
AWS Health に届いた Anthropic Usage Policy の更新(2026年11月12日施行)を確認してみた
はじめに
2026年10月14日付の AWS Health 通知で、Amazon Bedrock で利用できる Anthropic モデルの Usage Policy の更新が案内されました。施行日は2026年11月12日です。
この記事では、AWS Health API で通知の種別と本文を確認し、用途別の影響度チェック表と新旧の主な変更点をまとめます。
Health に届いた通知
AWS Health API は、AWS Business Support+、Enterprise Support、Unified Operations のいずれかのサポートプランで利用できます。新しいサポートプランへ移行する前のアカウントでは、従来の Business、Enterprise On-Ramp、Enterprise Support でも利用できます。これらのプランに加入していないアカウントでは SubscriptionRequiredException が返ります。その場合は AWS Health Dashboard でイベントを確認してください。
AWS Health API の describe-events で、サービスを BEDROCK に絞ってイベントを取得しました。
aws health describe-events --region us-east-1 --filter services=BEDROCK
取得したイベントから、通知の性質を示すフィールドを抜粋します。
{
"service": "BEDROCK",
"eventTypeCode": "AWS_BEDROCK_OPERATIONAL_NOTIFICATION",
"eventTypeCategory": "accountNotification",
"startTime": "2026-10-14T15:20:00+09:00",
"statusCode": "open",
"eventScopeCode": "ACCOUNT_SPECIFIC",
"actionability": "ACTION_REQUIRED"
}
eventScopeCode が ACCOUNT_SPECIFIC なので、全アカウント向けの告知ではなく、自アカウントが影響対象として特定された通知です。actionability は ACTION_REQUIRED ですが、求められている対応はポリシーの確認であり、AWS コンソールでの操作ではありません。
本文は describe-event-details で取得しました。<EVENT_ARN> には、describe-events の結果に含まれるイベント ARN を指定します。
aws health describe-event-details --region us-east-1 \
--event-arns <EVENT_ARN> \
--query 'successfulSet[0].eventDescription.latestDescription' \
--output text
本文のうち、ポリシーの更新に関する部分を抜粋します。
Effective November 12, 2026, Anthropic is updating its Usage Policy [2]. The updated policy governs how Anthropic models — including the Claude model family — may be used, and applies to all Anthropic models made available through Amazon Bedrock. We recommend reviewing the updated policy before the effective date to ensure your applications and end-user workflows remain compliant.
What you should do?
- Review the updated Anthropic Usage Policy [2] and compare it against your current use cases.
- Share the updated policy with internal stakeholders (legal, security, product) who govern your use of generative AI.
- Continued use of Anthropic models on Amazon Bedrock on or after November 12, 2026 constitutes acceptance of the updated terms.
There is no change to model availability, pricing, API behavior, or model IDs as a result of this update. No action is required in the AWS console.
[2] https://www.anthropic.com/legal/aup
対応として求められているのは、更新後のポリシーを現在の用途と照らし合わせて確認し、法務・セキュリティ・プロダクトの関係者に共有することです。2026年11月12日以降も Bedrock で Anthropic モデルを利用し続けると、更新後の条件に同意したものと見なされます。
なお、今回の更新によってモデルの提供状況、料金、API の挙動、モデル ID は変わりません。AWS コンソールでの対応も不要です。
確認した新旧のポリシー
新版は2026年11月12日施行版です。2026年10月16日時点で /legal/aup に掲載されていた版を確認しました。
旧版は2025年9月15日施行版です。2026年10月16日に確認したアーカイブページには、旧版であることを示す「This document has been replaced by a newer version」という表示があります。
ユースケース別の影響度チェック
今回の更新を受けて、特に確認しておきたい用途をまとめます。該当する場合は、以下の概要だけで判断せず、公式ポリシーの該当節を確認してください。
| 用途 | 更新の要点 | 確認すること |
|---|---|---|
| 社内向けの下書き・調査・要約・分析 | High-risk 要件の除外対象として明文化 | その出力を最終的に個人向けの助言・判断として提供していないか |
| 個人への助言・判断 | 対象分野を再編(7分野から11分野) | 自社の用途が該当するか、公式ポリシーで確認すること |
| 人の承認を経ずに機器を動かす連携 | High-risk Physical Actions を新設 | 適用条件と安全要件を公式ポリシーで確認すること |
| Claude の再販・プロキシ | 許可されていない手段による提供を禁止 | 自社の提供形態が該当しないか確認すること |
該当性の判断や具体的な要件は、Anthropic Usage Policy の原文を確認してください。
新旧の主な変更点
個人への助言・判断(High-risk AI Recommendations)
新版では、個人への助言や個人に関する判断に用いるモデル出力が High-risk AI Recommendations として整理され、対象分野は7分野から11分野になりました。分野の分割や入れ替えを含む再編です。
また、社内向けの下書き・調査・要約・分析や、特定の個人への助言・判断を伴わない業務運用は、High-risk AI Recommendations の除外対象として明文化されました。ただし、社内向けの出力であっても、最終的に個人向けの助言・判断として提供する場合は、該当性を確認する必要があります。
対象分野と除外対象、および有資格者によるレビューや AI 利用の開示といった具体的な要件は、公式ポリシーの High-risk AI Recommendations 節を確認してください。なお、開示では AI を使ったことを明確に伝える必要がありますが、Anthropic や Claude の名前を出す必要はありません。
機器・ロボットの制御(High-risk Physical Actions)
新版では、High-risk Physical Actions が新設されました。対象は、人の承認を経ずにモデル出力でハードウェアを制御する用途のうち、その機器が人に危害を及ぼすおそれのある動作をできるものです。該当する場合は、有資格者がいつでも停止できる体制や、運用上限をモデルの出力から独立した機器またはコントローラで強制することなどが求められます。モデルが生成したコードや動作計画を、有資格者が実行前に確認する用途は対象外です。
対象となる機器の類型、適用除外、具体的な安全要件は、公式ポリシーの High-risk Physical Actions 節を確認してください。車両・航空・医療機器・機械・労働安全に関する法令や認証の要件も、別途満たす必要があります。
Claude の再販・プロキシ
新版の Do Not Abuse Our Platform 節に、新しい禁止事項が加わりました。対象は、許可されていない手段(unauthorized means)で Claude へのアクセスを再販・プロキシ・提供することです。例示されているのは、消費者向けサブスクリプションを経由してリクエストを中継するサービスや、使用している製品・クライアントを偽装するサービスです。第三者に Claude へのアクセスを提供するサービスを運営している場合は、公式ポリシーの該当箇所を確認してください。
法執行・刑事司法の判断
法執行・刑事司法に関する判断の禁止範囲が拡大されました。該当する用途では、公式ポリシーの Universal Usage Standards 節を確認してください。
まとめ
今回の更新に伴う AWS コンソールでの設定変更は不要です。
主な変更点は次のとおりです。
- 個人への助言・判断に関する High-risk 要件の見直し(最終的に個人向けの助言・判断として提供しない社内向けの下書き・調査・要約・分析は除外対象として明文化)
- 人の承認を経ない機器制御に関する要件の新設
- 許可されていない手段による Claude の再販・プロキシの禁止
施行日までに更新後の Usage Policy を確認してください。禁止事項または High-risk 要件の適用範囲に該当する可能性がある場合は、ポリシーに反する利用を避けるため、法務・セキュリティ・プロダクトなどの関係部門に相談することをおすすめします。










