[アップデート] Amazon DocumentDB でバージョン 5.0 から 8.0 へのインプレースメジャーバージョンアップグレードがサポートされました
いわさです。
Amazon DocumentDB (with MongoDB compatibility) は MongoDB 互換のフルマネージドドキュメントデータベースサービスです。
2025年11月に Amazon DocumentDB 8.0 がリリースされ、クエリレイテンシーが最大 7 倍改善、ストレージ圧縮率が最大 5 倍改善されるなど、パフォーマンスとコスト効率が大幅に向上しています。
Amazon DocumentDB ではコンソールからエンジンバージョンを変更することでインプレースのメジャーバージョンアップグレード(MVU)を行うことができますが、8.0 リリース時点ではインプレース MVU が未サポートでした。
そのため既存の DocumentDB 5.0 クラスターを 8.0 にアップグレードするには AWS Database Migration Service (DMS) を使った移行が必要で、新しいクラスターの作成やエンドポイントの切り替えが発生する状況でした。
今回のアップデートで、DocumentDB 5.0 から 8.0 へのインプレース MVU がサポートされました。
インプレース MVU では、既存のクラスターのエンドポイント、ストレージ、タグをそのまま維持したままバージョンアップグレードが可能です。
新しいクラスターの作成やインデックスの再構築も不要で、追加コストもかかりません。
今回こちらを確認してみたので紹介します。
実際に確認してみる
では早速マネジメントコンソールからインプレース MVU を試してみましょう。
制約の確認
公式ドキュメントによると、インプレース MVU はインスタンスベースクラスターのみ対応で、グローバルクラスターおよびエラスティッククラスターでは利用できません。
In-place MVU is not supported for global clusters or elastic clusters.
また、DocumentDB serverless は 5.0 のみサポートされており 8.0 では利用できないため、サーバーレスインスタンスを含むクラスターも対象外です。
DocumentDB serverless is supported by Amazon DocumentDB 5.0.0 engine version only. It is not available on engine versions 3.6, 4.0, or 8.0.
実際にサーバーレスインスタンスを含むクラスターで 8.0 へのインプレース MVU を試みたところ、以下のようにエラーが表示されました。

RDS does not support creating a DB instance with the following combination: DBInstanceClass=db.serverless, Engine=docdb, EngineVersion=8.0.0 ということで、サーバーレスインスタンスと 8.0 の組み合わせがサポートされていないことがわかります。
検証用クラスターの準備
今回は事前に DocumentDB 5.0 のインスタンスベースクラスター(db.t3.medium)を用意しました。

また、アップグレード後にデータやインデックスが保持されることを確認するため、mongosh で接続してテストデータとインデックスを作成しておきました。
users コレクションと orders コレクションにドキュメントを投入し、それぞれに複合インデックスやユニークインデックスを設定しています。

アップグレードの実行
クラスターを選択して「アクション」→「変更」を選択します。
5.0 からの MVU でも 8.0.0 が選択できるようになっています。

変更の概要でクラスターパラメータグループが default.docdb5.0 から default.docdb8.0 に、エンジンバージョンが 5.0.0 から 8.0.0 に変更されることが確認できます。
「すぐに適用」を選択して「クラスターの変更」をクリックします。

クラスター一覧に戻ると、ステータスが「Upgrading」に変わっています。

アップグレードの完了確認
アップグレードの進捗はクラスター詳細の「イベントとタグ」タブで確認できます。

今回の検証環境(db.t3.medium、テストデータ少量)では約 10 分でアップグレードが完了しました。
イベントログの末尾に「Post-upgrade cluster status: Index metadata refresh process started」「Post-upgrade cluster status: Index metadata refresh process completed in 7 seconds」と表示されており、アップグレード直後のインデックスメタデータリフレッシュ処理も 7 秒で完了しています。
公式ドキュメントによると、このリフレッシュ処理はインデックス数によっては最大 2 時間かかる場合があるとのことです。
Immediately after the in-place major version upgrade, your Amazon DocumentDB cluster repopulates index metadata that the database engine uses to optimize query execution plans. Query performance returns to expected levels once this process completes. It typically finishes in a few minutes but can take up to two hours depending on the number of indexes on your cluster.
アップグレードが完了するとクラスターのステータスが「Available」に戻り、エンジンバージョンが 8.0.0 になっています。

インデックスとデータの確認
アップグレード後に mongosh でクラスターへ接続してみます。
接続時の表示で Using MongoDB: 8.0.0 となっており、8.0 にアップグレードされていることがわかります。

countDocuments() でドキュメント数を確認すると、users が 3 件、orders が 3 件で、アップグレード前と同じデータが保持されています。
getIndexes() でインデックスを確認すると、アップグレード前に作成した email_1(ユニーク)、city_1_age_-1、userId_1_date_-1、product_1 がそのまま残っていることが確認できます。
インデックスの再構築は不要で、そのまま利用可能です。良いですね!
さらに db.users.find({ city: "Tokyo" }).explain() を実行すると、plannerVersion: 3 で city_1_age_-1 インデックスを使った IXSCAN になっていることが確認できます。
5.0 から 8.0 へのアップグレードで変わること
公式ドキュメントによると、5.0 から 8.0 へアップグレードすると以下の変更が適用されるようです。
- Collation: 新しいコレクションとインデックスでコレーションがデフォルトで有効になる
- Text Index V2: 新しいテキストインデックスは V2 で作成される(既存のテキストインデックスは影響なし)
- Query Planner Version 3: デフォルトパラメータグループでは Planner Version 3 が選択され、ビューも利用可能になる
- Zstd 圧縮: 新しいコレクションは Zstd 圧縮がデフォルトで有効になる(既存コレクションは従来の設定を維持)
- インデックスの再構築は不要
After performing a major version upgrade from Amazon DocumentDB 5.0 to 8.0, the following features are enabled or changed: Collation, Text index, Query planner version, Compression, Index rebuild is not needed.
既存コレクションで Zstd 圧縮の恩恵を受けたい場合は、アップグレード後に圧縮設定を変更する必要がありますね。
さいごに
本日は Amazon DocumentDB で 5.0 から 8.0 へのインプレースメジャーバージョンアップグレードがサポートされたので確認してみました。
今回の検証では db.t3.medium の小規模クラスターで約 10 分で完了しました。
これまで 8.0 へのアップグレードには DMS を使った移行が必要で、新クラスターの作成やエンドポイントの切り替えが必要でした。
インプレース MVU であれば、ダウンタイムを考慮する必要はあるのですがエンドポイントもストレージもそのままアップグレードできるので、移行の手間がかなり軽減されますね。8.0 への移行選択肢が増えました。(サーバーレスインスタンスやエラスティッククラスター、グローバルクラスターは対象外なので、これらを使っている場合は引き続き DMS での移行が必要)
DocumentDB 8.0 ではクエリレイテンシーの改善や Zstd 圧縮によるストレージ効率の向上など色々と改善されているので、5.0 を使っている方はアップグレードを検討してみてはいかがでしょうか。








