[アップデート] Amazon EFS の Elastic Throughput モードの最大スループット性能が3倍になりました
EFS のElastic Throughput モードの最大スループット性能が3倍に引き上がり、読み込みスループットはBursting Throughput モードの最大スループット性能を上回る性能になりました。
- Elastic Throughput モードの最大スループット性能
- 書き込みスループット: 3GiB/s
- 読み込みスループット: 10GiB/s
現在、東京リージョン(ap-northeast-1
)は非対応です。一部リージョンのみ対応しています。東京リージョンは引き続き以下のスループット性能になります。
- 書き込みスループット: 1GiB/s
- 読み込みスループット: 3GiB/s
Elastic Throughput モードとは
re:Invent 2022 で発表された新しいモードでアプリケーションが必要とするスループット性能を自動的に提供してくれる便利なモードです。また、現在 AWS が推奨しているモードでもあります。
最大スループット性能の引き上げ
従来の Elatstic Throughput モードの最大スループット性能は以下でした。
- 書き込みスループット: 1GiB/s
- 読み込みスループット: 3GiB/s
このスループット性能は Bursting Throughput モードであれば、スタンダードクラスのストレージに 30TiB の容量があるときと同じ性能でした。
ちなみに Bursting Throughput モードの最大スループット性能は以下です。
- 書き込みスループット: 3GiB/s
- 読み込みスループット: 5GiB/s
※ 一部リージョンのみ、多くは書き込みスループット 1GiB/s, 読み込みスループット 3GiB/s です。
Elastic Throughput モードの最大スループット性能は Bursting Throughput モードより低い値でした。
スループット性能を重要視する場合は、Elastic Throughput モードへの移行は難しかったケースもあったかと思います。
より詳細な Elastic Throughput モードと Bursting Throughput モードの比較はこちらの記事を参考にしてください。
Bursting Throughput モードの性能を上回った
今回のアップデートで Elastic Throughput モードが Bursting Throughput モードの読み込みスループット性能を上回り、書き込みスループット性能は並びました。
- Elastic Throughput モードの最大スループット性能
- 書き込みスループット: 3GiB/s
- 読み込みスループット: 10GiB/s
- Bursting Throughput モードの最大スループット性能
- 書き込みスループット: 3GiB/s
- 読み込みスループット: 5GiB/s
読み込みスループットは Elastic Throughput モードは2倍の性能となりました。
Bursting Throughput モードで最大書き込みスループット性能を引き出すにはスタンダードクラスのスタンダードに 30TiB 以上の容量が保存しておく必要があります。この場合のストレージコストの例をあげると us-east-1 リージョンの EFS のスタンダードクラスのストレージに 30TiB 保存すると $768/月かかります。
確認してみた
今回のアップデートで適用されている us-east-1 リージョンでスタンダードクラスの EFS を作成し、CloudWatch のメトリクスからスループット値を確認します。
確認するメトリクスはPermittedThroughput
です。こちらのメトリクスで最大書き込みスループット性能を確認できます。読み込みスループット性能を確認できるメトリクスは提供されていません。
For file systems in Elastic Throughput mode, this value reflects the maximum write throughput of the file system. PermittedThroughput
左側の表示はスタンダードクラスの EFS で 3GiB/s の最大書き込みスループット性能の値を確認できます。右側の表示は試しに 1ゾーンクラスで作成した EFS なのですが、こちらは従来通りのスループット性能となっていました。
おわりに
現在推奨モードとなっている Elastic Throughput モードの最大スループット性能が3倍に引き上げられました。スループット性能が懸念事項だったケースでは改めて利用できないか検討してみてもよいのでしょうか。個人的にはゲノミクスの用途で最近は海外リージョンを使うことが多いので嬉しいアップデートでした。