Amazon Connect リアルタイムメトリクスにおけるエージェントの「次のアクティビティ」項目を解説
はじめに
Amazon Connect のリアルタイムメトリクスには “次のアクティビティ” という項目があります。
しかし AWS 公式ドキュメントにはこの項目に関して、説明が見当たりませんでした。
本記事では、この “次のアクティビティ” が何を示し、どのように活用できるのかを検証結果とともに解説します。
次のアクティビティとは
結論から言うと、リアルタイムメトリクスの「次のアクティビティ」列には、通話中にエージェントが予約した「次のステータス」が表示されます。
これにより管理者は、ACW(After Contact Work)終了後にエージェントがどのステータスへ遷移するかを事前に把握できます。
エージェントは通話やチャットの対応中に、次に移行したいステータスを手動で予約でき、選択肢は「オフライン」か、昼食や休憩などのカスタムステータスです。
予約すると CCP には「次のステータス: 休憩」のように表示され、現在の問い合わせがすべて完了すると ACW を経て自動的にそのステータスへ切り替わります。
リアルタイムメトリクス上の挙動は以下の通りです。
- エージェントが通話中に次のステータスを「Offline」に設定
- リアルタイムメトリクスの「次のアクティビティ」列に「Offline」と即表示
- 予約しなかった場合は「次のアクティビティ」列は空欄のまま
- ACW が終わるとステータスが自動で「Offline」へ切り替わる
主なユースケースは以下の通りです。
- 退勤前の最終通話:通話終了 ⇒ ACW ⇒ 自動で Offline
- 休憩を取りたい:通話終了 ⇒ ACW ⇒ 自動で 休憩
- 複数チャット対応中に一時離席:残りチャットが終わり次第、自動で Offline
アクティビティの挙動を確認
まずは「次のステータス」を設定しない場合に、ステータスと「次のアクティビティ」列がどのように変化するかを見てみk。
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通話前:Available
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通話中:On contact
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ACW 中:After contact work
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ACW 終了後:Available に復帰
「次のステータス」を設定していないため、いずれのフェーズでもリアルタイムメトリクスの「次のアクティビティ」列は空欄のままです。
次のアクティビティの挙動
ここからは「次のステータス」を設定した場合に、CCP とリアルタイムメトリクスがどのように変化するかを確認します。
1. 通話中
通話開始直後の CCP。現在のステータスは Available です。
この状態でステータスを手動で「休憩」に変更すると、CCP 左上に 次のステータス: 休憩
と表示されます。
同時に、リアルタイムメトリクスの「次のアクティビティ」列にも「休憩」が反映されました。
2. ACW 中
通話を終了し ACW に入っても、「次のアクティビティ」列は休憩のままです。
補足:ACW 中にステータスを休憩へ変更した場合は「次のステータス」としては扱われず、ACW が即終了して休憩へ直接遷移します。ドキュメントどおり、「次のステータス」は通話(On contact)中のみ設定可能です。
3. ACW 終了後
ACW が完了すると、自動的にステータスが休憩へ切り替わります。
リアルタイムメトリクス上でもアクティビティが休憩となっていることを確認できます。
このように、「次のステータス」を設定すると通話中から ACW 終了後まで一貫して「次のアクティビティ」列に予約済みステータスが表示され、管理者はエージェントの次の動きを事前に把握できます。