Amazon EFS のストレージクラスに新たなストレージクラス Archive が追加されました。データの長期保存向けの新ストレージクラスです。ついでに Infrequent Access クラスの保存単価が 36% お安くなりました。
Announcing the new Amazon EFS Archive storage class
まとめ
EFS 上で長期保存する必要があるデータまたは、放置したままのデータを年数回の頻度でアクセスするのであれば、保存コストを下げるストレージクラスとして Archive クラスは有用です。
- EFS ライフサイクル管理により一定期間経過後 Archive クラスへの移行設定ができる
- 既存の Infrequent Access クラスより 50% 安価にデータを保存できる
- Archive クラスは最低保存期間として 90 日分の利用費が発生する
- Elastic スループットモードのみのサポートです
Infrequent Access は保存単価が安くなりました。
- Infrequent Access クラスの保存単価が 36% お安くなった
Infrequent Access クラスが安くなった
GB あたりの保存単価が 36% お安くなりました。東京リージョンの一ヶ月あたりの容量単価で比較すると １GB あたり $0.0072 安くなっています。
- 今まで: $0.0272 GB-Month
- アップデート後: $0.02 GB-Month
差額確認早見表
| 一ヶ月の保存容量 | 従来 | アップデート後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 100 GB | $2.72 | $2 | -$0.72 |
| 500 GB | $13.6 | $10 | -$3.6 |
| 1 TB | $27.2 | $20 | -$7.2 |
ちなみに 1 ゾーンの Infrequent Access の価格は変更ありません。
新登場のストレージクラス Archive
マルチ AZ 対応の EFS のストレージクラスは従来 Standard と Infrequent Access クラスの 2 つでした。 今回のアップデートで新たに Archive クラスが追加されました。
1 ゾーンのストレージクラスもありますが本件のアップデート対象ではありません。
Infrequent Access クラスへの移行と同様にライフサイクル管理から Archive クラスへの移行設定ができます。
料金比較
現時点の東京リージョンの単価表を元に Archive はどのくらいお得なのか確認します。
Infrequent Access クラスと比べると Archive クラスはの容量単価は半額の $0.01/GB です。
差額確認早見表
| 一ヶ月の保存容量 | Infrequent Access | Archive | 差額 |
|---|---|---|---|
| 100 GB | $2 | $1 | -$1 |
| 500 GB | $10 | $5 | -$5 |
| 1 TB | $20 | $10 | -$10 |
年間で数回のアクセスを想定したストレージクラスのため、リードアクセス時の単価は Infrequent Access の 3 倍となっています。また、Access クラスへ Standard か、Infrequent Access クラスから移行する際に単価も 3 倍となっています。
闇雲に Access クラスへデータ移行すると不必要に移行コストが発生しますので、不要なデータは整理して削除するのが望ましいですね。
最低利用料金として 90 日が設定されていますのでご認識ください。
制限事項
Elastic スループットモードのみが Archive クラスの利用をサポートしています。バーストスループットモード、プロビジョンドスループットは現時点ではサポートされていませんのでご注意ください。
The Archive storage class is supported on EFS file systems with Elastic throughput. Amazon EFS file system types and storage classes - Amazon Elastic File System
やってみた
既存の EFS に Archive クラスへ移行設定を追加してみます。
個人的な用途ではバーストスループットモードで利用できたら嬉しかったですがダメでした。
Elastic スループットモードへ変更と合わせて、アーカイブへ移行に設定追加しました。
問題なく設定追加できました。
おわりに
Infrequent Access より更に安価なストレージクラスが利用可能になり、めったにアクセスすることはないけど、S3 へ退避すると都合が悪いケースにはもってこいではないでしょうか。ただし、バーストスループットモード、プロビジョンドスループットモードはサポートされていませんのでお気をつけください。
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