メンバーズ CUR に対して Amazon Q in QuickSight の主要な機能が使えるのか試してみた

メンバーズ CUR に対して Amazon Q in QuickSight の主要な機能が使えるのか試してみた

2025.08.23

はじめに

Amazon Q in QuickSight は、生成 AI を活用した BI 機能です。メンバーズ 提供の CUR のデータセットで Q in QuickSight の主要機能の機能検証をしました。

前提条件

メンバーズ CUR データセットの構築方法については、以下の記事を参照してください。

https://dev.classmethod.jp/articles/members-cur-dataset-for-quicksight-q/

Q in QuickSightの主要機能

以下の Q in QuickSight の主要な 機能をメンバーズ CUR データセットで試してみました。

  1. Topic 設定
  2. 自然言語でビジュアルを作成
  3. 自然言語で計算フィールド作成
  4. 自薦言語でビジュアル変更
  5. エグゼクティブサマリー
  6. データストーリー

ハンズオンで紹介されていた内容をベースとしているため、詳しい解説は以下の記事を参照ください。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-q-in-quicksight/

1. Topicの設定

Topic はデータセットのメタデータをインデックス化する機能です。メンバーズ CUR データセットに「MCUR Topic」というトピックを作成しました。

QuickSight_-_分析-4.png

トピックの作成

メンバーズ CUR のデータセット(MCR)を指定しました。

QuickSight_-_お気に入り-2.png

フィールドの選択

Productシリーズは項目数が多いため、Product シリーズを除いた全項目をインデックス対象に設定しました。

QuickSight_Q_Topics_と_Amazon_Q_in_QuickSight_ハンズオンのご紹介___DevelopersIO.png

課題:シノニムの未設定

作成したトピックでは、多くのデータフィールドでシノニムが未設定でした。これが後の機能検証で精度が悪い原因になった可能性が高いです。

QuickSight_Q_Topics-5.png

トピックへのQ&A機能

トピックに対して自然言語で質問できる Q&A 機能も確認しました。なかなかいい感じ結果が返ってきました。

QuickSight_Q_Topics-4-2.png

2. 自然言語でビジュアル作成

トピックの紐付け

分析にトピックを紐付けてから、Build Visuals 機能を検証しました。

MCUR_analysis-4.png

検証結果

自然言語でのビジュアル作成を試みましたが、複雑な要求には対応できませんでした。

QuickSight_Q_Topics-3.png

シンプルな依頼でも、データフィールド名の認識に難がありました。求めているデータフィールドを正確に特定できないケースが多くありました。

MCUR_analysis-5.png

成功パターン

データフィールド名を日本語で指定すると、グラフ作成に成功しました。「通常の AWS 利用費」と指定すると Unblended Cost として認識されました。シノニム未設定が原因で、CUR の複数の利用費項目から意図したフィールドを選択できないと推測されます。

MCUR_analysis-10.png

3. 自然言語で計算フィールド作成

計算フィールドの作成は成功しました。Unblendedcost のような英語のフィールド名を直接指定すれば流石に問題ありませんでした。

MCUR_analysis-6.png

「通常の AWS 利用費」という表現でも計算フィールド作成は正しく解釈されました。

MCUR_analysis-7.png

4. 自然言語でのビジュアル編集

作成済みのビジュアルを自然言語で編集する機能も検証しました。自然言語での指示によりグラフの表示形式を変更します。

MCUR_analysis-11.png

折れ線グラフから垂直棒グラフへ変更できました。

Cursor_と_MCUR_analysis.png

5. ダッシュボードへでの Q 機能

作成したダッシュボードに対して、Q in QuickSight の各種機能を確認しました。

大村MCURダッシュボード-3.png

エグゼクティブサマリー

ダッシュボードの要約を自動生成するエグゼクティブサマリー機能を検証しました。コスト傾向、主要なコスト要因、前月比の変化などが自動的に要約されました。

大村MCURダッシュボード-2.png

データストーリーの生成

ダッシュボードから自動的にレポートを生成するデータストーリー機能を検証しました。AWS 利用費の変動を説明してもらいます。

自分のストーリー.png

現時点では日本語に対応していないため、英語での出力でした。

Navigating_the_Ebb_and_Flow_of_AWS_Costs__Unlocking_Optimization_Opportunities.png

データQ&A機能

ダッシュボード上で直接質問できるデータ Q&A 機能も動作確認しました。質問に対してグラフや数値で回答し、質問内容に応じた形式で結果を表示しました。トピックに対する質問と同程度の結果を出力してくれました。

大村MCURダッシュボード.png

検証結果と考察

メンバーズ CUR データセットで Amazon Q in QuickSight の主要機能を検証した結果、シノニム設定の重要さを感じました。
データセットのフィールドが Q in Quicksight の上限である 200 近くあります。そのデータセットに対してのトピックで大半のシノニムが未設定の場合、自然言語での操作には厳しいものがありました。独自データセットで Q を活用するには、トピック作成時のシノニム設定が必要になってくるのではないと思いました。

おわりに

メンバーズ CUR のデータセット+トピックでは実用的ではありません。ということを確認できたことが今回の収穫です。次に試すとしたら CUR の各項目をドキュメントから確認し、シノニムの一括登録でトピックを改善といったところでしょうか。
明細項目の詳細 - AWS Data Exports

https://dev.classmethod.jp/articles/q-in-q-batch-configuration-synonym/

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