[アップデート] Amazon Redshift Serverlessが IP アドレス要件をサブネットあたり 3 に削減されたので試してみた
クラウド事業本部コンサルティング部の石川です。Amazon Redshift Serverlessは、サブネットごとに必要なIPアドレス数が3に削減され、サービスの利用がより簡単になりました。リリースノートの内容だけでは具体的にイメージできませんでしたので、新しいIPアドレス要件を実際に試してみました。
IP アドレス要件をサブネットあたり 3 に削減とは
従来のAmazon Redshift Serverless ワークグループ作成時に作成される ENI は、Redshift 用とVPC エンドポイント用のIP アドレスが必要でした。
- Redshift 用:
(RPU/8+1)
個 - VPC エンドポイント用:1 個
つまり、RPUが増えると線形にVPCサブネット内にプライベートIPアドレスが必要で、自動スケールするときに備えてVPCサブネット内のCIDRを確保する必要がありました。
従来のRPUとIPアドレスの関係は以下のブログをご覧ください。
なお、最新のマニュアルすでに更新済みです。
特長
基本RPUのサイズ(8〜1024 RPU)に関係なく、一貫して3つの空きIPアドレスのみで済むようになりました。Amazon Redshift ProvisionedからのマイグレーションやAmazon Redshift Serverlessの利用開始が容易になり、VPCサブネットの空きIPアドレスを心配する必要がなくなりました。
この変更は、新規および既存のワークグループに適用され、基本RPU(Redshift Processing Units)のサイズや使用状況に関係なく適用されます。この新しい要件は、AI駆動のスケーリングと最適化を有効にしたワークグループにも適用されます。
制限事項
- この変更は、拡張VPCルーティング(EVR)を使用しない場合にのみ適用されます。
- 既存のワークグループも自動的にこの新しい要件の恩恵を受けるため、追加の操作や変更は必要ありません。
新しいIPアドレス要件を実際に試してみました
新しいIP アドレス要件は、拡張VPCルーティング(EVR)を使用しない場合に限ります。そのため、拡張VPCルーティングを使用する場合は従来通り、拡張VPCルーティングを使用しない場合はIPアドレスが削減されていることを確認します。なお、AmazonRedshift Serverlessは、32RPUです。
拡張VPCルーティングを使用する場合
拡張VPCルーティングを使用する場合は、従来通りIPアドレスが必要になります。
- Redshift 用:5個(
(32/8+1)
個) - VPC エンドポイント用:1 個
Redshift 用は、「説明」がRedshiftNetworkInterface
の行で、5つのIPアドレスが同じアベイラビリティゾーンに確保されていることが確認できます。
(新)拡張VPCルーティングを使用しない場合
拡張VPCルーティングを使用しない場合は、一貫して3つIPアドレスのみで済みます。
- VPC エンドポイント用:3個(固定)
Redshift 用は、「説明」がVPC Endpoint Interface vpce-xxxxxxxxxxxx
の行で、3つのIPアドレスが3つのアベイラビリティゾーンに1つずつ確保されていることが確認できます。
最後に
Amazon Redshift Serverlessの最新アップデートにより、IPアドレス要件が大幅に簡素化されました。これにより、サブネットあたり3つの空きIPアドレスのみで利用可能となり、ユーザーはVPCサブネットの設計や管理に関する懸念を軽減できるようになりました。
このアップデートは、拡張VPCルーティングを使用しない場合に適用され、新規および既存のワークグループに自動的に適用されます。基本RPUのサイズや使用状況に関係なく一貫して適用されるため、Amazon Redshift ProvisionedからのマイグレーションやAmazon Redshift Serverlessの新規導入がより容易になりました。今後も、AWSのサービス改善によって、より柔軟で効率的なデータ管理ソリューションが期待できるでしょう。
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