Atlassian公式からベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」がリリースされたのでさわってみた

Atlassian公式からベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」がリリースされたのでさわってみた

Clock Icon2025.06.20

こんにちは。たかやまです。

先日Atlassianからベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」が提供されました。

https://www.atlassian.com/ja/blog/rovo-dev-cli

昨今流行りのClaude Codeのようなターミナル上で利用できるツールで、Atlassian Command Line Interface (ACLI)の拡張機能として開発に利用できるツールです。

今回はこのRovo Devを試してみたので、ご紹介したいと思います。

さきにまとめ

  • 現在ベータ版として提供されており、利用ユーザー数に制限があり
  • 月間20Mトークンまで無料で利用可能(ベータ期間中)
  • 複数サイトを持つユーザーでは「Rovo Dev Agents is not installed on your site」エラーが発生する可能性がある
    • シングルサイトの新規ユーザーでは問題なく動作することを確認
  • AIエージェントとしてはコーディング支援のほかAtlassian製品(JiraやConfluence)と連携したサマリ作成機能がある
    • Claude Codeと比較するとベータ版ということもありコーディングツールとしては気になる部分あり

ベータ版としての制約

現在ベータ版として提供されており、利用ユーザー数に制限があります。
利用したい方はお早めにサインアップしておきましょう。

Beta technology disclaimer
Rovo Dev in the CLI is a beta product under active development. We can only support a certain number of users without affecting the top-notch quality and user experience we are known for providing. Once we reach this limit, we will create a waiting list and continue to onboard users as we increase capacity. This product is available for free while in beta.

https://community.atlassian.com/forums/Rovo-Dev-AI-Agents-Beta-articles/Introducing-Rovo-Dev-CLI-AI-Powered-Development-in-your-terminal/ba-p/3043623

事前準備

サインアップ

以下のリンクからサインアップができます。

https://www.atlassian.com/solutions/devops/ai-innovation

Try it for free ボタンがあるのでこちらを選択します。

CleanShot 2025-06-19 at 19.34.50@2x.png

サインアップページでアカウントを作成します。

CleanShot 2025-06-19 at 19.32.41@2x-1.png

ログインするとサイト選択画面が表示されます。利用するサイトを選択してください。

CleanShot 2025-06-19 at 19.36.48@2x.png

セットアップが完了すると、Go to Rovo Dev Agents ボタンが表示されます。

CleanShot 2025-06-19 at 19.39.24@2x.png

サインアップが完了すると、以下のような管理画面が表示されます。

CleanShot 2025-06-19 at 19.43.27@2x.png

ACLIインストール

Rovo DevはAtlassian Command Line Interface (ACLI)の拡張機能として利用します。

まだインストールしていない場合は、以下のページからACLIをインストールします。

https://developer.atlassian.com/cloud/acli/guides/install-acli/

Macの場合は以下のコマンドでインストールできます。

brew tap atlassian/homebrew-acli
brew install acli

インストール後、バージョンを確認します。

acli --version
インストール結果
acli --version
acli version 1.2.3-stable

Rovo Dev CLI実行

以下のコマンドでログインを実行します。

acli rovodev auth login 

ログインを実行すると、emailとAPIトークンの入力が求められます。
APIトークンの取得方法については、こちらの記事を参考にしてください。

┃ Enter your email
┃ >

  Enter your API token ( create one at: https://id.atlassian.com/manage-profile/security/api-tokens )
  >

enter next

ログインに成功すると ✓ Authentication successful と表示されます。

次に、Rovo Dev CLIを実行します。

acli rovodev run

複数サイトユーザーでのエラー

複数のサイトを持つユーザーで実行したところ、Rovo Dev Agents is not installed on your siteエラーが発生しました。

CleanShot 2025-06-20 at 15.20.02@2x.png

Atlassianのコミュニティフォーラムでも同様の問題が報告されていました。

https://community.atlassian.com/forums/Rovo-Dev-AI-Agents-Beta-articles/Introducing-Rovo-Dev-CLI-AI-Powered-Development-in-your-terminal/bc-p/3044954#M40

今回検証したユーザーは複数サイトを持つユーザーだったため、そのあたりで動作が不安定でだったのかなと思ったりしています。

CleanShot 2025-06-20 at 10.44.05@2x.png

シングルサイトユーザーでの成功例

仕切り直してシングルサイトの新規ユーザーを作成して試したところ、問題なく rovodev run コマンドが実行できました。

CleanShot 2025-06-20 at 13.06.59@2x.png

機能を試してみる

使用モデルの確認

まず、どのAIモデルを使用しているかを確認してみました。

CleanShot 2025-06-20 at 13.25.52@2x.png

(日本語で返答すると言っていますが英語で返していますね...)バージョンは不明ですがClaudeのモデルをベースにしていることが分かります。

利用可能なスラッシュコマンド

/help コマンドを実行すると、利用可能なスラッシュコマンドが表示されます。

CleanShot 2025-06-20 at 13.22.45@2x.png

現在提供されているスラッシュコマンドは以下の通りです。

コマンド 説明
/sessions エージェントセッションの表示と管理
/clear 現在のセッションのメッセージ履歴をクリア
/prune コンテキストを保持しながら現在のセッションのメッセージ履歴のトークンサイズを削減
/instructions 保存された指示を実行
/memory メモリファイルの管理
# <note> Rovo Devのローカルメモリファイルにメモを追加
#! <note> Rovo Devのローカルメモリファイルからメモを削除
/feedback Rovo Dev CLIに関するフィードバックの提供またはバグ報告
/usage 1日のLLMトークン使用量を表示
/exit アプリケーションを終了。/quit/qexitquitqでも可能

いくつかのコマンドを試してみたいと思います。

usage

/usage コマンドを実行すると、1日のLLMトークン使用量が表示されます。

1日20Mトークンまで使用可能で、現在無料で利用できるAIエージェントツールとして、使用感を試すには十分なトークン量だと思います。

> /usage

  Today's Token Balance
  Your token balance will reset every day at midnight UTC time.

  Total Allowed:      20,000,000
  Remaining Balance:  17,422,786
  Used Today:         2,577,214

memory

/memoryコマンドはClaude CodeのCLAUDE.mdに相当する機能です。

このコマンドを実行すると、ルートディレクトリに空の .agent.md ファイルが作成されます。

CleanShot 2025-06-20 at 12.59.27@2x.png

Claude Codeの /init コマンドのように自動でルールを作成してくれる機能はまだないようですね。

# <文章> を実行することで、メモを .agent.md に追加できます。
(あまり利用ユースが私は思い浮かびませんでしたが、作業記録を残すとかに使える...?)

CleanShot 2025-06-20 at 13.02.38@2x.png

試しに、.agent.md に日本語でレスポンスを返すようなルールを追加してみました。

# Agent Guidelines

## 言語ルール
- すべてのレスポンスは日本語で行うこと
- 技術用語はそのままでも構いませんが、説明は日本語で行うこと
- エラーメッセージの引用や、コードの説明をする際も、周囲の説明文は日本語にすること

この状態で What is your model? という英語の質問を投げてみたところ、ちゃんと日本語でレスポンスが返ってきました!

CleanShot 2025-06-20 at 13.20.32@2x.png

instructions

/instructions コマンドは事前に作成されたプロンプトを実行できる機能です。

このコマンドを実行すると、以下のような選択肢が表示されます。.rovodev/instructions.ymlファイルを管理することで、カスタム指示を実行できます。

また、プリセットとしてAtlassian製品のJiraやConfluenceのページを参照してサマリを作成する機能もありそうです。
(今回はJira/Confluenceに接続していないサイトでの検証のため試せませんでした...)

CleanShot 2025-06-20 at 13.30.31@2x.png

対話形式で指示を作成することも可能です。

作成ログ

実際に指示を作成してみた際のやり取りの一部をご紹介します。

> /instructions

╭─ Response ───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ ご依頼ありがとうございます。指示定義のための情報を収集し、指定された形式で保存するお手伝いをします。まずは必要な情報 │
│ を集めていきましょう。                                                                                               │
│                                                                                                                      │
│                                            ステップ 1: 指示の名前について                                            │
│                                                                                                                      │
│ 指示(instruction)の名前は何にしますか?これは簡潔で分かりやすい名前が良いでしょう。例えば「AWSセキュリティレビュー │
│ 」や「新機能開発ガイドライン」などです。                                                                             │
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯

> サンプルにしてください。

╭─ Response ───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ 承知しました。「サンプル」という名前の指示を作成します。                                                             │
│                                                                                                                      │
│                                            ステップ 2: 指示の説明について                                            │
│                                                                                                                      │
│ この「サンプル」指示の説明文を教えていただけますか?これは指示の目的や使用場面などを簡潔に説明するものです。         │
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯

実際に指示を作成すると、.rovodev/ ディレクトリ配下に instructions.ymlsample.md が作成されました。

再度 /instructions コマンドを実行すると、作成した指示が選択肢として表示されます。

CleanShot 2025-06-20 at 13.44.43@2x.png

その他の気になる部分で

URLを与えてWebページを要約させようとしましたが、Web Search機能はサポートされていないようです。

CleanShot 2025-06-20 at 13.50.14@2x.png

coding

Claude Codeに依頼しているようなコーディング指示を投げてみたところ、途中でループに入ってしまい Failed to generate an LLM response.で終了してしまったため遂行力の部分もこれからに期待したいところです。

CleanShot 2025-06-20 at 15.06.03@2x.png

最後に

今回はAtlassianのベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」を試してみました。

ベータ版ということもあり、 AIエージェントツールとしては要所要所で気になる部分がありましたが、真価はAtlassian製品(JiraやConfluence)との連携で発揮されると思います。

ぜひ、マルチサイトでの動作も安定したら再度検証したいと思います。

現在ベータ版として提供されており、ユーザー数に制限があるようですので、Rovo Devに興味がある方は早めにサインアップいただければと思います。

このブログが誰かの参考になれば幸いです。

以上、たかやま(@nyan_kotaroo)でした。

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