[小ネタ]AWS Backup のバックアップウィンドウの「次の時間以内に開始」と「次の時間以内に完了」の設定項目について
猫に乗られながら生きている、テクニカルサポートのm.hayakawaです。
AWS Backup は上手に使えていますか?
今回は、バックアッププラン作成時のバックアップルールの項目である、バックアップウィンドウをカスタマイズした際の設定項目について、小ネタとしてまとめていきます。
バックアップウィンドウをカスタマイズ
バックアップルール設定にてバックアップウィンドウをカスタマイズを ON にした際には、以下のコンソールが表示されます。
この中に、「次の時間以内に開始」と「次の時間以内に完了」の設定項目があります。
こちら、マネジメントコンソールに設定の意味が記載されていましたので、詳細を確認してみることにしました。
次の時間以内に開始
コンソールの「情報」を押すと右側に説明が現れます。
Start within Defines the period of time in which a backup needs to start. Doing this helps ensure that your backup starts during the window. Backups that don't start during the specified window are marked as expired.
日本語訳
バックアップを開始する必要がある期間を定義します。この設定を行うと、指定した期間内にバックアップが開始されるようになります。指定した期間内にバックアップが開始されなかった場合、「Expired」と表示されます。
例えば、上記スクリーンショットのように「8時間」と指定した場合は、バックアップウィンドウの開始時間(05:00 UTC)から「8時間」以内のいずれかのタイミングにてバックアップジョブが開始される挙動になります。
一方で、何らかの理由で「8時間」以内にバックアップが開始されなかった場合は、バックアップジョブがキャンセルされ、ステータス「Expired」となります。
次の時間以内に終了
コンソールの「情報」を押すと右側に説明が現れます。
Complete within Defines the period of time during which your backup must complete. If the data transfer for backing up your resource does not complete during this period of time, AWS Backup will display the status Expired. Otherwise, the data transfer portion of your backup job completed successfully. However, for particularly large backups, the rest of the backup process might take up to several days to complete and display the status Completed.
日本語訳
バックアップが完了しなければならない期間を定義します。この期間内にリソースをバックアップするためのデータ転送が完了しなかった場合、AWS Backupは「Expired」というステータスを表示します。それ以外の場合は、バックアップジョブのデータ転送部分は正常に完了しています。ただし、特に大規模なバックアップの場合、バックアッププロセスの残りの部分が完了してステータスが「Completed」と表示されるまでに数日かかることもあります。
例えば「7日」と設定した場合、バックアップ開始から 7 日以内に完了すれば、ステータス「Completed」となりバックアップは成功となります。
一方で、何らかの理由でバックアップが開始してから終了するまでに7日以上経過した場合は、バックアップジョブがキャンセルされ、ステータス「Expired」となります。
まとめ
AWS Backup のバックアップウィンドウをカスタマイズした場合、要件に合わせて開始時間と完了時間を適切に設定する必要があることが分かりました。
例えば、「次の時間以内に開始」を最低値の 1 時間に設定した場合、何らかの問題でバックアップを開始できない場合、1時間で「Expired」となります。
そのため、許容できる時間範囲内を広めに設定し、その時間範囲内にて定期的にバックアップを実行するといった形が想定されます。
また、大規模なデータをバックアップする場合は、「次の時間以内に終了」を十分長い期間に設定する必要がありそうです。
要件に合わせて適切な値を設定することが望ましいと考えられます。