Amazon QuickSightの試用期間・無料枠はどこまで適用される?
2021年8月30日以降にQuickSightをサインアップすると、無料枠(Free Tier)が適用されなくなりました。 新規アカウントの場合、30日間の無料トライアル(Free Trial)だけが適用されます。 既存アカウントの場合、1ユーザー分の無料利用枠(Free Tier)は継続して提供されます。
BI(ビジネスインテリジェンス)は利用費が高額なイメージがあります。クラウド型BIのAmazon QuickSightは
- 試用期間(Free Trial):QuickSightを利用開始後、一定期間だけ適用
- 無料枠(Free Tier):期限なしで適用
を活用することで、利用費を抑えることができます。
特に、個人が小規模に使う限りにおいては Enterprise Edition であっても、無料で使い続けられます。
実際にFree Trial/Free Tierの適用範囲を確認します。
Free Trial 期間について
QuickSight の試用期間は 60 日間あります。
60日はいつからいつまでなのか気になります。実際は、契約後初の月初を迎えてから 2 か月分の請求月が経過するまでが対象です。
例えば、月の途中の 8月10日 から QuickSight を利用したとすると、月初に利用状態となるのは9月からのため、「丸 2 か月分の請求月」は9月と10月が該当します。つまり、10月いっぱいまで試用期間となります。
各アカウントの試用期間は QuickSight 管理コンソールの Manage QuickSight -> Your subscriptions から確認できます。
サンプルとして8月半ばから使い始めた subscription が次の画像です。
確かに10月いっぱいまで試用期間(free trial)となっています。
月が切り替わってから契約をすると、長い60日間を楽しめます。
QuickSightの課金対象
QuickSight はサブスクリプションモデルを採用しており、次の2種類の利用費が発生します。
- ユーザー数
- SPICE(インメモリストレージ)容量
どちらも
- 試用期間(Free Trial)
- 無料枠(Free Tier)
が存在します。
また、Standard/Enterpriseで共通です。
ユーザー数
ユーザーは IAM ユーザーと同じく全リージョンで共有します。
Free Tier
ユーザは1名(つまり利用開始時のユーザー)まで無料です。
Free Trial
Admin/Authorを無料で4人まで追加可能です。
無料枠を含めると、合計5人までの Admin/Author を無料で利用できます。
SPICE 容量
SPICE ストレージはリージョンごとに独立しています。
無料・試用枠で発生する無料ストレージは、利用開始時に指定したデフォルトリージョンに割当られます。 さらに、利用開始後はデフォルトリージョンを変更できません。
ご注意ください。
Free Tier
1GB が無料で割り当てられます。
また、初期ユーザーとは別に追加した Admin/Author ユーザー数に応じて 10GB/User の無料枠が発生します。 なお、追加したユーザーが実際にログインするまでは、この無料ストレージは付与されません。
Free Trial
10GB が無料で割り当てられます。
無料枠を含めると、11GB まで無料で割り当てられます。
Free Tier と Free Trial のコンボ
Free Trial 枠で作成したユーザも Free Tier の10GB/userの対象となります。 そのため、Free Trial 中に課金が発生しない上限の4ユーザー追加すると、51GBまで無料で利用可能です。
サンプルとして、Free Trial 中にユーザを1名追加した状態で SPICE ストレージを確認したのが次の図です。
確かに 1(Free Tier)+10(Free Trial)+10(Free Tier/User)=21GB まで利用可能となっています。
ユーザーを削除したときのSPICEへの影響は?
「ユーザー無料枠SPICE容量 > SPICE 容量」となっている状態で、ユーザーを削除し、「ユーザー無料枠SPICE容量 < SPICE 容量」となったらどうなるのでしょうか?
この場合、ユーザーを削除した翌月から通常の SPICE 容量として課金されます。 SPICE容量が無料分まで削減されることはありません。
QuickSightは従来どおり動き続け、課金額だけが増えます。
Enterprise Edition を無料で使い続ける
- 試用期間(Free Trial):QuickSightを利用開始後、一定期間だけ適用
- 無料枠(Free Tier):期限なしで適用
を活用することで、個人が小規模に使う限りにおいては Enterprise Edition であっても、無料で使い続けられます。
そのためには
- ユーザーは初期ユーザーの1名に抑える
- SPICE ストレージは 1GB に抑える
ことが必要です。
また、利用開始直後の試用期間は QuickSight の検証に最適で
- ユーザー(Admin/Author)を最大 5 名
- SPICE ストレージを最大 51GB
まで無料で利用可能です。
最後に
BI や Enterprise のイメージとは裏腹に、Amazon QuickSight の Enterprise Edition は READER ロールのペイ・パー・セッション含め、利用費(特に維持費)を安く抑えられるような価格体系に設計されています。
利用規模に合わせて実際に試算してみると、その安さに驚くと思います。
それでは。