Amazon Q in Connect エージェントアシスタンスの価格体系が変更されました
はじめに
Amazon Q in Connect のエージェントアシスタンスには、以下の2つの機能があります。
- 自動回答推奨
- 手動検索
今年、どちらも日本語対応されています。
従来、エージェントアシスタンスの個別利用価格は、エージェントあたり月額40USDでした。
しかし、2025年6月1日から価格体系が変更され、以下のようになりました。
- 音声: 1分あたり0.008USDの追加料金
- チャット、SMS、WhatsApp、Apple Business チャット: メッセージあたり0.0015USDの追加料金
- Eメール: 1通あたり0.02USDの追加料金
- タスク: タスクあたり0.02USDの追加料金
つまり、Amazon Q in Connect エージェントアシスタンスの価格が、エージェントベースからチャネルベースの使用料金に変更されました。
この変更によって、検証や本番導入のハードルが下がったと思います。
自動回答推奨の課金パターン
AWSドキュメントに記載されている設定手順のうち、以下のステップ4まで対応したフロー(自動回答推奨が利用可能)で、エージェントが電話などで対応した場合、追加料金が適用されます。
設定手順は以下のとおりです。
- ステップ1: Amazon Q in Connect ドメインを作成する
- ステップ2: ドメインを暗号化する
- ステップ3: 統合(ナレッジベース)を作成する
- ステップ4: Amazon Q in Connect のフローを設定する
例えば、通話開始から5分後に自動回答推奨が実行され、その2分後に終話した場合、通話全体の7分間が課金対象となります。
なお、ステップ4まで対応したフローでは、必ず自動回答推奨が実行されるわけではないので、実行されなかった場合でも追加料金はかかります。
ステップ4でAmazon Q in Connect ブロックをフローに設定していない場合(自動回答推奨が利用不可)、追加料金は発生しません。
手動検索の課金パターン
AWSドキュメントに記載されている以下のステップ3まで対応し(手動検索が利用できる状態)、エージェントが電話などで対応すると、追加料金が発生します。
設定手順は以下のとおりです。
- ステップ1: Amazon Q in Connect ドメインを作成する
- ステップ2: ドメインを暗号化する
- ステップ3: 統合(ナレッジベース)を作成する
例えば、通話開始から5分後に手動検索を利用し、その2分後に終話した場合、通話全体の7分間が課金対象となります。手動検索を利用しなくても追加料金がかかります。
課金されないケース
エージェントワークスペースを開き、コンタクト外(エージェントが電話対応などせず)に手動検索を利用する場合は、追加料金なしで利用できます。
このケースでは課金されないため、コスト効率よく利用できます。
例えば、Amazon Connectをコールセンターとしてではなく、社内ヘルプデスク対応を代行するチャットボットとして手動検索のみを利用する場合、ランニングコストはほぼかからず(S3のストレージ料金程度)利用可能です。
インスタンス別の課金について
課金はConnectインスタンス単位で管理されます。1つのConnectインスタンスでAmazon Q in Connectを有効化していても、他のConnectインスタンスで無効化されていれば、その他のインスタンスには追加料金が発生しません。
これにより、複数のConnectインスタンスを運用している場合でも、必要なインスタンスのみでAmazon Q in Connectを利用し、コストを最適化できます。
最後に
Amazon Q in Connect エージェントアシスタンスの価格体系が、従来の1エージェントあたり月額40USDから、チャネルベースの使用料金に変更されました。
この価格体系の変更により、検証や本番導入のハードルが大幅に下がり、より導入しやすくなりました。
ただし、自動回答推奨または手動検索が利用できる状態で電話対応などを行うと、実際に自動回答推奨や手動検索を利用しなくても追加料金が発生しますので、ご注意ください。
ぜひこの機会にエージェントアシスタントを試してみてください。