[アップデート] Amazon EFS の Elastic Throughput モードの最大読み込みスループット性能が 50% 向上
Amazon EFS の Elastic Throughput モードにおいて、最大読み込みスループット性能が 50% 向上しました。本記事ではこのアップデートの詳細と、Elastic Throughput モードの特徴について紹介します。
アップデートの概要
- Elastic Throughput モードの最大読み込みスループット: 20 GiB/s から 30 GiB/s へ 50%向上
- 対象リージョン: 東京リージョンを含む、一部のリージョンで本アップデートが適用
アップデート詳細
最大読み取りスループットの向上
アップデート対象はElastic Throughput モードにおける最大読み込みスループット性能です。
- 20 GiB/s から 30 GiB/s へ 50% スループット性能が向上しました
出典: Amazon EFS performance - Amazon Elastic File System
対象リージョン
東京リージョンを含む、一部のリージョンで本アップデートが適用されています。これにより、アップデートがしばらく入っていないリージョンと比べると性能差が 10 倍に拡大しています。
出典: Amazon EFS quotas - Amazon Elastic File System
最近の EFS のアップデートは最初から東京リージョンも対象になってきましたね。
Elastic Throughput モードの特徴
Elastic Throughput モードはアプリケーションが必要とするスループット性能を自動的に提供してくれる現在 AWS が推奨しているモードです。
また、課金体系には他の EFS モードと比較して特徴的な点があります。保存容量以外に、データの読み込みと書き込みの転送量に応じた従量課金が発生します。
さらに、Elastic Throughput モードは、EFS の中で唯一アーカイブストレージクラスをサポートしています。これにより、長期保存が必要なデータの保管コストを大幅に削減できます。
バースティングモードと性能比較
よく利用されてきた Bursting Throughput モードと比べると、最大性能の差はだいぶ開いてきました。
項目 | Elastic | Bursting |
---|---|---|
ファイルシステムタイプ | Regional | Regional |
最小レイテンシ(読み取り) | 250 µs | 250 µs |
最小レイテンシ(書き込み) | 2.7 ms | 2.7 ms |
最大IOPS(読み取り) | 90,000 – 250,000 | 35,000 |
最大IOPS(書き込み) | 50,000 | 7,000 |
最大スループット(読み取り) | 3 – 30 GiB/s | 3 – 5 GiB/s |
最大スループット(書き込み) | 1 – 5 GiB/s | 1 – 3 GiB/s |
クライアントあたりの最大スループット | 1,500 MiBps | 500 MiBps |
おわりに
Amazon EFS の Elastic Throughput モードの性能向上により、高スループットを要する AI/ML ワークロードや大規模なデータ分析などのユースケースにおいても利用できる場面が増えてきたのではないでしょうか。個人的には ParallelCluster のクラスター間でちょっとしたデータを共有するための共有ストレージとして、ある程度の性能とランニングコストのバランスが良く重宝しております。