[Amazon Connect] チャット対応と同時にアップデートされたブロックについて
1 はじめに
CX事業本部の平内(SIN)です。
Amazon Connect(以下、Connect)では、昨年末、音声での対応に加えて、チャットでの利用も可能になりました。
真のオムニチャネルコンタクトセンター体験を実現する、Amazon Connect Web & Mobile チャットのご紹介
そして、このタイミングで、チャットに関係する機能拡張で、いくつかのブロックが新しく追加されたり、アップデートされています。
今回は、これらのブロックについて確認してみました。
2 新しく追加されたブロック
新しく追加されたブロックは、以下の2種類です。
- Wait
- Set disconnect flow
(1) Wait
Waitブロックは、チャットの問い合わせフローの中のみで使用可能です。(通話のフローで使用すると、エラーとなります)
このブロックを置くと、単純に指定した時刻でタイムアウトするまで待機となります。 また、Customer has returnedにチェックを入れると、顧客が何らかのタイプを入力した場合、タイムアウトを待たずに先に進みます。
タイムアウトに指定できる時間は、最大24時間です。
このブロックの使い所は、以下の2つが、考えられます。
1つ目は、顧客からの入力がしばらく無くても、チャットを継続させる使い方です。これを実装するには、後述するSet disconnect flowを使用して、顧客からの入力が長時間止まった場合に、エージェントからの切断で、一旦、現在のフローを終了させておいて、遷移先のフローでここのWaitで待機させます。こうすることで、Waitで指定した時間内に再び顧客からの入力があった時に、元のフローに戻って、再び、コンテキストが有効な接続に戻ることができます。
2つ目の使い方は、このWaitをチャットフローの先頭に置いて、顧客からの何から入力があってから、初めてエージェントへ接続する処理へ進める使い方です。 チャットのAPIでは、接続があった時点で直ちに指定したフローが動き出しますが、顧客が 誤ってクリックしただけの場合など、即時エージェントに繋ぐのは、少しコストが高いと考えられる要件に利用できると思います。
(2) Set disconnect flow
エージェントがチャットから切断したときに実行するフローを設定します。
「Specifies the disconnect flow for either agent, customer, or both.」とありますが、使用できるのは、エージェントから切断のみです。
チャットが、エージェントによって切断された場合、このブロックで指定したフローに進みます。
先に上げた使用例のように、顧客の入力が止まってしまって、待ちに入ってしまった場合の仕組みを実装するために利用できます。
3 機能がアップデートされたブロック
機能がアップデートされたブロックは、以下の4つです。
- プロンプトの再生
- 顧客の入力を取得する
- 顧客の入力を保存する
- 通話記録動作の設定
(1) プロンプトの再生
プロンプトの再生は、従来、音声の再生でしたが、テキストのところに記述した内容は、チャットのレスポンス(自動応答)となりました。
(2) 顧客の入力を取得する
(3) 顧客の入力を保存する
顧客の入力を取得すると顧客の入力を保存するの2つについては、Englishドキュメントには説明があるのですが、2020/01/07現在、日本語ではまだ利用できないようです。(チャットのフローの中で使用すると終了してしまいます)
なお、顧客の入力を取得するブロックのEnglishドキュメントには、従来のDTMF及び、LexのIntentに加えて、チェット入力で分岐できる説明があります。
(4) 通話記録動作の設定
通話記録動作の設定では、従来の音声の録音に加えて、チャットの記録が可能になっています。
チャットが記録されるS3のバケットは、Connectのコンソール上で確認できます。
記録は、JSON形式のデータとなっています。
4 チャットと通話の分岐
ブロックによって、チャットでしか使用できないものもあります。通話のフローと処理を分岐するためには、問い合わせ属性を確認するブロックを使用します。
タイプ:システム、属性:チャンネルが、CHATとなっている場合、チャットで接続されているという判断が可能です。
5 最後に
今回は、ブロックのアップデートについて確認してみましたが、メトリック・レポートについても、チャットに関連してもいくつかのアップデートがされています。
次回は、この辺も確認してみたい思います。