Amazon EC2 の将来日付のオンデマンドキャパシティ予約が開始日の延期に対応したので試してみた
はじめに
Amazon EC2 の将来日付のオンデマンドキャパシティ予約は、5〜120 日先から利用予定の EC2 のキャパシティを確保できる機能です。今回のアップデートで予約した開始日を延期できるようになりました。 これまでは開始日を変更できずキャンセルして予約し直す必要がありました。
なにがうれしいのか
将来日付のオンデマンドキャパシティ予約をした後に急な仕事が入り、EC2 を使い始める時期を後ろへずらしたくなったとします。

これまではキャンセル料を払って予約し直すこともあった
開始日を変更できなかったため、時期をずらすには予約をキャンセルして作り直す必要がありました。キャンセル料はキャンセルした日が開始日の何週間前かに依ります。
| キャンセルの時期 | 最低キャンセル率 |
|---|---|
| 開始日の 8 週間以上前 | 無料 |
| 開始日の 2〜8 週間前 | 総コミットメントの 25% |
| 開始日の 2 週間以内 | 総コミットメントの 50% |
| 提供開始後、コミットメント期間中 | 残りコミットメントの 50% |
延期ならキャンセル料なしで開始日を後ろに倒せる
今回のアップデートで、予約をキャンセルせずに開始日だけを後ろへずらせるようになりました。キャンセルしないのでキャンセル料はかかりません。嬉しい!
注意事項
課金周りの仕様を把握しておきましょう。
キャンセル料の起点は延期しても元の開始日

キャンセルの時期は「元の開始日(original start date)」になっています。公式ドキュメントの計算例も、元の開始日の 2 週間以内のキャンセルを 50% として扱っています。
For example, if you have a 70-instance
c8g.xlargeCapacity Reservation with a 14-day commitment duration and you cancel within 2 weeks of the original start date (50% cancellation rate), you're charged for 7 days of commitment.出典: Cancel a Capacity Reservation - Amazon Elastic Compute Cloud
開始日の 2 週間切ってから延期するとコミットメント期間が延びる
追加のコミットメントは延期を申請するタイミングで決まるとのことです。当初の予定よりも利用期間が伸びるため、利用期間が伸びる = EC2 インスタンスの起動時間が長くなる = お金がかかるです。キャンセル料に代わる、実質的なペナルティではないかと。
| 申請のタイミング | 追加のコミットメントの目安 |
|---|---|
| 現在の開始日の 2 週間より前 | なし |
| 現在の開始日の 2 週間以内 | 延期 1 日ごとに 1 日追加 |
Additional commitment might be required when you postpone a start date. The amount depends on when you make the request relative to the current start date.
出典: Modify a Capacity Reservation - Amazon Elastic Compute Cloud
公式ドキュメントの計算例では、コミットメント期間 14 日の予約を開始日の 7 日前に 7 日延期すると 21 日になります。同じ延期を 2 週間より前に申請すれば、コミット期間の追加はありません。
For example, suppose you have a
scheduledfuture-dated Capacity Reservation with a 14-day commitment duration and a start date of 2026-05-15. On 2026-05-08, you postpone the start date by 7 days. Because that date is within two weeks of the start date, Amazon EC2 adds one day of commitment for each day you postpone, for a total commitment duration of 21 days. If you make the same request more than two weeks before the start date, Amazon EC2 adds no commitment.出典: Modify a Capacity Reservation - Amazon Elastic Compute Cloud
延期できるのは元の開始日から累計 30 日まで
開始時期を延期できるようになりましたが、元の開始日から 30 日までの範囲です。
You can postpone the start date up to 30 cumulative days from
OriginalStartDate. For example, if you postpone the start date by 10 days, you can later postpone it by up to 20 more days. Each request needs a new quote.出典: Modify a Capacity Reservation - Amazon Elastic Compute Cloud
2024 年の登場時からの変更点
将来日付の予約は 2024 年 11 月に登場し DevelopersIO で紹介しています。当時の記事と比べると最小数量が 32 vCPU に下がっていたり、G 系の GPU インスンタンスも対象になっていました。
| 項目 | 既存記事(2024/11) | 現在(2026/09) |
|---|---|---|
| 対象インスタンスファミリー | C、I、M、R、T | C、G、I、M、R、T、U、X |
| 最小数量 | 100 vCPU | 32 vCPU |
| 最小コミットメント期間 | 14 日 | 14 日。U、X は 12 週間 |
予約の基本的な仕組みは、登場時の記事を参照してください。
予約を作成して延期とキャンセルを試してみた
検証環境
東京リージョン(ap-northeast-1)のマネジメントコンソールで以下の構成の予約を 1 件作成しました。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 検証日 | 2026/09/29 |
| インスタンスタイプ | m7i.2xlarge(8 vCPU) |
| 数量 | 4(合計 32 vCPU) |
| プラットフォーム | Linux/UNIX |
| アベイラビリティーゾーン | ap-northeast-1a |
| テナンシー | デフォルト |
| 開始日 | 2026/12/14 00:00 JST |
| コミットメント期間 | 14 日 |
| 終了日 | 手動で終了 |
| インスタンスの適格性 | ターゲット |
将来日付のキャパシティ予約を作成する
キャパシティ予約の作成画面で将来の日付を選び、開始日と数量、コミットメント期間を指定します。

作成直後は審査中を表す Assessing ステータスになります。

審査は、公式ドキュメントで「通常 5 日以内」とされています。今回は作成から約 5 分秒で Scheduled になりました。

延期前のキャンセル料は無料だった
延期後と比べるため、延期前のキャンセル料を先に見ておきます。検証日の 9 月 29 日は開始日 12 月 14 日の約 11 週間前です。キャンセル料の表では「8 週間以上前」にあたり、無料になるはずの時期です。
想定のとおり、キャンセル条件の請求コミットメント期間は 0 時間で、請求終了日は操作した時刻になっています。ここで無料でなかったこの検証のために費用かさみましたと謝らないといけないところでした、想定どおりで良かった。

開始日を延期してみる
アクションメニューの「編集」を開いて、2026/12/14 となっている開始日を延期してみます。

開始日を 14 日後の 2026/12/28 に書き換えます。

「保存」を押すと変更条件が表示されます。コミットメント期間は 14 日のままで、追加のコミットメントはありませんでした。

入力欄に「確認」と入力して「変更を確認」をクリックすると、リクエストの受付メッセージが表示されます。

「変更を確認」をクリックした直後に確認すると applied になっていました。状態は Scheduled のままで審査には戻りませんでした。
延期後も元の開始日が記録された
延期後の予約詳細では「新しい開始日」が 2026/12/28 になり、調整ステータスは Applied です。画面には「元の開始日」として 2026/12/14 が記録されています。

延期後にキャンセルをしてみる
延期後も請求コミットメント期間は 0 時間でした。元の開始日(12/14)から数えても 8 週間以上前なので、キャンセル料はかかりません。

入力欄に「確認」と入力して「キャパシティ予約をキャンセル」をクリックしました。Cancelled になり、コミットメント終了日はキャンセルした時刻に更新されています。

まとめ
Amazon EC2 の将来日付のキャパシティ予約で、開始日の延期を試しました。開始日の約 11 週間前に 14 日延期したところ、コミットメント期間は 14 日のままでした。延期後も元の開始日が記録され、キャンセル時の請求コミットメント期間は延期前と延期後のどちらでも 0 時間で無料でした。
おわりに
予約し直すしかなかった頃と比べると、急な仕事で開始時期の遅れにも柔軟に対応できるようになりました。延期できる日数には上限があるし、コミット期間の延長ペナルティもあるため、開始時期がずれ込みそうだと分かった時点で、早めに開始日を変更すると良さそうです。







