[アップデート] Amazon EFS の Elastic Throughput モードの最大スループット性能が3倍になりました

Elastic Throughputモードの最大スループット性能が3べぇだ
2023.04.18

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EFS のElastic Throughput モードの最大スループット性能が3倍に引き上がり、読み込みスループットはBursting Throughput モードの最大スループット性能を上回る性能になりました。

  • Elastic Throughput モードの最大スループット性能
    • 書き込みスループット: 3GiB/s
    • 読み込みスループット: 10GiB/s

現在、東京リージョン(ap-northeast-1)は非対応です。一部リージョンのみ対応しています。東京リージョンは引き続き以下のスループット性能になります。

  • 書き込みスループット: 1GiB/s
  • 読み込みスループット: 3GiB/s

Elastic Throughput モードとは

re:Invent 2022 で発表された新しいモードでアプリケーションが必要とするスループット性能を自動的に提供してくれる便利なモードです。また、現在 AWS が推奨しているモードでもあります。

最大スループット性能の引き上げ

従来の Elatstic Throughput モードの最大スループット性能は以下でした。

  • 書き込みスループット: 1GiB/s
  • 読み込みスループット: 3GiB/s

このスループット性能は Bursting Throughput モードであれば、スタンダードクラスのストレージに 30TiB の容量があるときと同じ性能でした。

ちなみに Bursting Throughput モードの最大スループット性能は以下です。

  • 書き込みスループット: 3GiB/s
  • 読み込みスループット: 5GiB/s

※ 一部リージョンのみ、多くは書き込みスループット 1GiB/s, 読み込みスループット 3GiB/s です。

Elastic Throughput モードの最大スループット性能は Bursting Throughput モードより低い値でした。

スループット性能を重要視する場合は、Elastic Throughput モードへの移行は難しかったケースもあったかと思います。

より詳細な Elastic Throughput モードと Bursting Throughput モードの比較はこちらの記事を参考にしてください。

Bursting Throughput モードの性能を上回った

今回のアップデートで Elastic Throughput モードが Bursting Throughput モードの読み込みスループット性能を上回り、書き込みスループット性能は並びました。

  • Elastic Throughput モードの最大スループット性能
    • 書き込みスループット: 3GiB/s
    • 読み込みスループット: 10GiB/s
  • Bursting Throughput モードの最大スループット性能
    • 書き込みスループット: 3GiB/s
    • 読み込みスループット: 5GiB/s

読み込みスループットは Elastic Throughput モードは2倍の性能となりました。

Bursting Throughput モードで最大書き込みスループット性能を引き出すにはスタンダードクラスのスタンダードに 30TiB 以上の容量が保存しておく必要があります。この場合のストレージコストの例をあげると us-east-1 リージョンの EFS のスタンダードクラスのストレージに 30TiB 保存すると $768/月かかります。

確認してみた

今回のアップデートで適用されている us-east-1 リージョンでスタンダードクラスの EFS を作成し、CloudWatch のメトリクスからスループット値を確認します。

確認するメトリクスはPermittedThroughputです。こちらのメトリクスで最大書き込みスループット性能を確認できます。読み込みスループット性能を確認できるメトリクスは提供されていません。

For file systems in Elastic Throughput mode, this value reflects the maximum write throughput of the file system.

PermittedThroughput

左側の表示はスタンダードクラスの EFS で 3GiB/s の最大書き込みスループット性能の値を確認できます。右側の表示は試しに 1ゾーンクラスで作成した EFS なのですが、こちらは従来通りのスループット性能となっていました。

おわりに

現在推奨モードとなっている Elastic Throughput モードの最大スループット性能が3倍に引き上げられました。スループット性能が懸念事項だったケースでは改めて利用できないか検討してみてもよいのでしょうか。個人的にはゲノミクスの用途で最近は海外リージョンを使うことが多いので嬉しいアップデートでした。