【アップデート】 AWS Cost Explorer で期間ごとのコスト比較ができるようになりました
こんにちは!クラウド事業本部のおつまみです。
みなさん、AWS Cost Explorer 使っていますか?私は毎日見ています。
コスト分析に欠かせない便利なサービスですよね。
なんとAWS Cost Explorerで期間ごとのコスト比較機能がリリースされました!
2025/5/29時点で、What's Newでは紹介されていませんでした、Document historyにはバッチリ載っていました。
早速確認してみよう!とのことで、今回はこの新機能の概要と使い方についてご紹介します。
3行まとめ
- AWS Cost Explorerで異なる期間のコストを直接比較できるようになりました!
- 前年同期比や前月比など、時系列でのコスト変動を視覚的に把握できるようになりました!
- コスト増減の要因分析がより簡単になり、効果的なコスト管理戦略を立てられます!
アップデートにより何が嬉しくなったのか
これまでCost Explorerでは、特定の期間のコストを確認することはできましたが、異なる期間同士を直接比較するにはQuickSightでダッシュボード化するなど、別のグラフを作成したりする必要がありました。
今回のアップデートにより、別のダッシュボードを作成せず、Cost Explorer上で以下が実現できます。
- 異なる期間のコストを同一画面で比較
- 増減率や差額の自動計算
- 視覚的でわかりやすいコスト比較レポート
この変更により、コスト管理担当者や財務チームの方々の作業効率が大幅に向上しそうです。
どんなことができるのか?
この新機能では、以下の比較ができるようになります。
比較可能な期間パターン
- 前月比較:月次でのコスト変動を追跡
- カスタム期間比較:任意期間(前年同月比、前四半期など)での比較
表示される情報
- コスト差額:絶対的な増減金額
- 増減率:パーセンテージでの変化率
- サービス別内訳:どのサービスが増減に寄与したか
確認してみた
実際にどのように比較されるか確認してみました。
前月比
AWS Cost Explorerにアクセスし、右側のナビゲーションから比較を選択します。
デフォルトだと、日付範囲がMonth over month
で前月比較となっています。
ダッシュボード全体では、以下の情報が表示されています。
上部:コスト比較の概要
- 主要期間の総コスト
- 比較期間の総コスト
- 差額と増減率
中部1:Cost comparison drivers(上位3つのコスト要因のサービス)
ディメンション別(今回はAWSサービス別)に以下が表示
- 期間別のコスト
- 増減金額
- 増減率
なおView All
を押下すると、コスト影響度が高い上位3つ以外のサービスも確認できまました。
中部2:コスト比較グラフ
- 棒グラフでの期間比較(ディメンション別)
下部:Cost comparison breakdown(コスト比較詳細)
ディメンション別(今回はAWSサービス別)に以下が表示
- 期間別のコスト
- コスト差異
- コスト比較率
前年同月比
前年同月比で確認したい場合は日付範囲をCustom
にし、比較したい期間を設定します。
- Primary period(主要期間):比較のベースとなる期間
- Comparison period(比較期間):主要期間と比較したい期間
フィルタリング機能
さらに詳細な分析のために、以下のフィルタリングも可能です。
- アカウント別:複数アカウント環境での比較
なお、コスト比較グラフは利用費の上位アカウントのみ表示されていると思っていましたが、実際はランダムでした。
全アカウントの比較を確認したい場合は、下部のCost comparison breakdownを確認する必要があります。
- リージョン別:リージョン別のコスト比較
どう役立つの?
この機能により、以下のような分析が簡単にできるようになります。
月次レビューでの活用
「今月のコストが先月より20%増加している。EC2のコストが主な要因で、新しいインスタンスの追加が影響している」といった分析が一目でわかります。
年次予算管理
「昨年同月と比較して15%のコスト削減を達成。RIの購入とS3のストレージクラス最適化が効果的だった」といった成果の可視化ができます。
異常検知
通常とは異なるコスト増加パターンを早期に発見し、原因調査につなげることができます。
まとめ
今回はAWS Cost Explorerの新機能「期間ごとのコスト比較」についてご紹介しました。
この機能を使えば、異なる期間のコストを効率的に比較でき、より効果的なコスト管理と最適化戦略を立てることができます。
実際に使ってみて、直感的でわかりやすいUIで簡単に月次や年次比較ができて嬉しいなと思いました。
一方、日次や週次などより細かい期間での比較はできないので、その場合は自前でダッシュボードなどを実装する必要がありそうです。
詳しい使い方は、AWS Cost Explorerのユーザーガイドをご参照ください。
AWS Cost Explorer でのコスト比較の理解 - AWS コスト管理
最後までお読みいただきありがとうございました!
以上、おつまみ(@AWS11077)でした!