
Atlassian公式からベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」がリリースされたのでさわってみた
こんにちは。たかやまです。
先日Atlassianからベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」が提供されました。
昨今流行りのClaude Codeのようなターミナル上で利用できるツールで、Atlassian Command Line Interface (ACLI)の拡張機能として開発に利用できるツールです。
今回はこのRovo Devを試してみたので、ご紹介したいと思います。
さきにまとめ
- 現在ベータ版として提供されており、利用ユーザー数に制限があり
- 月間20Mトークンまで無料で利用可能(ベータ期間中)
- 複数サイトを持つユーザーでは「Rovo Dev Agents is not installed on your site」エラーが発生する可能性がある
- シングルサイトの新規ユーザーでは問題なく動作することを確認
- AIエージェントとしてはコーディング支援のほかAtlassian製品(JiraやConfluence)と連携したサマリ作成機能がある
- Claude Codeと比較するとベータ版ということもありコーディングツールとしては気になる部分あり
ベータ版としての制約
現在ベータ版として提供されており、利用ユーザー数に制限があります。
利用したい方はお早めにサインアップしておきましょう。
Beta technology disclaimer
Rovo Dev in the CLI is a beta product under active development. We can only support a certain number of users without affecting the top-notch quality and user experience we are known for providing. Once we reach this limit, we will create a waiting list and continue to onboard users as we increase capacity. This product is available for free while in beta.
事前準備
サインアップ
以下のリンクからサインアップができます。
Try it for free
ボタンがあるのでこちらを選択します。
サインアップページでアカウントを作成します。
ログインするとサイト選択画面が表示されます。利用するサイトを選択してください。
セットアップが完了すると、Go to Rovo Dev Agents
ボタンが表示されます。
サインアップが完了すると、以下のような管理画面が表示されます。
ACLIインストール
Rovo DevはAtlassian Command Line Interface (ACLI)の拡張機能として利用します。
まだインストールしていない場合は、以下のページからACLIをインストールします。
Macの場合は以下のコマンドでインストールできます。
brew tap atlassian/homebrew-acli
brew install acli
インストール後、バージョンを確認します。
acli --version
インストール結果
acli --version
acli version 1.2.3-stable
Rovo Dev CLI実行
以下のコマンドでログインを実行します。
acli rovodev auth login
ログインを実行すると、emailとAPIトークンの入力が求められます。
APIトークンの取得方法については、こちらの記事を参考にしてください。
┃ Enter your email
┃ >
Enter your API token ( create one at: https://id.atlassian.com/manage-profile/security/api-tokens )
>
enter next
ログインに成功すると ✓ Authentication successful
と表示されます。
次に、Rovo Dev CLIを実行します。
acli rovodev run
複数サイトユーザーでのエラー
複数のサイトを持つユーザーで実行したところ、Rovo Dev Agents is not installed on your site
エラーが発生しました。
Atlassianのコミュニティフォーラムでも同様の問題が報告されていました。
今回検証したユーザーは複数サイトを持つユーザーだったため、そのあたりで動作が不安定でだったのかなと思ったりしています。
シングルサイトユーザーでの成功例
仕切り直してシングルサイトの新規ユーザーを作成して試したところ、問題なく rovodev run
コマンドが実行できました。
機能を試してみる
使用モデルの確認
まず、どのAIモデルを使用しているかを確認してみました。
(日本語で返答すると言っていますが英語で返していますね...)バージョンは不明ですがClaudeのモデルをベースにしていることが分かります。
利用可能なスラッシュコマンド
/help
コマンドを実行すると、利用可能なスラッシュコマンドが表示されます。
現在提供されているスラッシュコマンドは以下の通りです。
コマンド | 説明 |
---|---|
/sessions |
エージェントセッションの表示と管理 |
/clear |
現在のセッションのメッセージ履歴をクリア |
/prune |
コンテキストを保持しながら現在のセッションのメッセージ履歴のトークンサイズを削減 |
/instructions |
保存された指示を実行 |
/memory |
メモリファイルの管理 |
# <note> |
Rovo Devのローカルメモリファイルにメモを追加 |
#! <note> |
Rovo Devのローカルメモリファイルからメモを削除 |
/feedback |
Rovo Dev CLIに関するフィードバックの提供またはバグ報告 |
/usage |
1日のLLMトークン使用量を表示 |
/exit |
アプリケーションを終了。/quit 、/q 、exit 、quit 、q でも可能 |
いくつかのコマンドを試してみたいと思います。
usage
/usage
コマンドを実行すると、1日のLLMトークン使用量が表示されます。
1日20Mトークンまで使用可能で、現在無料で利用できるAIエージェントツールとして、使用感を試すには十分なトークン量だと思います。
> /usage
Today's Token Balance
Your token balance will reset every day at midnight UTC time.
Total Allowed: 20,000,000
Remaining Balance: 17,422,786
Used Today: 2,577,214
memory
/memory
コマンドはClaude CodeのCLAUDE.md
に相当する機能です。
このコマンドを実行すると、ルートディレクトリに空の .agent.md
ファイルが作成されます。
Claude Codeの /init
コマンドのように自動でルールを作成してくれる機能はまだないようですね。
# <文章>
を実行することで、メモを .agent.md
に追加できます。
(あまり利用ユースが私は思い浮かびませんでしたが、作業記録を残すとかに使える...?)
試しに、.agent.md
に日本語でレスポンスを返すようなルールを追加してみました。
# Agent Guidelines
## 言語ルール
- すべてのレスポンスは日本語で行うこと
- 技術用語はそのままでも構いませんが、説明は日本語で行うこと
- エラーメッセージの引用や、コードの説明をする際も、周囲の説明文は日本語にすること
この状態で What is your model?
という英語の質問を投げてみたところ、ちゃんと日本語でレスポンスが返ってきました!
instructions
/instructions
コマンドは事前に作成されたプロンプトを実行できる機能です。
このコマンドを実行すると、以下のような選択肢が表示されます。.rovodev/instructions.yml
ファイルを管理することで、カスタム指示を実行できます。
また、プリセットとしてAtlassian製品のJiraやConfluenceのページを参照してサマリを作成する機能もありそうです。
(今回はJira/Confluenceに接続していないサイトでの検証のため試せませんでした...)
対話形式で指示を作成することも可能です。
作成ログ
実際に指示を作成してみた際のやり取りの一部をご紹介します。
> /instructions
╭─ Response ───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ ご依頼ありがとうございます。指示定義のための情報を収集し、指定された形式で保存するお手伝いをします。まずは必要な情報 │
│ を集めていきましょう。 │
│ │
│ ステップ 1: 指示の名前について │
│ │
│ 指示(instruction)の名前は何にしますか?これは簡潔で分かりやすい名前が良いでしょう。例えば「AWSセキュリティレビュー │
│ 」や「新機能開発ガイドライン」などです。 │
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
> サンプルにしてください。
╭─ Response ───────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╮
│ 承知しました。「サンプル」という名前の指示を作成します。 │
│ │
│ ステップ 2: 指示の説明について │
│ │
│ この「サンプル」指示の説明文を教えていただけますか?これは指示の目的や使用場面などを簡潔に説明するものです。 │
╰──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────╯
実際に指示を作成すると、.rovodev/
ディレクトリ配下に instructions.yml
と sample.md
が作成されました。
再度 /instructions
コマンドを実行すると、作成した指示が選択肢として表示されます。
その他の気になる部分で
web search
URLを与えてWebページを要約させようとしましたが、Web Search機能はサポートされていないようです。
coding
Claude Codeに依頼しているようなコーディング指示を投げてみたところ、途中でループに入ってしまい Failed to generate an LLM response.
で終了してしまったため遂行力の部分もこれからに期待したいところです。
最後に
今回はAtlassianのベータ版AIエージェントツール「Rovo Dev」を試してみました。
ベータ版ということもあり、 AIエージェントツールとしては要所要所で気になる部分がありましたが、真価はAtlassian製品(JiraやConfluence)との連携で発揮されると思います。
ぜひ、マルチサイトでの動作も安定したら再度検証したいと思います。
現在ベータ版として提供されており、ユーザー数に制限があるようですので、Rovo Devに興味がある方は早めにサインアップいただければと思います。
このブログが誰かの参考になれば幸いです。
以上、たかやま(@nyan_kotaroo)でした。