AWS移行~ある日突然クラウド担当者に任命されたら

社内でクラウド/ AWS 担当者に任命されたらまずやっておくことを考えてみました。AWSの責任共有モデルや従量課金の仕組み、学習方法などを理解しておきましょう。
2020.09.08

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こんにちは。
ご機嫌いかがでしょうか。
"No human labor is no human error" が大好きなネクストモード株式会社 の吉井です。

2020年9月8日~9月30日まで AWS Summit Online が開催されています。
オンライン、かつ、オンデマンドもありということで、物理的制限や時間的制限に囚われることなく自分のペースで学習ができる良い機会になりそうです。

さて、今回は AWS Summit Online がメインではありません。
ある日突然クラウド担当者に任命されたらどのような行動をしたらよいかを考えてみます。
(クラウド担当者って何だよ!というツッコミは無しです)

突然クラウド担当者に任命されたら

あなたはある企業の情報システム部員です。
ある日突然会議室に呼ばれます。
部長は笑いながら「YOU、今日からクラウド担当ね」と言いました。

頭は真っ白、お先は真っ暗です。
今まで複数のシステムを担当しそれなりに経験はあるつもりでした。
ただ、クラウドは初めてです。さて困りました。

そんなあなたでも大丈夫です。

クラウド担当者は何をするのか?

クラウド担当者に任命されたら何をすればいいでしょうか。
やることはたくさんありそうです。混乱しないように最低限のことは把握しておきます。

責任共有モデル

これは必ず理解してほしい概念です。
AWS が責任を持って管理する箇所、自身で管理すべき箇所が示されています。
ハードウェアに関わるかなり部分の管理から開放されます。ハードウェア管理はともすれば非生産的になりがちだったと思います。このメリットは充分に享受したいところです。

https://aws.amazon.com/jp/compliance/shared-responsibility-model/ より引用

従量課金

オンプレミスではハードウェア購入で大きな出費があり、毎年のランニングはほぼ固定の保守費用を払っていたと思います。(毎年ジワジワ上昇する保守モデルもありますが…)

AWS は従量課金です。使った分の支払いです。
料金モデルは理解しておきます。
よくある勘違いとして、「EC2 を停止していれば0円なんでしょ」というコメントを頂くことが昔はありました。
ストレージサービスは大抵容量課金ですし、ネットワークサービスは通信量+時間課金ということもあります。
月末に思わぬ請求で驚かないためにも料金モデルは理解します。

ただ使った分を払うだけでなく、あらゆる手段を活用して少しでも安く AWS を利用します。

AWSアカウントを作ったら最初にやるべきこと

大きな事故を起こさないために AWS アカウントを作った後に最初でやるべきことが以下のエントリで公開されています。
簡単な説明とドキュメントリンクが記述されています。ここをやるやらないで事故率は大きく変わると思います。

ガイドラインの作成

自社で AWS を使う際のガイドラインを作成します。
これより後ろで学習リソース、ベストプラクティスを紹介しています。参考にしながらガイドラインを作り運用します。

いきなり立派なガイドラインを作ろうとすると、破綻したり形骸化する可能性があります。
まずは手が届く範囲でスタートし、利用状況に合わせて徐々に拡張していくほうが効果的だと考えています。
権限設定、料金モデル、セキュリティベストプラクティスの遵守、リソースライフサイクルあたりから始めると分かりやすいかと思います。
ここは AWS パートナーに委託してもよいかもしれません。

自社でコントロールする

オンプレミスの頃はハードウェア販社、データセンター事業者に依存する部分が大きかったかもしれません。
クラウド利用をきっかけに IT コントロールを自社に取り戻します。

最新テクノロジーやノウハウの理解・吸収・活用は、自社で IT をコントロールすることで実現します。
ベンダーに依存してはならない領域なので苦しいですが頑張って頑張って達成してみてください。(応援します)

学習リソース

AWS Japan の方々が作成した資料が公開されています。
ここに置いてある資料を一通り読むことをオススメします。
AWS クラウドサービス活用資料集トップ

アーキテクチャの見本を見ることで大きな気付きや学びがあります。
AWS は本当に多くの情報が公開されています。積極的に吸収していきましょう。
The Amazon Builders' Library
AWS ホワイトペーパーとガイド

GO LEARN GO BUILD

AWS Summit Online のキーノートで印象に残った言葉です。
GO LEARN! GO BUILD!

手を動かして AWS の技術を身に付けましょう。
一度実践してみれば必ず身に付きます。
うまくいかず四苦八苦するとなおさら理解が深まるはずです。
“ハンズオンはじめの一歩” 編を公開しました!- Monthly AWS Hands-on for Beginners 2020年3月号

“ハンズオンはじめの一歩” 編が終わったらベストプラクティスをハンズオンで学んでみます。
設計原則をハンズオンしながら学ぶことが可能です。

クラウド運用

クラウドでの運用はどうしたらいいのか? 答えはありません。
答えはありませんが、先人に学ぶことはできます。
設計原則、ベストプラクティスに倣うことはとても大切です。

モダンな監視について理解を深めます。
適切な監視と観測態勢を整えてモダンな監視への第一歩を進めます。

監視に関する考え方も大きく変わってきています。
「クラウド特有」というわけではありませんが、「クラウドならでは」のモダンな監視を学びます。

コミュニティに参加する

様々なコミュニティや勉強会に参加してみましょう。
参加といってもいきなり登壇するのはハードルが高いので、まずは聴く側で参加します。
コミュニティにはハッシュダグが決められていることが多いです。SNS で盛り上げていきましょう。

connpass
Doorkeeper

まとめ

クラウドファーストという言葉が誕生してから久しいです。これからもクラウド利用がどんどん進んでいくと予想します。
トップダウンでいきなりクラウド担当者に任命されてしまうことをあるかもしれません。
そのような事態でも慌てず騒がずクールに対応できたら素敵ですよね。
新しいことを学ぶのはエネルギーが要りますがエンジニアとしてはとても楽しいことだと思います。
GO LEARN! GO BUILD!

以上、吉井 亮 がお届けしました。