AWS BackupにてRDS for Oracleのスナップショットをクロスリージョンコピーした際にエラーが出たので調査してみた

AWS BackupにてRDS for Oracleのスナップショットをクロスリージョンコピーした際にエラーが出たので調査してみた

Clock Icon2025.03.06

こんにちは、こーへいです。

今回は、AWS BackupにてRDS for Oracleのスナップショットをクロスリージョンコピーした際にエラーが出たので調査してみました。

発生した事象

以下の画像の通り、AWS Backupのバックアップルールにてスナップショットを大阪リージョンにコピーするように設定しています。
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スナップショットのコピー(ジョブ)が完了したタイミングでステータスを確認すると以下のエラーが発生していました。

貼り付けた画像_2025_03_06_10_31

The snapshot requires a target option group with the following options: [Timezone](スナップショットには、以下のオプションを持つターゲットオプショングループが必要です: [タイムゾーン]※機械翻訳)

結論

  • AWS Backupではスナップショットのコピー時に使用するオプショングループを選択できないため、オプションを変更している場合はクロスリージョンコピーができない。
  • RDS標準バックアップや手動でのスナップショットコピー時には対応したオプショングループをコピー先リージョンにも自動で作成してくれるためエラーが出ない。
  • AWS Backupでは継続的バックアップのクロスリージョンコピーに対応していないのもあり、基本的にはRDS標準バックアップを使用した方が良さそう。

なぜ発生したのか調べる

エラーの通り、今回のバックアップ対象としていたRDS for Oracle(database-1)には独自のオプショングループを紐づけています(今回はTimezoneとSTATSPACKを変更しています)。

貼り付けた画像_2025_03_06_10_34

次は関連するドキュメントを漁ります。

トラブルシューティング AWS Backup

AWS Backup does not currently pass on the TDE option group when a copy job is created. If you intend to use this option group for copy job creation, you must use the Amazon RDS console or Amazon RDS API instead of AWS Backup tools. See Copying an option group in the Amazon Relational Database Service User Guide for more information.

AWS Backupは現在、コピージョブの作成時にTDEオプショングループを渡しません。コピージョブの作成にこのオプショングループを使用する場合は、AWS Backupツールの代わりにAmazon RDSコンソールまたはAmazon RDS APIを使用する必要があります。詳細については、『Amazon Relational Database Service User Guide』の「オプショングループのコピー」を参照してください。※機械翻訳

TDE オプショングループとは恐らくOracle Transparent Data Encryptionのことを指すかと思われます。

ということであれば、TDE以外のオプションしか触っていないのであればエラーは発生しない様ですが、実際はエラーが発生しています。

他のサイトも見てみる

2022年9月に執筆されたこちらの記事も今回と同様のエラー現象を解説されています。

https://iret.media/64356

AWS Backup を使用するしてバックアップコピーを作成する場合、RDS オプションを指定できません。
「The snapshot requires a target option group with the following options: Timezone...」などのエラーが表示される場合、オプションを削除するか、Amazon RDS コンソールまたは API を使用してコピーを開始する必要があります。

記事内で上記公式ドキュメントの一部が紹介されており、恐らく先ほど紹介したトラブルシューティング AWS Backup以前のバージョンの記述かと思われます。

2022年9月以降にクロスリージョンコピーに対応したアップデートも見当たらなかったので、ドキュメント内の記述は変更されていますが、状況は変わらないかと思われます。

対応策を検討

Amazon RDS の DB スナップショットのコピーCopyActionに記載の通り、手動でスナップショットをコピーする場合は使用するオプショングループが選択できます。なのでAWS Backupを使用しないクロスリージョンコピーだと成功しそうです。

実際に大阪リージョンに手動コピーしてみました。

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作成した記憶のないオプショングループが使用されていました。オプショングループの説明を見ても、手動の場合はオプショングループをコピー先のリージョンに自動で用意してもらえるみたいですね。

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またRDS標準機能の自動バックアップのリージョンコピーの場合も、自動でオプショングループが用意されていました。

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Amazon RDS の DB スナップショットのコピーには以下の記載があり、「コピー先の AWS リージョンで、元の DB インスタンスと同じ設定のオプショングループを(自動で)作成します。」という意味だったみたいです。

リージョン間でスナップショットをコピーする場合、スナップショットに新しいオプショングループを指定できます。スナップショットをコピーする前に、新しいオプショングループを準備することをお勧めします。コピー先の AWS リージョンで、元の DB インスタンスと同じ設定のオプショングループを作成します。新しい AWS リージョンにすでにオプショングループが存在する場合は、それを使用できます。

余談

余談にはなりますが、上記のエラー以外にもスナップショットのクロスリージョンコピーが必要な場合は、AWS Backupがクロスリージョンの自動バックアップコピーが使えない(参考)一方で、RDSの標準バックアップでは対応しています(参考)。

要件にもよりますが、RDS for Oralceのクロスリージョンコピーを使用したい場合は基本的にRDSの標準バックアップを使用するのが良いでしょう。

まとめ

クロスリージョンコピーは沼ポイントがいくつかある印象なので、こうした記事をブログに残せてよかったです。

その他参考

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