Amazon Connect Emailでメールを受信してみた

Amazon Connect Emailでメールを受信してみた

2025.10.02

はじめに

Amazon Connect Emailは、Amazon Connectの音声、チャット、SMS、タスク、ウェブ通話など、他のチャネルと同じ方法で設定、ルーティング、分析が可能で、エージェントも同じ操作環境で対応できます。

以前、Amazon Connect EmailでConnectから顧客にメール送信する方法を書きました。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-connect-email-ga-notification/

今回は、顧客からエージェントへのメール受信を試してみます。AWSドキュメントを参考にすると一部エラーになりましたので、注意点も記載します。

Amazon Connect メールドメインを取得する

サービスロール作成後、ドメインを追加します。
cm-hirai-screenshot 2024-11-30 21.51.15

ドメインは、今回は[Amazon Connect の E メールドメイン]を選択します。カスタムドメインも利用可能です。
Connectインスタンス名.email.connect.awsというEメールドメインが自動生成されます。
cm-hirai-screenshot 2024-11-30 21.52.12
すぐに作成されます。
cm-hirai-screenshot 2024-11-30 21.54.03

メール保存先の設定

メール内容をS3バケットに保存するための設定を行います。

[データストレージ]から[メールメッセージ]を有効化します。

cm-hirai-screenshot 2024-12-02 8.23.11

S3バケットを選択します。通話記録と同じ保存先を使用しても問題ありません。

cm-hirai-screenshot 2024-12-02 8.23.30

S3バケットポリシーの設定

メール保存先として選択したS3バケットには、以下のCORSポリシーを設定します。

			
			[
    {
        "AllowedHeaders": [
            "*"
        ],
        "AllowedMethods": [
            "PUT",
            "GET"
        ],
        "AllowedOrigins": [
            "*.my.connect.aws",
            "*.awsapps.com"
        ],
        "ExposeHeaders": []
    }
]

		

cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.41.55

CORSポリシーを設定する理由

Amazon Connect Emailでは、エージェントワークスペースからS3バケットに保存されたメール本文や添付ファイルにアクセスする必要があります。エージェントワークスペースはブラウザ上で動作するため、異なるオリジン(Amazon ConnectのドメインとS3バケットのドメイン)間でのリソースアクセスが発生します。

CORSポリシーを設定することで、以下が可能になります。

  • エージェントワークスペースからS3バケットに保存されたメール内容の取得(GETリクエスト)
  • エージェントワークスペースからS3バケットへの添付ファイルのアップロード(PUTリクエスト)

このポリシーがないと、ブラウザのセキュリティ制約により、S3バケットへのアクセスがブロックされ、メール内容を表示できません。

注意点

AWSドキュメントには、データストレージの添付ファイルを有効化している場合にCORSポリシーを設定する必要があると記載されていますが、これは不正確です。添付ファイルを無効化している場合でもCORSポリシーを設定する必要があります。

インスタンスの添付ファイル共有を有効にするを選択した場合は、このトピックで説明されているように、Amazon S3 バケットを作成し、添付ファイルバケットに CORS ポリシーを設定する必要があります。これを行わないと、E メールチャネルはインスタンスで機能しません。

cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.37.37

https://docs.aws.amazon.com/connect/latest/adminguide/enable-email1.html#config-email-attachments-cors1

添付ファイルを無効化している場合でも、CORSポリシーを設定していないと、メール受信時に以下のエラーが発生します。

cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.29.22
添付ファイルを無効化、かつ、CORSポリシー未設定の場合

E メールメッセージを取得できませんでした
Amazon S3 バケットのクロスオリジンリソース共有 (CORS) ポリシーが無効なため、E メールメッセージにアクセスできません。管理者にお問い合わせください。

cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.41.11

コンタクトフローの作成

エージェントに繋がる以下のようなフローを作成します。

cm-hirai-screenshot 2025-09-02 16.48.45

メールアドレスの作成

Connectの管理コンソールにログイン後、セキュリティプロファイルで[Email addresses]を有効化します。

cm-hirai-screenshot 2024-11-30 22.01.28
有効化後、チャネルに[メールアドレス]が追加されますので遷移します。
cm-hirai-screenshot 2024-11-30 22.02.49
メールアドレスを作成します。
cm-hirai-screenshot 2024-11-30 22.05.28
ドメインは先程のConnectのデフォルトドメインです。エイリアスを記載します。先ほど作成したフローを選択します。

cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.21.58

Amazon SES サンドボックスの解除

以下の記事を参考にAmazon SES サンドボックスを解除します。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-ses-production-access-request/

メール受信を試してみる

メールを送信します。
cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.39.41

受信しました。メール送信から受信までに1分程度かかりました。
cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.44.15
メール内容が確認できます。全員返信をクリックします。
cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.44.27
返信文章を記載し、送信します
cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.44.48
アフターコールワーク中も内容を確認できます。

cm-hirai-screenshot 2025-09-03 17.45.03

最後に

Amazon Connect Emailでメール受信を試してみました。

AWSドキュメントには添付ファイルを有効化している場合のみCORSポリシーの設定が必要と記載されていますが、実際には添付ファイルを無効化している場合でもCORSポリシーの設定が必要です。

メール受信を設定する際は、この点にご注意ください。

参考

https://docs.aws.amazon.com/ja_jp/connect/latest/adminguide/setup-email-channel.html

この記事をシェアする

FacebookHatena blogX

関連記事

Amazon Connect Emailでメールを受信してみた | DevelopersIO