムデータを利用する必要があります。

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