Amazon Q in Connect セルフサービスでは、回答再生中の割り込み発話には対応されていません
困っていること
Amazon Q in Connect のセルフサービス機能を利用していますが、自動回答の音声再生中にエンドユーザーが割り込み発話をすると、想定外の動作が発生します。
現在の設定は、以下の通りです。
- Connectフローで Amazon Q in Connect のセルフサービスを利用
- セルフサービスのAIプロンプトは、デフォルトのプロンプトを日本語に置換したもの
質問に対するAIボットの自動回答(QUESTIONツール)の音声再生中に、エンドユーザーが「ありがとうございました。解決できました」などの割り込み発話をすると、回答内容が最初から再度再生されてしまいます。
この現象は自動回答(QUESTIONツール)以外にも、CONVERSATIONなど他のツールでも確認されました。
期待する動作
回答再生中にエンドユーザーが割り込み発話をした場合、その発話内容を認識し、適切な次のアクションに遷移したいです。
例
- 「解決しました」→ 通話終了
- 「オペレーターにつないでください」→ オペレーター転送
- 別の質問 → 新しい質問への対応
特に、セルフサービスでの解決が困難な場合、エンドユーザーは自動回答の再生中にオペレーターへの転送を依頼するケースが多く想定されるため、割り込み発話への適切な対応は重要と考えています。
回答
結論として、現時点(2025年11月時点)では、回答再生中の割り込み発話に対して、通話終了や別の質問への対応など、適切なアクションを設定する機能は提供されていません。
実際に検証した結果、回答再生中にエンドユーザーが割り込み発話をすると、同じ回答内容が最初から再度再生されることを確認しました。
以下のような動作となりました。
ユーザー: 「パスワードのリセット方法を教えてください」
AI: 「パスワードのリセット方法についてご案内いたします。
まず、ログイン画面の右下にある『パスワードを忘れた方』を
クリックしてください。次に、登録されているメールアドレスを
入力し...」
ユーザー: 「ありがとうございます。解決しました」(割り込み発話)
AI: 「パスワードのリセット方法についてご案内いたします。
まず、ログイン画面の右下にある『パスワードを忘れた方』を
クリックしてください。次に...」(最初から再度再生)
本来期待される動作:
ユーザー: 「ありがとうございます。解決しました」
AI: 「問題が解決されたようで良かったです。他にご質問はございますか?」
または通話終了
現状の制限事項として、音声再生中の割り込み発話は、新しいユーザーインプットとして認識されません。日本語だけでなく、英語など他の言語でも同様の動作です。
また、割り込み発話の内容に応じた柔軟な対応(通話終了、転送など)ができません。
この仕様のメリット
一見すると制限のように思えますが、この動作にはいくつかのメリットもあります。
1. ノイズや誤発話への耐性
音声再生中の割り込みを新しい入力として処理しないことで、周囲の雑音や会話が誤認識されても、誤った方向に進むリスクが低減されます。
例えば、電話をかけながら家族と会話している場合や、車内での通話など、ノイズの多い環境からの問い合わせでも、システムが意図しない質問への回答や、オペレーターへの誤転送といった誤動作を起こしません。
仮にユーザーの「えーと」「あー」などのフィラーや、咳払い、鼻をかむ音などが発話として認識されたとしても、同じ回答が最初から再生されるだけで、まったく別の回答に進んでしまうことはありません。
2. 重要情報の確実な伝達
セキュリティに関する注意事項や法的な免責事項など、ユーザーに確実に伝える必要がある情報を扱う場合、この仕様が有利に働きます。
ユーザーが「わかった」「大丈夫です」と早とちりして割り込んでも、重要な情報を最後まで伝えることができます。
特に、コンプライアンス要件で特定の文言を全て読み上げる必要がある業界(金融、医療など)では、この動作が適している場合があります。
今後について
特に以下のようなユースケースでは、割り込み発話への対応が重要になりますので、機能追加要望があれば、AWSにフィードバックしましょう。
- セルフサービスで問題が解決した場合の通話終了
- 自動回答では解決できない場合のオペレーター転送
- 回答途中での別質問への切り替え
現時点での回避策としては、以下のような運用が考えられます。
- AIボット対応前に、事前に「回答が終わるまでお待ちください」などのガイダンスを追加
- 自動回答終了後に明示的に次のアクションを確認する設計にする
- 比較的短い回答になるようAIプロンプトを調整する






