[アップデート] Aurora DSQL がソウルリージョンをサポートし、アジアパシフィックリージョンでもマルチリージョンクラスターが使えるようになりました

[アップデート] Aurora DSQL がソウルリージョンをサポートし、アジアパシフィックリージョンでもマルチリージョンクラスターが使えるようになりました

Clock Icon2025.07.04

いわさです。

Aurora DSQL にはシングルリージョンクラスターとマルチリージョンクラスターがあります。
シンプルリージョンクラスターはこれまで東京リージョンと大阪リージョンもサポートしていましたが、マルチリージョンクラスターは米国(バージニア北部・オハイオ・オレゴン)でのみサポートされていました。
これは、DSQL のマルチリージョンクラスターはメインリージョンに加えてピアリージョンとウィットネスリージョンの合計3つのリージョンが必要で、かつ大陸間マルチリージョンクラスターをサポートしていないためです。

https://dev.classmethod.jp/articles/amazon-aurora-dsql-generally-available/

本日のアップデートで、Aurora DSQL が ap-northeast-2(ソウルリージョン)をサポートしました。

https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2025/07/amazon-aurora-dsql-additional-regions/

そして、このアップデートによってアジアパフィシックでのマルチリージョンクラスターがサポートされるようになりました。

マルチリージョンクラスターのおさらい

Aurora DSQL のマルチリージョンクラスターにはピア(リモート)リージョンとウィットネスリージョンという概念が登場します。
ピアリージョンは2つ目のクラスターを作成するリージョンで、1つ目のクラスターとピアリングされ、すべての書き込みが複製されます。どちらのクラスターでも読み取りと書き込みができます。
ウィットネスクラスターはマルチリージョンクラスターに書き込まれるデータを受信しますが、エンドポイントはホストされずユーザーからアクセスすることは出来ません。暗号化されたトランザクションログが限られた期間だけ保持されます。

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Amazon Aurora DSQL, the fastest serverless distributed SQL database is now generally available | AWS News Blog より

日本で使う場合はメインリージョンとピアリージョンを東京/大阪にし、ウィットネスリージョンをソウルにするのが良さそうです。

東京リージョンをメインにしたマルチリージョンクラスターを作成してみた

ということで今回アジアパシフィックなマルチリージョンクラスターを作成してみました。
まず、東京リージョンにメインのクラスターを作成してみます。Aurora DSQL コンソールからマルチリージョンクラスター作成ボタンを押しましょう。

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マルチリージョン設定でまずはウィットネスリージョンを設定します。ここで大阪リージョンかソウルリージョンを選択します。好きなリージョンを選択すれば良いのですが、今回の手順ではウィットネスリージョンに大阪リージョンを指定しました。なお、メインリージョン・ピアリージョン・ウィットネスリージョンはそれぞれ別のリージョンを選択する必要があるので、ここで大阪リージョンを選択するということはピアリージョンはソウルリージョンになります。
ピアリージョンを大阪にしたい場合はここでソウルリージョンを選択しましょう。

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ウィットネスリージョンについては特に明示的に対象リージョン上での作業は不要です。上記で終わりです。
ただし、ピアリージョンについては対象リージョンで同一ウィットネスリージョンのマルチリージョンクラスターを作成し、その後メインリージョンとピアリージョンの間でのピアリング設定が必要です。

ちなみに、Aurora DSQL コンソール上ではそのあたりがポチポチで出来るようにバナーが表示されます。便利です、やってみましょう。
東京リージョンでマルチリージョンクラスターを作成後、まだセットアップ保留中というステータスになっていると思います。上部にはクラスターセットアップを完了させるためのバナーが。このボタンを押します。

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そうすると、ピアリージョンで作成済みのマルチリージョンクラスターARNを指定するか、クラスターを新規作成するか選択できます。
まだソウルリージョンにクラスターを作成していないので、新規作成を選びました。

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そうするとピアリージョン(ソウル)に遷移し、クラスター作成画面が開始されます。
マルチリージョン設定でウィットネスリージョンに大阪リージョンが自動選択されていることがわかります。

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このままクラスターの作成を行いましょう。
これでソウルリージョンに同一ウィットネスリージョンのクラスターが作成できたのですが、まだ完了ではありません。
最後にメインリージョンとピアリージョンでピアリング設定が必要です。

ソウルのクラスター作成画面でピアリング設定がそのまま可能です。

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ここで少しだけ待機時間が発生します。私が試した際には完了まで 2~3 分かかりました。

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完了後、メインリージョンのピア設定を見てみると、次のようにウィットネスリージョンに大阪リージョン、ピアリージョンにソウルリージョンが設定されていることが確認出来ました。
これでアジアパシフィックでのマルチリージョンクラスターの作成は完了です。

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さいごに

本日は Aurora DSQL がソウルリージョンをサポートし、アジアパシフィックリージョンでもマルチリージョンクラスターが使えるようになったので試してみました。

シングルクラスターであれば東京と大阪で利用出来たので既に使い始めている方もいると思いますが、今回マルチリージョンクラスターも構成できるようになりました。
未サポートだったためにシングルリージョンクラスターで妥協していた方は再検討してみてはいかがでしょうか。ただ、現状シングルリージョンクラスターからマルチリージョンクラスターへの変更は出来ないようなので、既に運用している場合はデータ移行が必要になります。

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