Amazon Connect 外部音声転送の料金体系が刷新され、導入ハードルが下がりました
はじめに
2025 年 5 月より、Amazon Connect の外部音声機能の料金体系が大幅に刷新されました。
従来の「月額 4 万 USD(数百万分込み)」というパッケージ制は廃止され、今後は
- コネクタ料金:一律 3,100 USD/月
- 通話料金:実際の利用分のみ課金(0.005 USD/分、Contact Lens 利用時は 0.012 USD/分)
というシンプルかつ低コストなモデルに変わります。
この改定により、小規模な PoC や段階的な導入が格段に行いやすくなりました。
外部音声転送は、Amazon Connect のテレフォニー/IVRで受けた通話を 公衆交換電話網 を経由せずに他社 PBX・CCaaS(Contact Center as a Service) へ音声とメタデータごと直接ルーティングする機能です。
Amazon Connect Contact Lens 外部音声は、 既存 PBX の通話を Contact Lens にストリーミングし、録音・会話分析・パフォーマンス評価などを Amazon Connect 側で実行できる機能です。
現時点で外部音声関連は バージニアリージョンとオレゴンリージョンのみサポートしています。
新旧料金を比較
新しい料金体系のポイントは次の 3 つです。
- 「無料分」を廃止し、通話時間に応じて分単位で課金
- コネクタ料金を 40,000 → 3,100 USD に値下げ(約 92% オフ)
- 2 本目以降のコネクタも同額(無料特典は終了)
① 外部音声転送
項目 | 旧料金(〜2025/4/30) | 新料金(2025/5/1〜) |
---|---|---|
コネクタ月額 | 1 本目 40,000 USD/月(400 万分込み) 2 本目以降 0 USD |
3,100 USD/月(コネクタ数にかかわらず) |
通話課金 | 400 万分超過分から 0.005 USD/分 | 0.005 USD/分(1 分目から課金) |
② Contact Lens の外部音声転送
項目 | 旧料金(〜2025/4/30) | 新料金(2025/5/1〜) |
---|---|---|
コネクタ月額 | 1 本目 40,000 USD/月(200 万分込み) 2 本目以降 0 USD |
3,100 USD/月(コネクタ数にかかわらず) |
通話課金 | 200 万分超過分から 0.012 USD/分 | 0.012 USD/分(1 分目から課金) |
備考 | Contact Lens の会話分析・パフォーマンス評価・録音は別課金 | 同左 |
料金改定で得られるメリット
- 小規模ほど低コスト
例:1コネクタ+20 万分/月: 旧 40,000 USD → 新 4,100 USD(約 90 % 削減) - 複数コネクタ運用でもコストダウン
例:3 コネクタ+60 万分/月 : 旧 40,000 USD → 新 12,300 USD(約 69 % 削減) - PoC/新規導入の初期投資が数千ドル規模へ
予算面のハードルが下がり、短期間での検証が容易に - コネクタ料金と通話料を分離でき、原価計算がシンプルに
移行時のチェックポイント
- 新料金は自動適用
2025/5/1 以降の利用分から自動で新料金が適用されます。設定変更は不要です。 - コネクタ数の棚卸し
2 本目以降も 1 本あたり 3,100 USD/月 が発生します。
テスト用やバックアップ用など不要なコネクタは削除し、コストを最適化しましょう。
最後に
今回の改定により、Amazon Connect の外部音声機能は 「パッケージ」から「低額サブスク+従量課金」 へ刷新されました。
PoC や段階的導入がしやすくなりましたので、ぜひ利用検討してみてください。