Amazon Q Developer を安全に使うためのオプトアウト設定をまとめてみた

Amazon Q Developer を安全に使うためのオプトアウト設定をまとめてみた

2025.07.31

Amazon Q Developer を利用する際に、入力コンテンツ(例えば、チャットに入力したコードなど)がどのように扱われるのか理解しておくことは重要です。業務で利用する場合には尚更です。

最初にまとめ

  • Free プラン:入力コンテンツが AWS のサービス改善に利用される可能性があるため、個別にオプトアウトの設定が必要です
  • Pro プラン:入力コンテンツが AWS のサービス改善に利用されることはありません

Free プランの利用には注意が必要です。後述しますが、利用方法によってオプトアウトの設定が異なる点も把握しておきましょう。

Free プランの場合

Free プランでは、コード補完やチャット機能で入力したコンテンツがサービス改善に使用される可能性があります。具体的には、以下の目的でコンテンツが使用される場合があります。

  • よくある質問により良い回答を提供するため
  • Amazon Qの運用上の問題を修正するため
  • デバッグのため
  • モデルの学習のため

AWS にコンテンツを送信したくない場合には、個別にオプトアウトの設定が必要です。

Pro プランの場合

Pro プランでは、入力コンテンツが AWS のサービス改善に使用されることはありません。この仕様は CLI や IDE の設定に関わらず適用されます。

amazon-q-cli-preferences.png

意図しない情報共有を防ぐためにも、業務での活用を検討している場合は Pro プランを選択した方が良いでしょう。

コンテンツとテレメトリ

AWS に送信されるデータには、コンテンツとテレメトリがあります。

「コンテンツ」は、前述したようにユーザが Amazon Q に入力した情報や、Amazon Q が生成した情報そのものを指します。

「テレメトリ」は、サービスの利用状況を数値化・定量化したデータのことです。実際のコードやプロンプトのテキストは含まれません。

テレメトリで収集される具体的なデータについては、以下の GitHub リポジトリで詳細を確認できます。

https://github.com/aws/aws-toolkit-common/blob/main/telemetry/definitions/commonDefinitions.json

このテレメトリは Pro プランであっても収集されますので、収集してほしくない場合にはオプトアウトの設定が必要です。

オプトアウトの設定

Amazon Q CLI でのコンテンツオプトアウト

コマンドラインツールの Preferences から、「Share Amazon Q content with AWS」のトグルをオフにします。

amazon-q-cli-preferences-share-aws.png

Visual Studio Code でのコンテンツオプトアウト

settings.json に以下の設定を追加してください。VS Code フォークの他の IDE でも同様の設定が可能です。

{
    "amazonQ.shareContentWithAWS": false
}

Amazon Q CLI でのテレメトリオプトアウト

コマンドラインツールの Preferences から、「Telemetry」のトグルをオフにします。

amazon-q-cli-preferences-tele.png

Visual Studio Code でのテレメトリオプトアウト

settings.json に以下の設定を追加してください。

{
    "amazonQ.telemetry": false
}

AWS サービスにおけるコンテンツの取り扱い

AWS Lambda コンソールのコードエディタを利用されている方も多いと思います。コードを書いていると、以下のように Amazon Q からのコードの自動提案が表示されます。

lambda-console.png

これについては、Pro プランか Free プランかに関わらず、入力したコンテンツが AWS のサービス改善に使用されることはありません。Lambda コンソールのコードエディタでの自動提案は、あくまでユーザーの利便性向上を目的とした機能になっているということですね。

Opt out of data sharing in the IDE and command line - Amazon Q Developer

おわりに

Amazon Q Developer の Pro プランでは十分な保護機能が提供されていることがわかりますね。用途に応じて適切なプランを選択し、安心して Amazon Q Developer を活用していきましょう。

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