Amazon RDS for SQL Serverでの db.t3.micro インスタンス利用について
しばたです。
本日AWSよりRDS for SQL Serverでdb.t3.micro
タイプのインスタンスが利用可能になった旨のアナウンスがありました。
RDSにおいてスペックの高いインスタンスタイプをサポートした旨のアナウンスは多いですが、今回の様に低いスペックに対するアナウンスは珍しいので軽く解説しておきます。
更新内容とその意図
前述の通り本日よりRDS for SQL Serverでdb.t3.micro
タイプが利用可能になりました。
ただ、db.t3.micro
のスペックは「2vCPU, 1GiBメモリ」と最低の値となります。
そしてSQL Serverに関して、たとえばSQL Server 2019のハードウェア要件を確認すると以下の通りであり正に最小ギリギリを満たすスペックです。
項目 | 最小スペック | 推奨スペック |
---|---|---|
CPU | x64 プロセッサ 1.4 GHz | x64 プロセッサ 2.0 GHz 以上 |
メモリ | Express Edition: 512 MB 他のすべてのエディション: 1 GB |
Express Edition: 1 GB 他のすべてのエディション: 4 GB 以上 |
この様な状況のためdb.t3.micro
タイプが使えるのは「Single-AZ構成のExpress Editionのみ[1]」となります。
このインスタンスタイプは無償利用枠の対象にもなっており、この点からもAWSの意図としては「RDS for SQL Serverがどういうものか試してみる」という簡易的な検証用と考えるのが適切でしょう。
最低限のスペックで冗長構成も採れないため本番環境での利用は決しておすすめできませんのでご注意ください。
無償利用枠について
無償利用枠の範囲としては
up to 750 hours monthly for 12 months
および
includes 20 GB of General Purpose (SSD) Database Storage and 20 GB of storage for automated database backups and any user-initiated database Snapshots
とされており、現在db.t2.micro
インスタンスタイプで提供されているものと同一です。
- Amazon RDS 無料利用枠
- 本日時点では
db.t2.micro
インスタンスタイプのみ記述がある
- 本日時点では
上記ページの内容がそのままdb.t3.micro
に置き換わると考えて問題ないでしょう。
最後に
簡単ですが以上となります。
無償利用枠が増えるのは嬉しいことですが、本当に最低限のスペックですので使い方にはご注意ください。
スペックに依らずExpress EditionはMulti-AZ構成不可ではありますが... ↩︎