Amazon Connectで複数の電話先に順番に掛けるシンプルな方法
こんにちは、AWS事業本部の荒平(@0Air)です。
Amazon Connectを用いて、複数の電話先に順番に電話を掛けるシンプルな方法をご紹介します。
ユースケースとしては、保守などで担当者が固定されていて、CloudWatchなどをトリガーにして架電することを想定しています。
概要
登場する主なサービス
本エントリで紹介する構成に主に登場するサービスは以下です。
メリット
- フラグ管理にDynamoDBやS3などを使わず、ConnectとLambdaのみを使用するので、構成がシンプル
- 電話番号を記載したテキストファイルやCSVファイルを管理しなくてよい
デメリット
- レスポンスを待機するため、Lambdaの起動時間が長くなる (≒料金が増える可能性がある)
電話のフロー
実装したいフローのイメージです。
仮に担当者を3人として、A→B→C→A→...→タイムアウト となるようにします。
作ってみた
Amazon Connect
- インスタンスの作成などの手順はこちらの記事をご覧ください。
- コンタクトフローの作成
今回は、以下のようなコンタクトフローを作成しました。 -
ID情報の取得
次の手順で使用するIDを取得してメモしておきます。① 「Amazon ConnectのインスタンスID」は、Amazon Connectのコンソール画面に記載があります。
② 「コンタクトフローID」は、使用するコンタクトフロー画面の左下にARNが記載してあります。
Lambda
Lambdaの環境変数を使用するため、以下の情報を入力して保存します。
- SOURCE_PHONE_NUMBER
- 電話を掛ける番号を記載します( 発信側 )
- インスタンスで使用する電話番号は、Amazon Connectサービス画面にて取得できます
- TARGET_PHONE_NUMBER
- 電話を受ける番号を記載します( 受信側 )
- 電話番号については国番号(日本の場合+81)から始め、複数ある場合はカンマ(,)で区切ります
- INSTANCE_ID
- Amazon ConnectのインスタンスIDを記載します
- CONTACT_FLOW_ID
- 使用するAmazon ConnectのコンタクトフローIDを記載します
また、以下のコードを保存します。
import json import boto3 import os import time SOURCE_PHONE_NUMBER = os.getenv('SOURCE_PHONE_NUMBER') TARGET_PHONE_NUMBER = os.getenv('TARGET_PHONE_NUMBER') INSTANCE_ID = os.getenv('INSTANCE_ID') CONTACT_FLOW_ID = os.getenv('CONTACT_FLOW_ID') Telnumbers = "" def lambda_handler(event, context): global Telnumbers Telnumbers = os.environ[TARGET_PHONE_NUMBER].split(',') connect_call() # Amazon Connectからの電話発信 def connect_call(): call_status = "unanswered" print("架電対象:" + str(Telnumbers)) for Telnumber in Telnumbers: if call_status=="unanswered": client = boto3.client('connect', region_name='ap-northeast-1') call = client.start_outbound_voice_contact( DestinationPhoneNumber= Telnumber, InstanceId=INSTANCE_ID, ContactFlowId=CONTACT_FLOW_ID, SourcePhoneNumber=SOURCE_PHONE_NUMBER, Attributes = { 'call_status': call_status } ) # 電話が取られているか判定 time.sleep(10) # StartOutboundVoiceContactのタイムアウトは60秒 contact_id = call['ContactId'] attributes = client.get_contact_attributes( InstanceId=INSTANCE_ID, InitialContactId=contact_id ) call_status = attributes['Attributes']['call_status'] print(json.dumps(attributes)) print(Telnumber, call_status)
後半にて、call_statusの値を確認することで、誰かが電話を取った後に架電しない仕組みとしました。
コンタクトフロー内で「コンタクト属性の設定」を用いることで、フローが開始した(≒電話が繋がった)際に変数を再代入しています。
Lambdaへの実行権限付与
Lambdaの実行ロールへ必要な権限を渡します。
今回は、検証用関数のためマネージドの「AmazonConnect_FullAccess」をアタッチしました。
Lambdaのタイムアウト値変更
デフォルトではタイムアウト値は3秒ですが、実行時間を伸ばしたいので、[設定] > [一般設定]よりタイムアウト値を変更します。
Amazon Connect と Lambda の紐付け
Amazon Connectのサービス画面から、「問い合わせフロー」>「AWS Lambda」より、作成したLambda関数をプルダウンから選択して[+ Add Lambda Function]ボタンをクリックします。
追加できると、以下のように表示されます。
(解除する場合は、[Remove]をクリックすると関連付けが解除されます)
実行してみる
電話が順番に掛かってきました
私用のDual SIM+会社の電話番号転送で、1端末に3電話番号をコールできたので、やってみました。
3回無視した後、4回目に電話を取ったので文字色が白くなっています。
さいごに
外部ファイルを利用せずにAmazon Connectを用いて順番に電話を掛ける方法を紹介しました。
架電したい電話番号が決まっていて、数が多すぎない場合はシンプルな構成を取ることができます。
このエントリが誰かの助けになれば幸いです。
それでは、AWS事業本部 コンサルティング部の荒平(@0Air)がお送りしました!