AWS CodeCommitがGAに完全復帰。新規アカウントでのリポジトリ作成を検証してみた
2025年11月24日、AWSは以前「非推奨化(De-emphasis)」の方針を発表していたAWS CodeCommitについて、General Availability(GA)への完全な復帰を発表しました。
この発表に伴い、これまで制限されていた新規AWSアカウント(新規顧客)でのCodeCommitの利用開始(オンボーディング)が即時再開されています。
本記事では、アップデートの概要を確認するとともに、実際に「先月作成したばかりの新規アカウント」を使用して、リポジトリの作成が可能になっているか、AWS CLIを用いて検証しました。
アップデート概要
公式ブログによると、2024年7月の非推奨化発表以降、多くの顧客から「CodeCommitはインフラの重要な一部である」というフィードバックが寄せられたとのことです。特にIAM統合、VPCエンドポイント対応、CloudTrailログなどのAWSネイティブな機能が、規制産業やAWS環境内での開発において代替困難であることが再評価されました。
主な変更点は以下の通りです。
- 新規顧客の受け入れ再開: 新規アカウントでもコンソール、CLI、API経由でリポジトリ作成が可能になりました。
- ロードマップの公開: 単なる維持ではなく投資が継続されます。
- Git LFSサポート: 2026年第1四半期(Q1)予定
- リージョン拡張: 2026年第3四半期(Q3)より順次(eu-south-2, ca-west-1など)
検証環境
今回の検証には、CodeCommitの新規利用が制限されていた期間中に作成されたAWSアカウントを使用しました。
アカウントの作成時期確認
まず、この環境が「既存のCodeCommit利用履歴がない新規環境」であることを確認するため、最も古いIAMロールの作成日時を確認しました。
$ aws iam list-roles --query 'Roles[?RoleName==`AWSServiceRoleForSupport`].{Name:RoleName,CreateDate:CreateDate}'
[
{
"Name": "AWSServiceRoleForSupport",
"CreateDate": "2025-05-27T03:05:20+00:00"
}
]
上記ログの通り、この環境は 2025年5月27日 にアカウントが利用開始されています。これは2024年7月のCodeCommit縮小発表後に作成された環境であり、以前のポリシーであれば、このアカウントでCodeCommitの新規リポジトリ作成は行えないはずでした。
AWS CLIによるリポジトリ作成検証
それでは、実際にAWS CLIを使用してリポジトリの作成を試みます。
実行コマンド
以下のコマンドを実行し、test-repo という名前のリポジトリを作成しました。
aws codecommit create-repository \
--repository-name "test-repo" \
--repository-description "Test repository" \
--region us-east-1
実行結果
コマンド実行の結果、エラーが発生することなく、以下のようにリポジトリのメタデータが返却されました。
{
"repositoryMetadata": {
"accountId": "123456789012",
"repositoryId": "e20c0c4a-c073-4da7-a029-10868fbf3957",
"repositoryName": "test-repo",
"repositoryDescription": "Test repository",
"lastModifiedDate": "2025-11-24T21:14:59.123000+00:00",
"creationDate": "2025-11-24T21:14:59.123000+00:00",
"cloneUrlHttp": "https://git-codecommit.us-east-1.amazonaws.com/v1/repos/test-repo",
"cloneUrlSsh": "ssh://git-codecommit.us-east-1.amazonaws.com/v1/repos/test-repo",
"Arn": "arn:aws:codecommit:us-east-1:123456789012:test-repo"
}
}
作成されたリポジトリ情報より、以下の事実が確認できました。
- 作成日時:
2025-11-24T21:14:59(発表直後) - クローンURL: HTTPSおよびSSHのURLが正常に発行されている
- Repository ID: 新規のUUIDが割り当てられている
これにより、非推奨化期間中に作成されたアカウントであっても、現在は問題なくCodeCommitのリソースを作成・利用できることが実機で裏付けられました。
まとめ
AWS CodeCommitのGA復帰と、新規アカウントでのリポジトリ作成が可能であることを確認しました。
一度は移行を検討された方も多いかと思いますが、VPC内での閉域網構成やIAMによる厳格なアクセス制御が必要なケースにおいて、CodeCommitは引き続き強力な選択肢となります。Git LFSのサポート予定など、今後の機能拡張にも注目していきたいと思います。






